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公平交易法

 改正 2017年5月26日
正式施行日 2017年6月14日

 

第一章 総則

第一条
 取引の秩序と消費者の利益を保護し、自由と公正な競争を確保し、経済の安定及び繁栄を促進するため、特にこの法律を制定する。

第二条
 この法律において事業者とは次に掲げるものをいう。

一、会社。

二、個人事業主又はパートナーシップ。

三、その他商品又は役務を提供して取引をする個人又は団体。

2 事業者からなる同業組合又はその他法律に基づいて設立し、構成員の利益増進を目的とした団体は、この法律における事業者とみなす。

第三条
 この法律において取引の相手方とは、事業者と取引を行う又は成立させる供給者又は需要者をいう。

第四条
 この法律において競争とは、二以上の事業者が市場において、より有利な価格、数量、品質、役務又はその他の条件をもって、取引の機会を獲得する行為をいう。

第五条
 この法律において関連市場とは、事業者が一定の商品又は役務について競争する地域又は範囲をいう。

第六条
 この法律において主務官庁とは、公平交易委員会をいう。

2 この法律において規定する事項が、その他の省庁の所掌事務にかかわるときは、主務官庁が各当該省庁と協議してこれを行う。

第二章 競争制限


第七条
 この法律において独占とは、事業者が関連市場において競争がない状態にあり、又は競争力を排除できる圧倒的な地位を有する状態をいう。

2 二以上の事業者が、実質的に価格競争をせず、その全体の対外的な関係が前項に規定する事情を有する場合、独占とみなす。

第八条
 事業者が、次の各号のいずれにも該当しない場合には、前条に規定する独占事業者と認定しない。

一、一つの事業者の関連市場における占有率が二分の一に達する場合。

二、二つの事業者全体の関連市場における占有率が三分の二に達する場合。

三、三つの事業者全体の関連市場における占有率が四分の三に達する場合。

2 前項各号のいずれかに該当するが、その個別の事業者の関連市場における占有率が十分の一に達しない又は前会計年度の総売上高が主務官庁の公告する金額に達しない場合、その事業者は独占事業者と認定しない。

3 事業の設立、又は事業者の提供する商品又は役務の関連市場への参入が、法的、技術的な制約を受ける又はその他市場の需要と供給に影響を与えて競争を阻害する事情を有する場合、前二項の独占事業者と認定しない事情に該当するとしても、主務官庁は独占事業者と認定することができる。

第九条
 独占事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。

一、不公正な方法で、直接的又は間接的に他の事業者が競争に参加することを妨げること。

二、商品価格又は役務報酬を不当に決定、維持又は変更すること。

三、正当な理由なく、取引の相手方に自己を有利に取り扱うようにさせること。

四、その他市場における地位を濫用する行為。

第十条
 この法律において結合とは、事業者が次のいずれかに該当する場合をいう。

一、他の事業者と合併する場合。

二、所有又は取得する他の事業者の株式又は他の事業者への出資額が、他の事業者の議決権付株式の総数又は資本総額の三分の一以上に達する場合。

三、他の事業者の営業又は資産の全部又は主要部分を譲受け又は貸借する場合。

四、他の事業者と恒常的に共同経営し又は他の事業者の委託を受けて経営する場合。

五、他の事業者の業務経営又は人事任免を直接的又は間接的に支配する場合。

2 前項第二号の株式又は出資額を算定するときは、当該事業者との間に支配関係・従属関係がある事業者、及び当該事業者を支配する同じ一又は複数の事業者との間に従属関係がある事業者が所有又は取得する他の事業者の株式又は他の事業者への出資額を併せて算定しなければならない。

第十一条
 事業者が結合するとき、次のいずれかに該当する場合、事前に主務官庁に届出をしなければならない。

一、事業者が結合によってその市場占有率が三分の一に達する場合。

二、結合に参加する一つの事業者の市場占有率が四分の一に達する場合。

三、結合に参加する事業者の前会計年度の売上高が、主務官庁が公告した金額を超える場合。

2 前項第三号の売上高は、結合の参加事業者との間に支配関係・従属関係がある事業者、及び結合の参加事業者を支配する同じ一又は複数の事業者との間に従属関係がある事業者の売上高を合わせて算定しなければならない。その算定方法は主務官庁がこれを公告する。

3 事業者に対し支配権を有する個人又は団体は、この法律の結合に関する規定における事業者とみなす。

4 前項の支配権とは、前項の個人又は団体及びその関係者が所有する他の事業者の議決権付株式又は出資額が、他の事業者の発行済議決権付株式又は資本総額の半数を超えることをいう。

5 前項の関係者とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。

一、同一の自然人、その配偶者及び二親等内の血族。

二、前号の者が発行済議決権付株式の総数又は資本総額の過半数を所有する事業者。

三、第一号の者が会長、社長を務める又はその取締役の過半数を占める事業者。

四、同一の団体、その代表者、管理者又はその他代表権を有する者、並びにその配偶者及び二親等内の血族。

五、同一の団体と前号の自然人が発行済議決権付株式の総数又は資本総額の過半数を所有する事業者。

6 第一項第三号の売上高は、主務官庁が業種を選定してそれぞれこれを公告することができる。

7 事業者は、それが提出した完全な届出資料を主務官庁が受理した日から起算して三十営業日以内は結合してはならない。但し、主務官庁が必要と認めた場合、届出した事業者に書面で通知して、当該期間を短縮又は延長することができる。

8 主務官庁が前項但書により延長する期間は、六十営業日を超えてはならない。期間が延長された届出に対する決定は、第十三条の規定に基づいて行わなければならない。

9 主務官庁が、期間が満了しても第七項但書の延長を通知しない又は前項の決定をしなかった場合、事業者は直ちに結合することができる。但し、次に掲げる事情に該当する場合、直ちに結合してはならない。

一、届出した事業者が更に期間を延長することに同意した場合。

二、事業者の届出事項に虚偽不実がある場合。

10 主務官庁は事業者結合の届出について、外部に意見を求めることができる。必要がある場合、学術研究機関に産業経済分析の提供を依頼することができる。但し、事業者結合に参加するいずれかの事業者が結合に同意しない場合、主務官庁は当該事業者に事業者結合の届出事由を提供するとともに、その意見を求めなければならない。

11 前項但書の届出について、主務官庁は第十三条の規定により決定を下さなければならない。 

第十二条 前条第一項の規定は、次に掲げる事情においてはこれを適用しない。

一、結合に参加する一つの事業者又はその完全子会社が、他の事業者の議決権付株式又は出資額の百分の五十以上をすでに所有し、更に当該他の事業者と結合する場合。

二、同一の事業者が所有する議決権付株式又は出資額が百分の五十以上に達する事業者間で結合する場合。

三、事業者が、その全部又は主要部分の営業又は資産、又は独立運営可能な営業の全部又は一部を、それが独自に新設するその他の事業者に譲渡する場合。

四、事業者が会社法第百六十七条第一項但書又は証券取引法第二十八条の二の規定により株主の所有する株を買戻すことで、その原株主に第十条第一項第二号の事情が生じる場合。

五、単一の事業者が更に投資して子会社を設立し且つその子会社の全株式又は出資額の全額を有する場合。

六、その他、主務官庁が公告する類型。                       

第十三条 事業者結合の届出において、その結合によって経済全体にもたらす利益が競争制限のもたらす不利益を上回る場合、主務官庁はその結合を禁止することはできない。

2 主務官庁は、第十一条第八項の届出に対して決定を下すとき、経済全体にもたらす利益が競争制限のもたらす不利益を上回ることを確保するために、条件又は負担を付すことができる。 

第十四条 この法律において連合行為とは、同一の生産販売段階において競争関係にある事業者が、契約、協定又はその他の形式の合意をもって、共同で商品又は役務の価格、数量、技術、製品、設備、取引の相手方、取引地域を決定し又はその他相互に事業活動を拘束する行為で、生産、商品取引又は役務の需要と供給の市場機能に影響を与えるものをいう。

2 前項のその他の形式の合意とは、法的拘束力の有無を問わず、事実上、共同行為を引き起こす、契約、協定以外の意思の疎通をいう。

3 連合行為の合意は、市場の状況、商品又は役務の特性、コスト及び利潤、事業者の行為の経済的合理性などの要素に基づいてこれを推定することができる。

4 第二条第二項の同業組合又はその他の団体が定款又は会員総会、理事会、監査役会の決議又はその他の方法によって事業活動を拘束する行為も、この法律に規定する連合行為とする。 

第十五条 事業者は連合行為をしてはならない。但し、次の各号のいずれかに該当し、経済全体と公共の利益にとって有益であり、主務官庁に申請し許可を得た場合は、この限りでない。

一、コストを削減し、品質を改善し又は効率を向上させるために、商品又は役務の規格又は型式を統一する場合。

二、技術を向上させ、品質を改善し、コストを削減し又は効率を向上させるために、共同で商品、役務又は市場の研究開発を行う場合。

三、事業者の合理的経営を促進するために、それぞれ専門的な分野の開発をする場合。

四、輸出を確保又は促進するために、専ら海外市場の競争について取り決めをする場合。

五、貿易の機能を強化するために、海外の商品又は役務の輸入について共同行為をする場合。

六、不況により、同一業種の事業者の維持が困難となり又は生産過剰となり、計画的に需要に対応させるために生産販売の数量、設備又は価格を制限する共同行為をする場合。

七、中小企業の経営効率を向上させる又はその競争力を強化するために共同行為をする場合。

八、その他産業発展、技術革新又は経営効率を促進するために必要な共同行為をする場合。

2 主務官庁は前項の申請を受理してから三か月以内に決定をしなければならない。必要がある場合、一回に限り延長することができる。 

第十六条 主務官庁は前条の許可をするとき、条件又は負担を付すことができる。

2 許可には期限を付さなければならず、その期限は五年を超えないものとする。事業者に正当な理由がある場合、期間満了前六か月から三か月までに、書面で主務官庁に延長を申請することができる。その延長期間は、毎回五年を超えないものとする。 

第十七条 連合行為が許可を得た後に、許可事由が消滅し、経済状況が変化し、事業者が許可した範囲を超え又は前条第一項に基づいて主務官庁が付した条件又は負担に違反した場合、主務官庁は許可を取消し、許可の内容を変更し、その行為を停止、改善するよう又は必要な是正措置を講じるよう命じることができる。

第十八条
 主務官庁は前三条の許可及びそれに係る条件、負担、期限について、自発的に公開しなければならない。

第十九条
 事業者は、取引の相手方がその事業者の供給した商品を第三者へ販売する又は第三者が再販売するときの価格を制限してはならない。但し、正当な理由がある場合には、この限りでない。

2 前項の規定は、事業者の役務についてこれを準用する。

第二十条
 次のいずれかに該当する行為で、それが競争を制限する虞がある場合、事業者はこれを行ってはならない。

一、特定の事業者に損害を与えることを目的として、他の事業者に、当該特定の事業者に対する供給、購入又はその他の取引を拒絶させる行為。

二、正当な理由なく、他の事業者に対し差別的な取扱いをする行為。

三、低価格による誘引又はその他不正な方法により、競争者の参入又は競争を阻害する行為。

四、脅迫、誘引又はその他の不正な方法により、他の事業者に、価格競争をさせず、結合、連合又は垂直的競争制限に参加させる行為。

五、取引の相手方の事業活動を不当に制限する条件をつけて、当該相手方と取引をする行為。


第三章 不正競争

第二十一条
 事業者は、商品又は広告上に、又はその他公衆が知りえる方法により、商品に関連し取引の決定に影響を与え得る事項について、虚偽不実の又は誤認を生じさせる表示又は表徴を付してはならない。

2 前項の商品に関連し取引の決定に影響を与え得る事項とは、商品の価格、数量、品質、内容、製造方法、製造日、消費期限、使用方法、用途、原産地、製造者、製造地、加工者、加工地、及びその他誘引効果を有する関連事項をいう。

3 事業者は、前項の虚偽不実又は誤認を生じさせる表示のある商品を、販売、運送、輸出又は輸入してはならない。

4 前三項の規定は、事業者の役務についてこれを準用する。

5 広告代理業者は、明らかに知りながら又は知り得る状況にあるにもかかわらず、誤認を生じさせる広告を制作又は設計した場合、広告主と連帯して損害を賠償する責任を負う。広告媒体業者は、放送又は掲載する広告が誤認を生じさせる虞があることを明らかに知りながら又は知り得るにもかかわらず、放送又は掲載した場合も広告主と連帯して損害を賠償する責任を負う。広告推薦者は、その推薦行為が誤認を生じさせる虞があることを明らかに知りながら又は知り得るにもかかわらず、推薦した場合、広告主と連帯して損害を賠償する責任を負う。但し、広告推薦者が有名な公的人物、専門家又は専門機関でない場合、広告主から得た報酬の十倍の範囲内に限り、広告主と連帯して損害を賠償する責任を負う。

6 前項において広告推薦者とは、広告主を除く、広告においてその商品又は役務に対する意見、信頼、発見又は自ら体験した結果を反映させる者又は機関をいう。

第二十二条
 事業者は、その営業において提供する商品又は役務について、次に掲げる行為をしてはならない。

一、著名な他人の氏名、商号又は会社名、商標、商品容器、包装、外観又はその他他人の商品を表す表徴を、同一又は類似の商品において同一又は類似の方法で使用することにより、他人の商品と混同を生じさせる、又は当該表徴を付した商品を販売、運送、輸出又は輸入する行為。

二、著名な他人の氏名、商号又は会社名、標章又はその他他人の営業、役務を表す表徴を、同一又は類似の役務において同一又は類似の方法で使用することにより、他人の営業又は役務の施設又は活動と混同を生じさせる行為。

2 前項の氏名、商号又は会社名、商標、商品容器、包装、外観又はその他他人の商品又は役務を表す表徴は、法律に基づいて商標権を取得した場合、これを適用しない。

3 第一項の規定は、次の各号に掲げる行為にはこれを適用しない。

一、普通の使用方法で、商品又は役務の慣習上通用している名称、又は取引上同種類の商品又は役務のその他の表徴を付し、又は当該名称又は表徴を付した商品又は役務を販売、運送、輸出又は輸入をする行為。

二、自己の氏名を善意で使用し、又は当該氏名を付した商品又は役務を販売、運送、輸出又は輸入する行為。

三、第一項第一号又は第二号に規定する表徴が著名になる前において、善意で同一又は類似のものを使用し、又はその表徴を当該善意の使用者からその営業と共に譲受けて使用し、又は当該表徴を付した商品又は役務を販売、運送、輸出又は輸入する行為。

4 事業者は、他の事業者の前項第二号又は第三号の行為により、その商品又は役務の出所について混同誤認を生じさせる虞がある場合、他の事業者に対し適切な区別表示を付すよう請求することができる。但し、他の事業者が商品の運送のみを行う場合には、これを適用しない。

第二十三条 事業者は、不当に景品、賞品を提供する方法により、取引の機会を獲得してはならない。

2 前項の景品、賞品の範囲、不当な提供金額及びその他の関連事項は、主務官庁がこれを定める。

第二十四条 事業者は、競争を目的として、他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し又は流布してはならない。

第二十五条
 この法律に別段の定めがある場合を除き、事業者は、その他取引秩序に影響を与える欺瞞的な又は著しく公正を失する行為をしてはならない。

第四章 調査及び処分手続き


第二十六条
 主務官庁は、この法律の規定に違反し、公共の利益を害する事情に対し、告発又は職権により調査処理することができる。

第二十七条
 主務官庁はこの法律により調査をするとき、次に掲げる手続きに従って行うことができる。

一、当事者及び関係者に出頭して意見陳述をするよう通知する。

二、当事者及び関係者に帳簿、書類及びその他必要な資料又は証拠物を提出するよう通知する。

三、当事者及び関係者の事務所、営業所又はその他の場所に職員を派遣して必要な調査を行う。

2 前項の調査により得た証拠に成り得る物は、主務官庁が差し押さえることができる。その差し押さえの範囲及び期間は、調査、検査、鑑定又はその他証拠保全のために必要があるものに限る。

3 調査を受ける者は、主務官庁が第一項の規定により行う調査に対し、正当な理由なく、回避、妨害又は拒否してはならない。

4 調査を行う職員は、法律により公務を執行するときは、職務執行に関する証明書を提示しなければならない。提示がない場合、調査を受ける者はこれを拒否することができる。

第二十八条
 主務官庁が、この法律の規定に違反した疑いがある事業者の行為を調査する場合において、事業者が、主務官庁が定める期限までに具体的な措置を講じて違法の疑いがある行為を停止し且つ改善することを承諾したとき、主務官庁は調査を中止することができる。

2 前項の場合において、主務官庁は事業者のその承諾事項の履行の有無に対して監督を行わなければならない。

3 事業者がその承諾事項をすでに履行し、具体的な措置を講じて違法の疑いがある行為を停止し且つ改善した場合、主務官庁は当該事件の調査の終了を決定することができる。但し、次の各号のいずれかに該当する場合は、調査を再開しなければならない。

一、事業者がその承諾事項を履行しなかったとき。

二、調査中止の決定を下す根拠となった事実に重大な変化が生じたとき。

三、調査中止の決定が、事業者の提供した不完全又は不実の情報に基づくものであるとき。

4 第一項の場合において、処分権の時効は、調査を中止した日から停止する。主務官庁が調査を再開する場合、処分権の時効は、調査を再開した日の翌日から起算し、停止前に既に経過した期間も併せて計算する。

第五章 損害賠償


第二十九条
 事業者がこの法律の規定に違反して他人の権益を侵害した場合、被害者は、これを排除するよう請求することができる。侵害の虞がある場合、これを防止するよう請求することができる。

第三十条
 事業者がこの法律の規定に違反して他人の権益を侵害した場合、損害を賠償する責任を負わなければならない。

第三十一条
 裁判所は、前条の被害者の請求により、事業者の行為が故意によるものと認めるとき、侵害の状況を考慮して、損害額以上の賠償を定めることができる。但し、既に証明された損害額の三倍を超えないものとする。

2 侵害者が侵害行為により利益を得た場合、被害者は当該利益に基づいて損害額を算定することを請求することができる。

第三十二条
 この章に定める請求権は、請求権者が行為及び賠償義務者を知った時から二年間行使しないときは、消滅する。行為の時から十年を経過したときも、同様とする。

第三十三条
 被害者がこの法律の規定より裁判所に訴訟を提起するとき、侵害者の費用負担により、判決書の内容を新聞に掲載することを請求することができる。

第六章 罰則


第三十四条
 第九条又は第十五条の規定に違反し、主務官庁が第四十条第一項の規定により期限を定めてその行為の停止、改善又は必要な是正措置を講じることを命じたにもかかわらず、期限を過ぎてもその行為を停止、改善せず又は必要な是正措置を講じなかった、又は停止後に再び同一の違反行為をした場合、行為者は三年以下の懲役、拘留又は一億元以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第三十五条 第十五条に違反した事業者が、次のいずれかの条件を満たし、且つ、事前に主務官庁の同意を得た場合、主務官庁は第四十条第一項、第二項に基づく過料処分を免除又は軽減する。

一、主務官庁が認識する前又はこの法律に基づいて調査を行う前に、自己が参加した連合行為について、主務官庁に具体的な違法事実を書面で告発し又は陳述し、証拠を提出して調査に協力する。

二、主務官庁がこの法律に基づいて調査を行っている期間中に、自己が参加した連合行為について、具体的な違法事実を陳述し、証拠を提出して調査に協力する。

2 前項の適用対象に関する資格要件、処分減免の基準及び事業者数、違法行為に関する証拠の提出、身分の秘密保持及びその他の関連事項は、主務官庁がこれを定める。

第三十六条
 第十九条又は第二十条の規定に違反し、主務官庁が第四十条第一項の規定により期限を定めてその行為の停止、改善又は必要な是正措置を講じることを命じたにもかかわらず、期限を過ぎてもその行為を停止、改善せず又は必要な是正措置を講じなかった、又は停止後に再び同一の行為をした場合、行為者は二年以下の懲役、拘留又は五千万元以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第三十七条
 第二十四条の規定に違反する場合、行為者は二年以下の懲役、拘留又は五千万元以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2 法人の代表者、代理人、使用人又はその他の従業員がその業務の執行において第二十四条の規定に違反した場合、前項の規定によりその行為者を罰するほか、当該法人に対しても前項の罰金を科する。

3 前二項の罪は、親告罪である。

第三十八条
 第三十四条、第三十六条、第三十七条の処罰は、その他法律でより重い罰則規定がある場合には、その規定に従うものとする。

第三十九条
 事業者が、第十一条第一項、第七項の規定に違反して結合し、又は届出後に主務官庁によりその結合を禁止されたにもかかわらず結合し、又は第十三条第二項の規定により結合に付された負担を履行しなかった場合、主務官庁は、その結合の禁止、期限を定めて、事業者の分割、株式の全部又は一部の処分、営業の一部譲渡、役職の解任又はその他必要な処分を命じるとともに、二十万元以上五千万元以下の過料に処することができる。

2 事業者が結合届出に虚偽不実を記載して結合した場合、主務官庁は、その結合の禁止、期限を定めて、事業者の分割、株式の全部又は一部の処分、営業の一部譲渡、役職の解任又はその他必要な処分を命じるとともに、十万元以上百万元以下の過料に処することができる。

3 事業者が、主務官庁が前二項により下した処分に違反した場合、主務官庁は、解散、休業又は営業停止を命じることができる。

4 前項の営業停止処分の期間は、毎回、六か月までとする。

第四十条
 主務官庁は第九条、第十五条、第十九条及び第二十条の規定に違反する事業者に対し、期限を定めて、その行為の停止、改善又は必要な是正措置を講じるよう命じるとともに、十万元以上五千万元以下の過料に処することができる。期限を過ぎてもその行為を停止、改善せず又は必要な措置を講じない場合、引き続き期限を定めて、その行為の停止、改善又は必要な是正措置をとるよう命じるとともに、その行為を停止、改善し又は必要な是正措置を講じるまで、1回につき、二十万元以上一億元以下の過料に処することができる。

2 事業者が第九条、第十五条に違反し、主務官庁が、重大な違反であると認定した場合、前項の過料の制限を受けることなく、当該事業者の前会計年度の売上高の百分の十以下の過料に処することができる。

3 前項の事業者の前会計年度の売上高の算定、重大な違反であるか否かの認定、過料の計算方法は、主務官庁がこれを定める。

第四十一条
 前二条の処分権は、五年を経過したときに消滅する。

第四十二条
 主務官庁は、第二十一条、第二十三条から第二十五条までの規定に違反する事業者に対し、期限を定めて、その行為の停止、改善又は必要な是正措置を講じるよう命じるとともに、五万元以上二千五百万元以下の過料に処することができる。期限が過ぎても、その行為を停止、改善せず又は必要な是正措置を講じない場合、引き続き期限を定めて、その行為の停止、改善又は必要な是正措置を講じるよう命じるとともに、その行為を停止、改善し又は必要な是正措置を講じるまで、1回につき、十万元以上五千万元以下の過料に処することができる。

第四十三条
 第二条第二項の同業組合又はその他団体がこの法律の規定に違反した場合、主務官庁は違法行為に参加した構成員も併せて罰することができる。但し、構成員が当該違反行為を知らなかった、合意に参加しなかった、当該違反行為を実施しなかった又は主務官庁が調査を開始する前に当該違法行為を既に停止したことを証明できる場合は、罰しない。

 

第四十四条 主務官庁は、第二十七条の規定に基づいて調査を行う場合において、調査を受ける者が第二十七条第三項の規定に違反したとき、五万元以上五十万元以下の過料に処することができる。調査を受ける者が再び通知を受けたにもかかわらず、正当な理由なく、回避、妨害又は拒否したとき、主務官庁は、引き続き調査を行う旨の通知をするとともに、調査を受け入れる、出頭して意見陳述をする又は関連の帳簿、書類等の資料又は証拠を提出するまで、1回につき、十万元以上百万元以下の過料に処することができる。

第七章 附則


第四十五条
 著作権法、商標法、専利法又はその他知的財産権法の規定に基づき権利を行使する正当な行為には、この法律の規定を適用しない。

第四十六条
 事業者の競争に係る行為は、この法律の規定を優先して適用する。但し、他の法律に別の規定があり且つこの法律の主旨に抵触しない場合は、この限りでない。

第四十七条
 認許されていない外国法人又は団体は、この法律の規定により、告訴、自訴又は民事訴訟を提起することができる。但し、条約又はその国の法令、慣例により中華民国国民又は団体が当該国において同等の権利を享受できる場合に限る。団体又は機関によって締結された相互保護の協定が、主務官庁に承認された場合も、同様とする。

第四十七条の一
 主務官庁は、連合行為の調査、取締りを強化し、市場における競争秩序の健全な発展を促進するために、反トラスト基金を設立することができる。

2 前項の基金の資金源は次の通りである。

一、この法律に違反して科された過料の百分の三十。

二、基金の利息収入。

三、予算上の割り当て。

四、その他の関連収入。

3 第一項の基金の用途は次のとおりである。

一、連合行為違反の告発に対する報奨金。

二、国際的な競争法執行機関への協力、調査及び情報交換の推進。

三、この法律及び告発奨励金に係る訴訟事件の関連費用への補助。

四、競争法に関するデータベースの構築及び保守。

五、競争法に関連した制度の研究整備。

六、競争法の教育及び宣伝。

七、その他市場の取引秩序を維持するための必要な支出。

4 前項第一号の告発に対する報奨金の適用範囲、告発人の資格、支払基準、支払手続き、報奨金の取消、廃止及び返還、身分の秘密保持などに関する事項は、主務官庁がこれを定める。

第四十八条
 主務官庁がこの法律に基づいてした処分又は決定に不服がある場合には、直接行政訴訟手続きを適用する。

2 この法律の改正施行前に、まだ終結していない訴願事件は、訴願法の規定によりこれを終結する。

第四十九条
 この法律の施行細則は、主務官庁がこれを定める。

第五十条 この法律は、中華民国百四年一月二十二日に改正し三十日後に施行する第十条及び第十一条を除き、公布の日から施行する。

 

 

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