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 専利法(特許・実用新案・意匠を含む)和訳[1]

 

第一章 総則

1

この法律は、発明、考案及びデザインの創作を奨励、保護、利用し、もって産業の発展を促進するため特に制定する。

2

この法律で「専利」とは、次に掲げるものをいう。

一 特許

二 実用新案

三 意匠

3

1 この法律の主務官庁は経済部である。

2 経済部は、専利主務官庁を指定して専利業務を行わせる。

4

外国人の属する国と中華民国が共に専利の保護に関する国際条約に加盟していないとき、又は相互に専利を保護する条約や協定もしくは団体や機関間で専利の保護に関する主務官庁が認可した協議がないとき、又は当該外国人の属する国が中華民国国民による専利出願を受理しないときは、当該外国人の専利出願を受理しないことができる。

5

1 この法律で「専利を受ける権利」とは、専利出願をする権利をいう。

2 専利を受ける権利を有する者とは、この法律に別段の定がある場合、又は、契約で別段の定がある場合を除き、発明者、考案者、デザインの創作者又はその譲受人や相続人をいう。

6

1 専利を受ける権利及び専利権は、いずれも譲渡又は相続することができる。

2 専利を受ける権利は、質権の目的とすることができない。

3 専利権を目的として質権を設定したときは、契約で別段の定がある場合を除き、質権者は当該専利権を実施することができない。

7

1 従業者の職務に属する発明、考案又はデザインは、その専利を受ける権利及び専利権は使用者に帰属し、使用者は従業者に相当の対価を支払わなければならない。ただし、契約で別段の定があるときは、それに従うものとする。

2 前項の職務に属する発明、考案又はデザインとは、従業者が雇用関係に基づいて業務上完成させた発明、考案又はデザインをいう。

3 一方が出資し、他人を招聘して研究開発に従事させるときは、その専利を受ける権利及び専利権の帰属は双方の契約の定による。契約に定められていないときは、専利権は発明者、考案者又はデザインの創作者に帰属する。ただし、出資者は、その発明、考案又はデザインを実施することができる。

4 第1項、前項の規定により、専利を受ける権利及び専利権が使用者又は出資者に帰属するときは、発明者、考案者又はデザインの創作者は氏名表示権を享有する。

8

1 従業者の職務に属さない発明、考案又はデザインについて、その専利を受ける権利及び専利権は従業者に属する。ただし、その発明、考案又はデザインが使用者の資源又は経験を利用したものであるときは、使用者は従業者に相当の対価を支払った後に、当該事業においてその発明、考案又はデザインを実施することができる。

2 従業者が職務外で発明、考案又はデザインを完成させたときは、書面により直ちに使用者に通知しなければならない。必要があるときは、その創作過程についても告知しなければならない。

3 前項の書面通知の送達後6ヶ月以内に、使用者が従業者に反対の意を示さないときは、当該発明、考案又はデザインが職務上の発明、考案又はデザインであることを主張することができない。

9

前条の使用者と従業者の間で締結された契約が、従業者にとってその発明、考案又はデザインの権益を享受できないように定められたものは、無効とする。

10

使用者又は従業者は、第7条及び第8条で定める権利の帰属に関し紛争があり協議が成立したときは、証明書類を添付して、専利主務官庁に権利者の名義変更を申請することができる。専利主務官庁が必要と認めるときは、その他法令によって取得した調停、仲裁又は判決に関する書類を添付すべき旨を当事者に通知することができる。

11

1 出願人は、専利出願及びその他専利に関する手続を代理人に委任して行うことができる。

2 中華民国国内に住所又は営業所がない者は、専利出願及びその他専利に関する手続を代理人に委任して行わなければならない。

3 代理人は、法令に別段の定めがある場合を除き、弁理士でなければならない。

4 弁理士の資格及び管理は別途法律で定める。

12

1 専利を受ける権利が共有に係るときは、共有者全員で出願しなければならない。

2 二人以上が共同で専利出願以外の専利に関する手続を行う場合は、出願の取下げ、放棄、分割、変更及びこの法律の別段の定めにより共同署名しなければならないときを除き、他の共有者の同意を得ないでその他の手続きを行うことができる。ただし、代表者が定められているときは、それに従うものとする。

3 前二項の共同署名しなければならないときは、送達を受けるべき者として、そのうちの1人を指定しなければならない。専利主務官庁は、送達を受けるべき者が指定されていないときは、第1順位の出願人を送達を受けるベき者とし、送達事項をその他の者にも通知しなければならない。

13

1 専利を受ける権利が共有に係るときは、共有者全体の同意を得なければ、譲渡又は放棄をすることができない。

2 専利を受ける権利の共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を他人に譲渡することができない。

3 専利を受ける権利の共有者がその持分を放棄したときは、その持分は他の共有者に帰属する。

14

1 専利を受ける権利を承継した場合、出願時に承継人の名義で専利出願をしなければ、又は、出願後に専利主務官庁に名義変更を申請しないければ、第三者に対抗することができない。

2 前項の名義変更を申請するときは、譲渡又は相続を問わず、証明書を添付しなければならない。

15

1 専利主務官庁の職員及び審査官は、相続による場合を除き、在職期間中に専利出願をすることができず、かつ、直接又は間接を問わず、専利に係るいかなる権益を受けることもできない。

2 専利主務官庁の職員及び審査官は職務上知り得た、若しくは持ち得た専利に係る発明、考案、デザイン又は出願人の事業上の秘密に対し守秘義務を負う。これに違反するときは、関連する法的責任を負わなければならない。

3 審査官の資格は法律で定める。

16

1 審査官は、次の各号のいずれかに該当するときは、回避しなければならない。

一 本人又はその配偶者が当該専利出願の出願人、専利権者、無効審判の請求人、代理人、代理人の共同事業者、又は代理人と雇用関係にあるとき。

二 本人が当該専利出願の出願人、専利権者、無効審判の請求人又は代理人の四親等内の血族若しくは三親等内の姻族であるとき。

三 本人又はその配偶者が当該専利出願について出願人、専利権者、無効審判の請求人と共同権利人、共同義務人又は弁済義務人の関係にあるとき。

四 本人が当該専利出願の出願人、専利権者、無効審判の請求人の法定代理人、家長若しくは家族であるとき又はあったとき。

五 本人が当該専利出願の出願人、専利権者、無効審判の請求人の訴訟代理人若しくは補佐人であるとき又はあったとき。

六 本人が当該専利出願の証人、鑑定人、異議申立人若しくは無効審判の請求人であるとき又はあったとき。

2 専利主務官庁は、審査官が除斥されるべきであったにもかかわらず回避しなかったときは、職権又は請求により、その者が行った処分を取り消した後、他の適当な処分をすることができる。

17

1 専利出願及びその他専利に関する手続をなすべき者が、法定期間又は指定された期間内に手続を行わなかったとき、この法律に別段の定めがある場合を除き、その手続を受理してはならない。ただし、指定された期間を経過したが処分前に補正を行ったときは、その手続を受理しなければならない。

2 天災又は出願人の責に帰すべきでない事由により法定期間に遅延したときは、その原因が消滅した日から30日以内に、書面で理由を説明し、専利主務官庁に原状回復を申請することができる。ただし、法定期間に遅延してから一年を超えたときは、原状回復を申請することができない。

3 原状回復を申請するときは、同時にその期間内にすべき手続を補正しなければならない。

4 前2項の規定は、第29条第4項、第52条第4項、第70条第2項、第120条において準用する第29条第4項、第120条において準用する第52条第4項、第120条において準用する第70条第2項、第142条第1項において準用する第29条第4項、第142条第1項において準用する第52条第4項、第142条第1項において準用する第70条第2項に定める期間に遅延した場合には、適用しない。

18

査定書又はその他の書類の送達方法がないときは、専利公報に公告しなければならず、かつ、公報に公告されてから30日経過した後、送達が完了したものとみなす。

19

専利出願及びその他専利に関する手続は、電磁的方法ですることができる。その施行規則は主務官庁が定める。

20

1 この法律による期間の計算は、期間の初日を算入しない。

2 第52条第3項、第114条及び第135条でそれぞれ定める専利権の存続期間は、出願日から起算する。

第二章 特許

第一節 専利要件

21

「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作をいう。

22

1 産業上利用することができる発明は、次に掲げる発明を除き、この法律により出願し、特許を受けることができる。

一 出願前に刊行物に記載された発明

二 出願前に公然実施をされた発明

三 出願前に公然知られた発明

2 前項各号に掲げる事情がないが、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が出願前の従来技術に基づいて容易に完成することができたときは、その発明については、特許を受けることができない。

3 出願人の意図による公開または出願人の意図に反する公開の事実が発生してから12ヶ月以内に出願したときは、その事実は第1項各号、又は前項の特許を受けることができない事由に該当しないものとする。

4 出願により台湾または外国において法律に基づき公報に公開されたことが、出願人の意図によるものであるときは、前項の規定を適用しない。

23

専利出願に係る発明が、その出願より先に出願され、かつ、その出願後に公開又は公告された特許出願若しくは実用新案登録出願に添付した明細書、専利請求の範囲又は図面に記載された内容と同一であるときは、特許を受けることができない。ただし、その出願人が先に出願された特許出願又は実用新案登録出願の出願人と同一であるときは、この限りでない。

24

次の各号に掲げる発明については、特許を受けることができない。

一 動植物及び動植物を生み出す主な生物学的方法に係る発明。ただし、微生物学的方法はこの限りでない。

二 人類又は動物の診断•治療又は外科手術の方法に係る発明。

三 公の秩序又は善良の風俗を害する発明。

第二節 出願

25

1 特許出願は、専利を受ける権利を有する者が願書、明細書、専利請求の範囲、要約書及び必要な図面を専利主務官庁に提出して行う。

2 特許出願は、願書、明細書、専利請求の範囲及び必要な図面が全て揃った日を出願日とする。

3 明細書、専利請求の範囲及び必要な図面が出願の時に中国語書面でなく外国語書面が提出され、かつ、専利主務官庁が指定する期間内に中国語書面が補正されたときは、当該外国語書面が提出された日を出願日とする。

4 前項の指定された期間内に中国語書面を補正しなかったときは、出願を受理しない。ただし、処分前に補正されたときは、補正された日を出願日とし、外国語書面は提出されなかったものとみなす。

26

1 明細書は、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者がその内容を理解し、それに基づいて実現することができる程度に明確かつ十分に開示しなければならない。

2 専利請求の範囲は専利を出願する発明を特定しなければならない。その内容は一以上の請求項を含むことができ、各請求項は明確かつ簡潔に記載され、かつ、明細書に支持されなければならない。

3 要約書は開示された発明の内容の概要を明らかに記載しなければならない。その内容は開示が十分であるかどうか、又は専利を出願する発明が専利要件を満たすかどうかの判断に用いてはならない。

4 明細書、専利請求の範囲、要約書及び図面の開示方式は、この法律の施行細則に定める。

27

1 出願人は、生物学的材料又は生物学的材料を利用した特許を出願するときは、遅くとも出願日までに当該生物学的材料を専利主務官庁が指定する国内寄託機関に寄託しなければならない。ただし、当該生物学的材料が、その属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に取得できるときは寄託する必要はない。

2 出願人は、出願日後4ヶ月以内に寄託証明書を提出し、かつ、寄託機関、寄託日及び寄託番号を記載しなければならない。当該期間が経過しても当該証明書が提出されないときは、寄託しなかったものとみなす。

3 第28条の規定により優先権を主張するときは、前項の期間は最先の優先日から16ヶ月以内とする。

4 出願前に専利主務官庁が認可した外国寄託機関に寄託し、かつ、第2項又は前項に規定する期間内に専利主務官庁が指定する国内寄託機関に寄託した旨の証明書類及び外国寄託機関が発行した証明書類を提出したときは、第1項の遅くとも出願日までに国内寄託機関に寄託しなければならないとする制限を受けない。

5 出願人は、中華民国と相互に寄託効力を承認する外国が指定したその国内の寄託機関に寄託し、かつ第2項又は第3項に規定する期間内に当該寄託機関が発行した証明書類を提出したときは、国内に寄託しなければならないとする制限を受けない。

6 第1項の生物学的材料寄託の受理要件、種類、態様、数量、費用及び寄託の執行に係るその他の規則は、主務官庁が定める。

28

1 出願人は、中華民国と相互に優先権を承認する外国又は世界貿易機関の加盟国において、最初に法律に則って専利出願し、かつ、最初の専利の出願日から12ヶ月以内に、中華民国に専利出願をする同一のものは、優先権を主張することができる。

2 出願人が一出願で2以上の優先権を主張するときは、前項の期間の計算は最先の優先日を基準とする。

3 外国の出願人が世界貿易機関の加盟国の国民ではなく、かつ、その属する国と中華民国とが相互に優先権を承認していないが、世界貿易機関加盟国又は互恵関係にある国の領域内に住所又は営業所を有しているときは、第1項の規定により優先権を主張することができる。

4 優先権を主張したときは、その専利要件の審査は優先日を基準とする。

29

1 前条の規定により優先権を主張するときは、出願と同時に次の事項を声明しなければならない。

一 最初の出願の出願日

二 その出願が受理された国名又は世界貿易機関加盟国

三 最初の出願の出願番号

2 出願人は、最先の日から16ヶ月以内に、前項の外国又は世界貿易機関の加盟国により受理された旨を証明する出願の書類を提出しなければならない。

3 第1項第1号、第2項又は前項の規定に違反するときは、優先権を主張しなかったものとみなす。

4 出願人が、故意によらず専利出願をすると同時に優先権を主張せず、又は第1項第1号、第2項の規定に違反したことにより主張しなかったものとみなされるときには、最先の日から16ヶ月以内に、優先権主張の回復を申請し、かつ申請費用を納付して第1項及び第2項に規定する手続を補正することができる。

30

1 出願人がその中華民国において先に出願した発明又は考案に基づいて別途専利出願をする場合、先の出願の出願当時、願書に添付した明細書、専利請求の範囲又は図面に記載された発明又は考案に基づいて優先権を主張することができる。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、優先権を主張することができない。

一 先の出願の日から12ヶ月が経過しているとき

二 先の出願に記載された発明又は考案において第28条又は本条の規定により既に優先権が主張されているとき

三 先の出願が第34条第1項又は第107条第1項に規定された出願の分割、又は第108条第1項に規定された出願の変更であるとき

四 先の出願が発明であり、既に公告されている、又は受けた拒絶査定が確定しているとき

五 先の出願が考案であり、既に公告されている、又は受けた拒絶査定が確定しているとき

六 先の出願が取り下げられた、又は受理されなかったとき

2 前項の先の出願は、その出願の日から15ヶ月を経過した時に取り下げたものとみなす。

3 先の出願の出願日から15ヶ月を超えたときは、優先権の主張を取り下げることができない。

4 第1項により優先権を主張した後の出願が先の出願の出願日から15ヶ月以内に取り下げられたときは、優先権の主張も同時に取り下げられたものとみなす。

5 出願人が一出願で2以上の優先権を主張するときは、その優先権期間の計算は最先の日を基準とする。

6 優先権が主張されているとき、その専利要件の審査は、優先日を基準とする。

7 第1項により優先権を主張するときは、専利出願と同時に先の出願の出願日及び出願番号を声明しなければならない。声明をしなかったときは、優先権を主張しなかったものとみなす。

31

1 同一の発明について、2以上の専利出願があったときは、最先の出願人のみが特許を受けることができる。ただし、後の出願が主張する優先日が先の出願の出願日よりも早いときは、この限りでない。

2 前項の出願日又は優先日が同日であるときは、協議により定めるべき旨を出願人に通知しなければならない。協議が成立しないときは、いずれも特許を受けることができない。出願人が同一人であるときは、期間を指定していずれかの出願を選択すべき旨を出願人に通知しなければならない。当該期間が経過してもいずれかの出願を選択しないときは、いずれも特許を受けることができない。

3 各出願人が協議するときは、専利主務官庁は適当な期間を指定して、当該協議結果を届け出るべき旨を出願人に通知しなければならない。当該期間が経過しても届け出ないときは、当該協議は成立しなかったものとみなす。

4 前三項の規定は第32条で定める場合を除き、同一の創作がそれぞれ特許及び実用新案登録に出願される場合に準用する。

32

1 同一人が同じ創作について、同日にそれぞれ特許及び実用新案登録に出願した場合、出願の時にそれぞれその旨を声明しなければならない。特許をすべき旨の査定がされる前に、実用新案権を取得したとき、専利主務官庁は期間を指定していずれかの出願を選択すべき旨を出願人に通知しなければならない。出願人がそれぞれ声明をしなかったとき又は当該期間が経過してもいずれかの出願を選択しないときは、特許を受けることができない。

2 出願人が、前項の規定により特許を選択したとき、その実用新案権は特許の公告の日に消滅する。

3 特許の査定の前に、実用新案権が既に消滅した又は取消が確定したときは、専利を受けることができない。

33

1 特許出願は、一発明ごとに出願しなければならない。

2 2以上の発明が一つの広義の発明概念に属するときは、一つの願書で特許出願をすることができる。

34

1 専利出願に係る発明が実質上2以上の発明であるときは、専利主務官庁の通知又は出願人の請求により、出願を分割することができる。

2 出願の分割は、次の各号に掲げる期間内に行わなければならない。

一 もとの出願の再審査の査定前。

二 もとの出願の専利をすべき旨の査定又は再審査での専利をすべき旨の査定の送達後3ヶ月以内。

3 出願の分割に係る新たな出願は、もとの出願の出願日を出願日とする。優先権があるときは、優先権を主張することができる。

4 出願の分割に係る新たな出願は、もとの出願の時の明細書、専利請求の範囲又は図面に開示された範囲を超えることができない。

5 第2項第1号の規定により分割した後の出願は、もとの出願で既にした手続から審査を続行しなければならない。

6 第2項第2号の規定により分割する出願は、もとの出願の明細書又は図面に開示された発明からのもので、かつ、査定された専利請求の範囲と同一の発明に属さないものに限る。分割した後の出願は、もとの出願の専利をすべき旨の査定がされる前の審査手続を続行する。

7 もとの出願の査定された明細書、専利請求の範囲又は図面は変更することができず、専利をすべき旨の査定がされたときの専利請求の範囲及び図面で公告される。

35

1 特許権は、専利を受ける権利を有する者又は専利を受ける権利の共有者が当該専利の公告から2年以内に第71条第1項第3号の規定により無効審判を請求し、かつ、取消が確定してから2ヶ月以内に同じ発明について専利出願をしたときは、取消が確定した特許権の出願日をその出願日とする。

2 前項の規定により行った出願は、改めて公告しない。

第三節 審査及び再審査

36

専利主務官庁は、審査官を指定して、特許出願の実体審査について、これを審査させなければならない。

37

1 専利主務官庁が、特許出願書類を受理した後、審査の結果、手続の規定に合致しない箇所がなく、かつ、公開すべきでない事情がないと認めるときは、出願日から18ヶ月を経過してから、その出願について公開をしなければならない。

2 専利主務官庁は出願人の請求により、その出願を早期に公開することができる。

3 特許出願が次の各号のいずれかに該当するときは、公開しない。

一 出願日から15ヶ月以内に取り下げられたとき

二 国防上の機密又はその他国家安全に関わる機密に及ぶとき

三 公の秩序又は善良の風俗を害するとき

4 優先権が主張されているときは、第1項及び前項の期間の計算は、優先日を基準とする。2以上の優先権が主張されているときは、最先の優先日を基準とする。

38

1 何人も、特許出願日から3年以内に、專利主務官庁にその特許出願について実体審査の請求をすることができる。

2 第34条第1項の規定による出願の分割、又は第108条第1項の規定による特許への出願の変更は、前項の期間を経過したときは、出願の分割又は出願の変更を行った後30日以内に、専利主務官庁に実体審査の請求をすることができる。

3 前二項の規定により行った審査の請求は取り下げることができない。

4 第1項又は第2項で定める期間内に実体審査の請求をしなかったときは、この特許出願は、取り下げたものとみなす。

39

1 前条の審査の請求をするときは、請求書を提出しなければならない。

2 専利主務官庁は、審査請求の事実を専利公報に掲載しなければならない。

3 特許出願人でない者から実体審査の請求があったときは、専利主務官庁はその旨を特許出願人に通知しなければならない。

40

1 特許出願公開後に専利出願人でない者が業として特許出願に係る発明を実施しているときは、専利主務官庁は請求によりその特許出願を優先して審査することができる。

2 前項の請求をするときは、関連する証明書類を提出しなければならない。

41

1 特許出願人は、その出願の公開後、かつて特許出願内容について書面による通知を行ったにもかかわらず、通知後から公告前までに依然として当該発明を業として実施し続けた者に対し、当該特許出願の公告後、適当な補償金の支払いを請求することができる。

2 既に公開された特許出願であることを知って、公告前に業として当該発明を実施し続けた者に対しても、前項の請求をすることができる。

3 前二項の規定による請求権の行使は、その他の権利の行使を妨げない。ただし、この法律の第32条に基づき、特許及び実用新案登録をそれぞれ出願し、且つすでに実用新案権を取得している場合は、補償金の請求又は実用新案権の行使のいずれかのみ主張することができる。

4 第1項、第2項による補償金の請求権は、公告の日から2年以内に行使しないときは消滅する。

42

1 専利主務官庁は、特許を審査するときに、請求により又は職権で、期間を指定して出願人に次の各号をすべき旨を出願人に通知することができる。

一 専利主務官庁に出頭して面談すること。

二 必要な実験を行い、模型又は見本を追加提出すること。

2 前項第2号の実験、追加提出された模型又は見本について、専利主務官庁は、必要と認めるときに、現場又は指定した場所で実地検証を実施することができる。

43

1 専利主務官庁は、特許を審査する時に、この法律に別段の定めがある場合を除き、請求により又は職権で、期間を指定して明細書、専利請求の範囲又は図面の補正をすべき旨を出願人に通知することができる。

2 補正について、誤訳に対する訂正を除き、出願の時の明細書、専利請求の範囲又は図面に開示された範囲を超えることができない。

3 専利主務官庁から第46条第2項の規定により通知された後、出願人は、通知された期間内に限り補正をすることができる。

4 専利主務官庁は、前項の規定により通知した後、必要があると認めるときには、最終通知をすることができる。最終通知を受けたとき、出願人は通知された期間において、次の各号に限り、専利請求範囲の補正をすることができる。

一 請求項の削除

二 専利請求の範囲の縮減

三 誤記の訂正

四 明瞭でない記載に対する釈明

5 前二項の規定に違反するとき、専利主務官庁は、査定書にその事由を説明し、査定をすることができる。

6 もとの出願又は出願の分割に係る新たな出願について、次の各号のいずれかに該当するときは、専利主務官庁は、最終通知をすることができる。

一 もとの出願に対する通知が、出願の分割に係る新たな出願に対して既に通知された内容と同じである場合

二 出願の分割に係る新たな出願に対する通知が、もとの出願に対して既に通知された内容と同じである場合

三 出願の分割に係る新たな出願に対する通知が、出願の分割に係るその他の新たな出願に対して既に通知された内容と同じである場合

44

1 明細書、専利請求の範囲又は図面については、第25条第3項の規定により、外国語書面で提出された場合、外国語書面は補正することができない。

2 第25条第3項の規定により補正された中国語書面は、出願の時の外国語書面に開示されている範囲を超えることができない。

3 前項の中国語書面について、誤訳の訂正は出願の時の外国語書面に開示されている範囲を超えることができない。

45

1 特許出願を審査した後は、査定書を作成し、特許出願人に送達しなければならない。

2 拒絶をすべき旨の査定をするときは、査定書に理由を記載しなければならない。

3 査定書には審査官の氏名を記載しなければならない。再審査、訂正、無効審判、存続期間の延長登録及び延長登録無効審判の査定書も同様とする。

46

1 特許出願が第21条から第24条まで、第26条、第31条、第32条第1項、第3項、第33条、第34条第4項、第6項前段、第43条第2項、第44条第2項、第3項又は第108条第3項の規定に違反するときは、拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。

2 専利主務官庁は、前項の査定をする前に、期間を指定して意見書の提出をすべき旨を出願人に通知しなければならない。期間が経過しても当該意見書の提出がされないときは、拒絶をすべき旨の査定をする。

47

1 審査を行った結果、拒絶の理由を発見しないときは、専利をすべき旨の査定をすると同時に、その専利請求の範囲及び図面を公告しなければならない。

2 公告された専利について、何人も、その査定書、明細書、専利請求の範囲、要約書、図面及び全資料の閲覧、謄写、撮影又は複写を請求することができる。ただし、専利主務官庁が法律により秘密を保持しなければならないときは、この限りでない。

48

特許出願人は、拒絶をすべき旨の査定に不服があるときは、査定書の送達があった日から2ヶ月以内に理由書を添付して再審査を請求することができる。ただし、出願手続の不適法若しくは出願人不適格の理由で受理されなかったとき、又は却下されたときは、法律に基づき行政救済を請求することができる。

49

1 出願は、第46条第2項の規定により拒絶をすべき旨の査定がされたとき、再審査の時に、明細書、専利請求の範囲又は図面を補正することができる。

2 出願は、審査されて最終通知後拒絶をすべき旨の査定がされたときには、再審査の時に行った補正は、依然として第43条第4項各号の規定に制限される。ただし、専利主務官庁が、再審査の後、もとの審査手続で発行された最終通知が不適当であると認める場合には、この限りでない。

3 次の各号のいずれかに該当するときは、専利主務官庁は直ちに最終通知をすることができる。

一 再審査理由に拒絶の理由があるとき

二 再審査の時に行った補正に拒絶の理由があるとき

三 前項の規定により行った補正が第43条第4項各号の規定に違反するとき

50

再審査を行うときは、専利主務官庁はもとの審査にかかわっていない審査官を指定して審査させ、査定書を作成させて出願人に送達しなければならない。

51

1 発明を審査した結果、国防上の機密又はその他国家安全に関わる機密に及ぶと認める場合には、国防部又は国家安全関連機関の意見を確認しなければならない。秘密にする必要があると認めるときは、出願書類を封緘する。実体審査が請求されているときは、査定書を作成して出願人及び発明者に送達しなければならない。

2 出願人、代理人及び発明者は、前項の発明について秘密を保持しなければならない。これに違反したときは、専利を受ける権利を放棄したものとみなす。

3 秘密保持期間は、出願人に査定書の送達があった日から1年間とし、1年ごとに延長することができる。専利主務官庁は期間満了の1ヶ月前に国防部又は国家安全の関連機関に意見を確認しなければならず、秘密保持の必要がないと認めるときは、直ちに公開しなければならない。

4 特許をすべき旨の査定がされている第1項の発明について、秘密を保持する必要がないと認められるときは、専利主務官庁は、3ヶ月以内に証書料及び第1年の年金を納付すべき旨を出願人に通知しなければならず、当該費用が納付された後に公告される。期間が経過しても当該費用が納付されないときは公告を行わない。

5 秘密保持期間に出願人が受けた損失について、政府は相当な補償を与えなければならない。

第四節 専利権

52

1 専利出願に係る発明は、出願人が専利をすべき旨の査定書の送達があった日から3ヶ月以内に証書料及び第1年の年金を納付しなければならず、当該費用が納付された後に公告される。期間が経過しても当該費用が納付されないときは公告を行わない。

2 専利出願に係る発明は、公告の日より特許を受け、証書が交付される。

3 特許権の存続期間は、出願の日から20年をもって終了する。

4 出願人が、故意によらず第1項又は前条第4項に定める期間内に当該費用を納付しなったときは、納付期間満了の日から6ヶ月以内に、証書料及び2倍の第1年の年金を納付した後、専利主務官庁によって公告をすることができる。

53

1 医薬品、農薬又はその製造方法に係る特許権の実施が、他の法律の規定により、許可証を取得しなければならないものについて、専利出願の公告の後で取得するときは、専利権者は第一次許可証で1回に限り、専利権の存続期間の延長登録出願をすることができ、かつ当該許可証に基づく専利権の存続期間の延長登録出願は1回のみとする。

2 前項の延長登録期間は、中央目的事業主務官庁から許可証を取得するために発明の実施をすることができない期間を超えることができない。許可証を取得するための期間が5年を超えているとき、延長期間も5年を限度とする。

3 第1項の医薬品は、動物用薬品に及ばない。

4 第1項の出願は、第一次許可証を取得した後3ヶ月以内に、願書に証明書類を添付し、専利主務官庁に提出しなければならない。但し、専利権の存続期間の満了前6ヶ月以後に、これをすることができない。

5 存続期間の延長登録に関する審査及び査定について、主務官庁は国民の健康への影響を考慮し、中央目的事業主務官庁と共同で審査及び査定の方法を定めなければならない。

54

前条の規定により専利権存続期間の延長登録を出願する場合、専利主務官庁がもとの専利権存続期間が満了するまでに査定しなかったときには、その専利権存続期間が延長されたものとみなす。ただし、拒絶すべき旨の査定があったときには、もとの専利権存続期間が満了するまでとする。

55

専利主務官庁は、特許権存続期間の延長登録出願について、審査官を指定して審査させ、査定書を作成して専利権者に送達しなければならない。

56

専利主務官庁により存続期間の延長登録をすべき旨の査定を受けた特許権の範囲は、許可書に記載された有効成分及び用途の範囲に限る。

57

1 何人も、特許権の存続期間の延長登録が、次の各号のいずれかに該当すると認める場合、証拠を添付して、専利主務官庁に無効審判を請求することができる。

一 特許の実施について許可証を取得する必要がないとき。

二 専利権者又は実施権者が許可証を取得していないとき。

三 延長の期間が実施をすることができなかった期間を超えているとき。

四 専利権の存続期間の延長登録の出願をした者が専利権者でないとき。

五 延長登録の出願をした際に提出された許可証が第一次許可証ではない、又は当該許可証がすでに延長登録に用いられたことのあるとき。

六 専利権の存続期間の延長登録がされた医薬品が動物用薬品であるとき。

2 専利権の存続期間の延長登録が無効審判によって取り消すべき旨の審決が確定した場合、その延長登録による存続期間の延長は、初めからされなかったものとみなす。但し、前項第3号の規定に該当することにより無効審判で延長登録を取り消すべき旨の審決が確定したときは、当該超える期間について、その延長がされなかったものとみなす。

58

1 特許権者は、この法律で別段の規定がある場合を除き、他人がその承諾を得ないで当該発明を実施する行為を排除する権利を専有する。

2 物の発明の実施とは、その物の生産、販売の申出、販売、使用をする行為、又はこれらを目的とする輸入行為をいう。

3 方法の発明の実施とは、次の各号の行為をいう。

一 その方法の使用をする行為

二 その方法をもって直接生産した物を使用、販売の申出、販売をする行為、又はこれらを目的とする輸入行為

4 特許権の範囲は専利請求の範囲を基準とし、専利請求の範囲を解釈する時には、明細書及び図面を参酌することができる。

5 要約書は専利請求の範囲の解釈に用いてはならない。

59

1 特許権の効力は、次の各号の事項には及ばない。

一 商業上の目的によらない未公開の行為。

二 研究又は試験の目的で発明を実施するのに必要な行為。

三 出願前既に国内で実施がされていたもの、又はその必要な準備が既に完了していたもの。但し、特許を受ける権利を有する者からその発明を知らされてから12ヶ月未満、かつ特許を受ける権利を有する者がその特許権を留保する旨の表明をした場合は、この限りでない。

四 単に国境を通過するに過ぎない交通手段又はその装置。

五 専利を受ける権利を有しない者の受けた専利権が、専利権者による無効審判請求のために取り消された場合、その実施権者が無効審判請求前に、善意で国内で実施していたもの、又はその必要な準備を既に完了していたもの。

六 専利権者が生産した又は専利権者の同意を得て生産した物が販売された後、その物を使用する又は再販売する行為。前記の生産、販売行為は、国内に限らない。

七 専利権が第70条第1項第3号の規定により消滅した後から、専利権者が第70条第2項により専利権効力を回復させ、かつそれが公告される前において善意で実施していたもの、又はその必要な準備を既に完了していたもの。

2 前項第3号、第5号及び第7号の実施者は、その元来の事業の目的範囲に限り継続して使用することができる。

3 第1項第5号の実施権者は、当該専利権が無効審判請求により取り消された後も、依然として実施を継続する場合、専利権者による書面通知を受領した日から、専利権者に合理的な対価を支払わなければならない。

60

特許権の効力は、薬事法が定めた新医薬品の承認審査又は外国における医薬品の販売承認を取得することを目的として行った研究、試験及びその必要な行為に及ばない。

61

2以上の医薬品を混合することにより製造されるべき医薬品の発明又は方法の発明に係る特許権の効力は、医師の処方箋により調剤する行為及び調剤する医薬品には及ばない。

62

1 特許権者が、その特許権を他人に移転、信託、実施権を設定・許諾、又は質権を設定する場合、専利主務官庁に登録しなければ、第三者に対抗することができない。

2 前項の実施権は専用実施権の設定又は通常実施権の許諾を含む。

3 専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、特許権者及び第三者の当該発明に対する実施行為を排除するものとする。

4 特許権者は、複数の債権を担保するために、同一の専利権について複数の質権を設定するときには、登録の先後でその順位を定める。

63

1 専用実施権者は、その設定された権利について、第三者に再許諾して実施させることができる。ただし、契約で別段の定をした場合には、それに従う。

2 通常実施権者は、特許権者又は専用実施権者の同意を得なければ、許諾された権利を第三者に再許諾して実施させることができない。

3 再実施権は、専利主務官庁に登録しなければ、第三者に対抗することができない。

64

特許権が共有に係るときは、各共有者は、自ら実施する場合を除き、他の共有者全員の同意を得なければ、他人に譲渡、信託、実施を許諾、質権を設定又は放棄することができない。

65

1 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を他人に譲渡、信託、又は質権を設定することができない。

2 特許権が共有に係る場合において、各共有者がその持分を放棄したとき、該部分は他の共有者に帰属する。

66

特許権者が中華民国と外国の間で発生した戦事により損害を受けたとき、1回に限り、5年から10年までの特許権存続期間の延期を出願することができる。但し、交戦国の国民の特許権は、延期を出願することができない。

67

1 特許権者は、次の各号のいずれかの事項に限り、専利明細書、専利請求の範囲又は図面の訂正を請求することができる。

一 請求項の削除

二 専利請求の範囲の減縮

三 誤記又は誤訳の訂正

四 明瞭でない記載の釈明

2 訂正は、誤訳の訂正を除き、出願の時に提出した明細書、専利請求の範囲又は図面で開示されている範囲を超えることができない。

3 第25条第3項の規定により、明細書、専利請求の範囲及び図面が外国語書面で提出されたときには、その誤訳に対する訂正は、出願の時に外国語書面で開示されている範囲を超えることができない。

4 訂正は、公告時の専利請求の範囲を実質上拡大又は変更することができない。

68

1 専利主務官庁は、訂正の請求の審査については、第77条の規定に従うほか、審査官を指定して審査させ、かつ査定書を作成させ、出願人に送達させなければならない。

2 専利主務官庁は、訂正をすべき旨の査定をするときは、その事由を公告しなければならない。

3明細書、専利請求の範囲及び図面の訂正が公告された場合、出願日にさかのぼって発効する。

69

1 特許権者は、実施権者又は質権者の同意を得なければ、専利権の放棄又は第67条第1項第1号又は第2号により訂正の請求をすることができない。

2 特許権が共有に係るときは、共有者全員の同意を得なければ、第67条第1項第1号又は第2号により訂正の請求をすることができない。

70

1 次の各号のいずれかに該当するとき、特許権は当然消滅する。

一 専利権の存続期間が満了したとき、存続期間の満了後に消滅する。

二 専利権者が死亡したが、相続人がないとき。

三 2年目以降の年金が、追納することができる期間が満了するまでに納付されなかったとき、当該権利は、本来の納付期間満了後に消滅する。

四 専利権者が自ら権利を放棄するとき、その書面の提出日から消滅する。

2 専利権者は、故意によらず第94条第1項に規定する期間内に追納しなかった場合、期間満了後の1年以内に、専利権の回復を請求することができ、かつ3倍の年金を納付した後、専利主務官庁によって公告される。

71

1 特許権が次の各号のいずれかに該当するときは、何人も、専利主務官庁に無効審判を請求することができる。

一 第21条から第24条まで、第26条、第31条、第32条第1項、第3項、第34条第4項、第6項前段、第43条第2項、第44条第2項、第3項、第67条第2項から第4項まで、又は第108条第3項の規定に違反するとき。

二 専利権者の属する国が中華民国国民の専利出願を受理しないとき。

三 第12条第1項の規定に違反するとき、又は特許権者が特許を受ける権利を有する者ではないとき。

2 利害関係人に限り、前項の第3号を理由に、無効審判を請求することができる。

3 特許権について無効審判を請求することができる理由は、特許をすべき旨の査定時の規定に従う。但し、第34条第4項、第6項前段、第43条第2項、第67条第2項、第4項又は第108条第3項の規定に違反したことにより無効審判を請求するときには、無効審判請求時の規定に従う。

72

利害関係人は、専利権を取消にすることで回復可能な法律上の利益がある場合、専利権の当然消滅後においても、無効審判を請求することができる。

73

1 無効審判は請求の趣旨及びその理由を記載した請求書を備え、かつ証拠を添付しなければならない。

2 専利権に2以上の請求項があるときには、一部の請求項に対して無効審判を請求することができる。

3 無効審判請求の趣旨は、請求後変更又は追加をすることができない。但し減縮することができる。

4 無効審判を請求する理由又は証拠を補充する場合、無効審判請求人は無効審判請求の日から3ヶ月以内に行わなければならない。前掲期間の満了後に提出されたものは参酌しない。

74

1 専利主務官庁は、前条に定める請求書を受理したときは、その副本を専利権者に送達しなければならない。

2 専利権者は副本送達の日から1ヶ月以内に答弁しなければならない。予め理由を説明して期間の延長が許可された場合を除き、期限が経過しても答弁しない場合は直ちに審理する。

3 無効審判の審理中は、専利権者は答弁すべき、答弁を補充すべき、もしくは意見書を提出すべき旨 の通知を受けたときに限り訂正を請求することができる。但し、特許権が訴訟に係属している場合は、この限りでない。

4 専利主務官庁が必要があると認め、無効審判請求人に対し理由を提出・補充すべき旨、又は専利権者に答弁を補充すべき、もしくは意見書を提出すべき旨を通知した場合、無効審判請求人又は専利権者は送達の日から1ヶ月以内にしなければならない。期間の延長が許可された場合を除き、期限が経過してから提出されたものは参酌しない。

5 前項の規定により補充した理由又は答弁が審理を遅延させるおそれがあり、又はその事実・証拠が既に明確であると認めるとき、専利主務官庁は直ちに審理することができる。

75

専利主務官庁は無効審判を審理する際、請求の趣旨の範囲内において、職権で無効審判請求人が提出していない理由及び証拠を参酌して、専利権者に対し期間を指定して答弁すべき旨を通知しなければならない。期限が経過しても答弁しない場合は直ちに審理する。

76

1 専利主務官庁は、無効審判を審理する際、申立てにより又は職権で、期限を指定して、専利権者に次の各号の事項を行うべき旨を通知することができる。

一 専利主務官庁に出頭し面談する。

二 必要な実験を行ったり、模型又は見本を補充提出する。

2 前項第2号の実験、模型又は見本の補充提出について必要があると認めるとき、専利主務官庁は現場又は指定した場所で実地検証することができる。

77

1 無効審判の審理期間において訂正の請求があるとき、併合して審理及び審決を行わなければならない。

2 専利主務官庁が前項の訂正の請求を審理した結果、訂正を許可すべきと認めるとき、訂正後における明細書、専利請求の範囲又は図面の副本を無効審判請求人に送達しなければならない。但し、訂正が請求項の削除のみの場合は、この限りでない。

3 同一の無効審判案の審理期間において、2以上の訂正請求があるときには、先の請求は取り下げられたものとみなす。

78

1 同一の専利権に対し複数の無効審判案がある場合において、専利主務官庁が必要と認めるときは、その審理を併合することができる。

2 前項の規定により審理を併合して行う無効審判案は、併合して審決をすることができる。

79

1 専利主務官庁は、無効審判を審理する際、審査官を指定して審理させ、審決書を作成させて専利権者及び無効審判請求人に送達しなければならない。

2 無効審判の審決は、各請求項ごとに行わなければならない。

80

1 無効審判請求人は、審決前に無効審判請求を取り下げることができる。ただし、専利権者がすでに答弁を提出した場合、専利権者の同意を得なければならない。

2 専利主務官庁は、無効審判請求が取り下げられた事実を専利権者に通知しなければならない。通知送達の日から10日以内に、専利権者が反対の意を示さないとき、取り下げることに同意したものとみなす。

81

次の各号のいずれかに該当するときは、何人も、同一の事実により同一の証拠に基づいて、同一の専利権に対して再び無効審判を請求することができない。

一 同一の事実により同一の証拠に基づいて他の無効審判を請求し、審理の結果、不成立とされたとき。

二 知的財産事件審理法の第33条の規定により知的財産裁判所に提出した新しい証拠が審理の結果、理由がないと認められたとき。

82

1 特許権が、無効審判により取り消すべきものと認められるときは、その特許権を取り消さなければならない。各請求項ごとに取り消すことができる。

2 特許権が取り消された後、次のいずれかに該当する場合は、その取消が確定したものとする。

一 法律に基づき行政救済を請求しなかったとき。

二 行政救済を求めたが、却下が確定したとき。

3 特許権の取り消しが確定した場合、その特許権の効力は初めから存在しなかったものとみなす。

83

この法律の特許無効審判に関する規定は、第57条第1項の特許権の存続期間の延長登録無効審判に準用する。

84

特許権の設定、変更、存続期間の延長登録及び延期、移転、信託、実施権の設定・許諾、強制実施許諾、取消、消滅、質権の設定、無効審判の審決及びその他の公告すべき事項は、専利公報に公告しなければならない。

85

1 専利主務官庁は専利権原簿を備え置き、それに専利の設定、専利権の異動及び法令に定める全ての事項を記載しなければならない。

2 前項の専利権原簿は、電磁的方法で作成することができ、国民の、閲覧、謄写、撮影又は複写に供さなければならない。

86

専利主務官庁は、この法律により公開、公告すべき事項を電磁的方法で行うことができる。その実施日は、専利主務官庁が定める。

第五節 強制実施許諾

87

1 国家の緊急危難又はその他の重大な緊急事態に対処するために、専利主務官庁は、緊急命令又は中央目的事業主務官庁からの通知により、必要な専利権の強制実施を許諾し、かつ速やかにその旨を専利権者に通知しなければならない。

2 次の各号のいずれかに該当して強制実施許諾が必要となる場合、専利主務官庁は、請求により強制実施を許諾することができる。

一 公益を増進するための非営利目的の実施であるとき。

二 特許又は実用新案権の実施が、従来の特許又は実用新案権の侵害を回避することができず、かつ、当該従来の特許又は実用新案権よりも相当な経済意義を有する重要な技術改良であるとき。

三 専利権者は競争制限又は不正競争の理由で裁判所の判決又は公平交易委員会の処分を受けたことがあるとき。

3 半導体技術に係る専利について強制実施の許諾を請求する場合は、前項第1号又は第3号の事情がある場合に限る。

4 第2項第1号又は第2号の規定により専利権の強制実施の許諾を請求する場合は、出願人がかつて合理的な商業条件を提示したにもかかわらず、相当期間内に実施権の設定・許諾について協議できなかった場合に限る。

5 第2項第2号の規定により専利権の強制実施許諾を請求する場合は、その専利権者は、合理的な条件を提出して、出願人の専利権について強制実施許諾を請求することができる。

88

1 、前条第2項及び第90条の強制実施許諾請求を受理したときは、専利主務官庁は専利権者に通知して、期間を指定して答弁させなければならない。期間が満了しても答弁しなかった場合には、直ちにこれを審査することができる。

2 強制実施許諾は、国内市場の需要に対して供給することを主としなければならない。ただし、前条第2項第3号の規定により強制実施許諾をする場合は、この限りでない。

3 強制実施許諾の査定は書面でしなければならず、かつその実施許諾の理由、範囲、期間及び支払うべき補償金を記載しなければならない。

4 強制実施許諾は、その専利権者がその専利権を実施することを妨げない。

5 強制実施許諾については、移転、信託、承継、実施許諾、又は質権を設定することができない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

一 前条第2項第1号又は第3号に規定する強制実施許諾が、当該専利の実施に係る営業と共に、移転、信託、承継、実施許諾、又は質権を設定するとき。

二 前条第2項第2号又は第5項に規定する強制実施許諾が、実施権者の専利権と共に、移転、信託、承継、実施許諾、又は質権を設定するとき。

89

1 第87条第1項の規定により強制実施許諾されたものが、中央目的事業主務官庁により強制実施許諾の必要がないと認められたとき、専利主務官庁は、その通知により強制実施許諾を取り消さなければならない。

2 次の各号のいずれかに該当するときに、専利主務官庁は、請求により強制実施許諾を取り消すことができる。

一 強制実施許諾の根拠となる事情の変更により、強制実施許諾の必要がなくなったとき。

二 実施権者が実施許諾の内容に基づいて適当に実施をしなかったとき。

三 実施権者が専利主務官庁の査定に基づいて補償金の支払いをしなかったとき。

90

1 製薬能力がなく又は製薬能力が不足である国家が、エイズ、肺結核、マラリア又はその他の伝染病の治療に必要な医薬品を取得するのに協力するために、専利主務官庁は、当該国家が必要な医薬品の輸入ができるよう、請求により、請求者に専利権の強制実施を許諾することができる。

2 前項の規定により強制実施許諾を請求する場合は、請求者がかつて合理的な商業条件を提示したにもかかわらず、相当期間内に実施権の設定・許諾について協議できなかったものに限る。ただし、輸入国で必要な医薬品の強制実施許諾が既に許可された場合は、この限りでない。

3 輸入国が世界貿易機関加盟国である場合、請求者は第1項により請求する時には、輸入国が既に次の事項を履行したことを証明する書類を添付しなければならない。

一 貿易関連知的所有権理事会に当該国の必要な医薬品の名称及び数量を通知したこと。

二 貿易関連知的所有権理事会に当該国は製薬能力がない又は製薬能力が不足しているため、輸入国となることを希望する旨を通知したこと。ただし、後発開発途上国であるとき、請求者は証明書類を添付する必要がない。

三 必要な医薬品が、当該国では専利権がない、もしくは専利権があるものの、強制実施が既に許諾された又は許諾されようとしているとき。

4 前項の後発開発途上国は、国際連合によって発布された後発開発途上国をいう。

5 輸入国が世界貿易機関加盟国ではなく、後発開発途上国もしくは製薬能力がない又は不足している国家である場合、請求者は、第1項により請求する時に、輸入国がすでに次の事項を履行したことを証明する書類を添付しなければならない。

一 書面で中華民国外交官庁に必要な医薬品の名称及び数量を提出したこと。

二 必要な医薬品の再輸出防止に同意したこと。

91

1 前条の規定により強制実施許諾により製造された医薬品は、すべて輸入国に輸送しなければならず、かつ実施許諾により製造した数量は、輸入国が貿易関連知的所有権理事会又は中華民国外交官庁に通知した必要な医薬品の数量を超えることができない。

2 前条の規定により強制実施許諾により製造された医薬品は、その外包装に専利主務官庁の指定した内容に従いその実施許諾根拠を表示しなければならない。その包装及び色又は形状は、専利権者又はその実施権者が製造した医薬品と区別できなければならない。

3 強制実施の実施権者は、専利権者に適当な補償金を支払わなければならない。補償金の金額については、専利主務官庁が輸入国における必要な医薬品に関する医薬品特許権の経済価値に基づいて、国際連合の発布した人間開発指数を参考にして定めるものとする。

4 強制実施の実施権者は当該医薬品を輸出する前に、ウェブサイトで該医薬品の数量、名称、目的地及び区別できる特徴を公開しなければならない。

5 前条の規定により強制実施許諾により製造された輸出用医薬品は、その承認審査について、薬事法第40条の2の第2項の規定に制限されない。

第六節 料金の納付

92

1 特許に関する各種出願について、出願人は出願時に、手数料を納付しなければならない。

2 専利を受けた場合、特許権者は、証書料及び年金を納付しなければならない。特許権存続期間の延長、延期が許可された場合、延長又は延期が許可された期間内においても、年金を納付しなければならない。

93

1 年金は公告の日から起算する。1年目の年金は、第52条第1項の規定により納付し、2年目以降の年金は、それぞれの期間が満了する前に納付しなければならない。

2 前項の年金は、数年分を一括して納付することができる。一括して納付した後は、年金の改定があった場合にも、その差額を追納する必要はない。

94

1 特許の2年目以降の年金を、年金を納付すべき期間内に納付しなかった場合、期間の経過後6ヶ月以内に追納することができる。ただし、その年金の納付については、もとの納付すべき年金のほかに、比例方式により計算した額を年金に加算して納付しなければならない。

2 前項の比例方式による年金の加算納付とは、年金を納付すべき期間を超えた期間に基づき、月毎に加算して納付し、1ヶ月を超える毎に20%を加算して納付し、最高は、規定する年金の倍額まで加算して納付することをいう。その納付遅延期間が1日以上1ヶ月未満であるときは、1ヶ月とする。

95

特許権者が自然人、学校又は中小企業である場合、専利主務官庁に年金の減免を申請することができる。

第七節 損害賠償及び訴訟

96

1 特許権者は、自己の専利権を侵害した者に対し、侵害の排除を請求することができる。侵害されるおそれがある場合、その予防を請求することができる。

2 特許権者は、その専利権を故意又は過失により侵害した者に対し、損害賠償を請求することができる。

3 特許権者は、第1項の請求をするとき、専利権侵害に係る物又は侵害の行為を組成した物あるいは設備について、廃棄処分又はその他の必要とされる処置を請求することができる。

4 専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、前三項の請求をすることができる。ただし、契約で別段の定めをした場合には、それに従う。

5 発明者は氏名表示権が侵害された場合、発明者の氏名表示又はその他名誉回復のために必要な処分を請求することができる。

6 第2項及び前項に規定する請求権は、請求権者が侵害及び賠償義務者の存在を知った時から2年間行使しないときは、消滅する。不法行為の時から10年を経過したときも、同様とする。

97

1 前条により損害賠償を請求する際は、次の各号のいずれかの方法によりその損害額を算定することができる。

一 民法第216条の規定による。但し、その損害を証明するための証拠方法を提供することができない場合、特許権者は、その専利権の実施により通常得られる利益から、損害を受けた後に同一の専利権の実施により得られた利益を控除した残額をその損害額とすることができる。

二 侵害者が侵害行為により得た利益による。

三 当該特許の実施権を設定・許諾することによって得られる実施料に相当する金額をその損害額とする。

2 前項の規定により、侵害行為が故意である場合、裁判所は被害者の請求により、侵害の程度を斟酌して、損害額以上の賠償を定めることができる。ただし、すでに証明された損害額の三倍を超えることができない。

97条の1

1 専利権者はその有する専利権を侵害するおそれのある輸入貨物に対し、税関に当該輸入貨物の輸入に先行して差押えを申し立てることができる。

2 前項規定による申立ては書面でしなければならない。また、侵害の事実に対する釈明とともに、税関が査定した当該輸入貨物の関税込み価格に相当する額の保証金又は相当の担保を提出しなければならない。

3 税関が差押え申立てを受理したときは、直ちに当該申立てをした者に通知しなければならない。前項の規定に該当して差押えを行うとき、その旨を当該申立てをした者及び当該貨物を輸入しようとする者に対し書面により通知しなければならない。

4 当該貨物を輸入しようとする者は第2項に定める保証金の二倍の保証金又は相当の担保を提供して差押えの取消し及び関連輸入貨物の通関手続きの規定の適用を申し立てることができる。

5 差押物の機密に対する保護を損なわない前提で、税関は当該申立てをした者又は当該貨物を輸入しようとする者の申立てにより差押物の検査に同意することができる。

6 差押物が当該申立てをした者が取得した裁判所の確定判決により専利権侵害に係る物とされたとき、当該貨物を輸入しようとする者は差押物のコンテナ延滞料金、保管料、積み下ろし費用などの関連費用を負担しなければならない。

97条の2

1 税関は、次の各号のいずれかに該当するときは、差押えを取り消さなければならない。

一 当該申立てをした者が税関より差押え申立て受理の通知を受けた翌日から12日以内に、第96条に基づき差押物を専利権侵害に係る物として訴訟を提起せず、若しくは税関に通知しなかったとき。

二 当該申立てをした者が差押物を専利権侵害に係る物として提起した訴訟が裁判所の裁判で確定的に却下されたとき。

三 裁判所の確定判決により差押物が専利権侵害に係る物に属さないとされたとき。

四 当該申立てをした者が差押えの取消を申し立てるとき。

五 前条第四項の規定に該当したとき。

2 前項第1号に規定する期限について、税関は必要に応じ12日間延長することができる。

3 税関が第1項に基づき差押えを取り消した場合、関連輸入貨物の通関手続きの規定を適用しなければならない。

4 差押えが第1項第1号から第4号までの事由により取り消された場合、当該申立てをした者は差押物のコンテナ延滞料金、保管料、積み下ろし費用などの関連費用を負担しなければならない。

97条の3

1 差押物が裁判所の確定判決により専利権侵害に係る物に属さないとされた場合、当該申立てをした者は、当該貨物を輸入しようとする者が差押え又は第97条の14項に基づき保証金を提供したことにより受けた損害を賠償しなければならない。

2 当該申立てをした者は第97条の14項に規定する保証金について、または当該貨物を輸入しようとする者は第91条の12項に規定する保証金について、質権者と同一の権利を有する。ただし、前条第4項および第97条の16項に規定するコンテナ延滞料金、保管料、積み下ろし費用などの関連費用は、当該申立てをした者または当該貨物を輸入しようとする者の損害に優先して弁済をする。

3 次の各号のいずれかに該当するときは、税関は当該申立てをした者の請求により、第97条の12項に規定する保証金を返還しなければならない。

一 当該申立てをした者が勝訴の確定判決を取得し、または当該貨物を輸入しようとする者との和解が調い、保証金を引き続き提供する必要がなくなったとき。

二 前条第1項第1号から第4号の規定に基づき差押えを取り消したことにより、当該貨物を輸入しようとする者が損害を受けたあと、または当該貨物を輸入しようとする者が勝訴の確定判決を取得したあと、当該申立てをした者が20日以上の期間を定め当該貨物を輸入しようとする者に権利を行使すべき旨を催告しても行使をしないことを証明できるとき。

三 当該貨物を輸入しようとする者が返還に同意したとき。

4 次の各号のいずれかに該当するとき、税関は当該貨物を輸入しようとする者の請求により、第97条の14項に規定する保証金を返還しなければならない。

一 前条第1項第1号から第4号までの規定に基づき差押えを取り消し、または当該申立てをした者との和解が調い、保証金を引き続き提供する必要がなくなったとき。

二 当該申立てをした者が勝訴の確定判決を取得したあと、当該貨物を輸入しようとする者が20日以上の期間を定め当該申立てをした者に権利を行使すべき旨を催告しても行使をしないことを証明できるとき。

三 当該申立てをした者が返還に同意したとき。

97条の4

前三条に規定する差押えの申立ておよび取消、差押物の検査、保証金又は担保の納付、提供若しくは返還の手続、必要書類およびその他行うべき事項に関する規則は、主務官庁が財政部と共同で定める。

98

専利に係る物には専利証の番号を表示しなければならない。専利に係る物に表示できない場合、ラベル、包装又はその他の他人に認識させることができる顕著な方式で表示することができる。専利証番号を表示しなかった場合、損害賠償を請求する時に、その物が専利に係るものであることを明らかに知っていたこと、又はそれを知り得たことを証明する証拠を提出しなければならない。

99

1 物を生産する方法の専利により生産された物が、その物を生産する方法の専利出願前に国内外に見られなかった場合、他人が生産した同一の物は、その方法の専利により生産されたものと推定する。

2 前項の推定は、反証を提出することにより覆すことができる。被告が、当該同一の物を生産した方法と物を生産する方法の専利とは異なることを証明したときは、反証を提出したものとみなす。被告が立証時に開示した生産上及び営業上の秘密の合法的権益は、十分に保障されなければならない。

100

特許に係る訴訟事件について、裁判所は判決書の正本を一部専利主務官庁に送達しなければならない。

101

無効審判が権利侵害訴訟の審理に係る場合、専利主務官庁は、優先的にこれを審査することができる。

102

認可を得ていない外国法人又は団体は、この法律が規定する事項について、民事訴訟を提起することができる。

103

1 裁判所は、特許に係る訴訟事件を審理する専門法廷を設ける、又は専門の担当者を指定して審理させることができる。

2 司法院は、専利侵害鑑定の専門機関を指定することができる。

3 裁判所は、特許に係る訴訟を受理し、前項の機関に委託して鑑定させることができる。

第三章 実用新案登録

104

実用新案とは、自然法則を利用した技術的思想のうち、物品の形状、構造又は組み合わせに係る考案をいう。

105

実用新案が、公の秩序又は善良の風俗を害する場合には、実用新案登録を受けることができない。

106

1 実用新案登録の出願は、専利を受ける権利を有する者が願書、明細書、専利請求の範囲、要約書及び図面を専利主務官庁に提出して行う。

2 実用新案登録の出願は、願書、明細書、専利請求の範囲及び図面が全て揃った日を出願日とする。

3 明細書、専利請求の範囲及び図面が出願の時に中国語書面で提出されず、外国語書面で提出され、かつ、専利主務官庁が指定する期間内に中国語書面が補正されたときは、当該外国語書面が補正された日を出願日とする。

4 前項の指定された期間内に中国語書面を補正しなかったときは、その出願を受理しない。ただし、処分前に補正したときは、補正した日を出願日とし、外国語書面は提出されなかったものとみなす。

107

1 実用新案出願に係る考案が実質上2以上の考案であるときは、専利主務官庁の通知又は出願人の請求により、出願を分割することができる。

2 出願の分割は、次の各号に掲げる期間内に行わなければならない。

一 もとの出願の処分前。

二 もとの出願の実用新案登録をすべき旨の処分の送達後3ヶ月以内。

108

1 特許又は意匠登録の出願をした後、これを実用新案登録の出願に変更する場合、又は実用新案登録の出願をした後、これを特許の出願に変更する場合は、もとの出願の出願日をその変更後の出願の出願日とする。

2 次の各号のいずれかに該当するときは、出願変更をすることができない。

一 もとの出願について実用新案をすべき旨の査定書又は処分書が送達されたとき。

二 もとの出願が発明又はデザインであり、拒絶をすべき旨の査定書が送達されてから2ヶ月を超えたとき。

三 もとの出願が考案であり、拒絶をすべき旨の査定書が送達されてから30日を超えたとき。

3 出願変更後の出願は、もとの出願の出願の時の明細書、専利請求の範囲又は図面に開示された範囲を超えることができない。

109

専利主務官庁は、実用新案登録について方式審査を行うときには、請求により又は職権で、期間を指定して明細書、専利請求の範囲又は図面を補正すべき旨を出願人に通知することができる。

110

1 明細書、専利請求の範囲及び図面は、第106条第3項の規定により、外国語書面で提出された場合、その外国語書面は補正することができない。

2 第106条第3項の規定により提出した中国語書面は、出願の時の外国語書面で開示されている範囲を超えることができない。

111

1 実用新案登録出願について、方式審査を行った後、処分書を作成し、出願人に送達しなければならない。

2 方式審査の結果、拒絶をすべきであるときは、処分書に理由を記載しなければならない。

112

実用新案登録の出願について、方式審査の結果、次の各号のいずれかの事情を有すると認める場合、拒絶をすべき旨の査定を下さなければならない。

一 実用新案が物品の形状、構造又は組み合わせに係るものでないとき。

二 第105条の規定に違反するとき。

三 第120条において準用する第26条第4項に規定する開示方式に違反するとき。

四 第120条において準用する第33条の規定に違反するとき。

五 明細書、専利請求の範囲又は図面に必要事項が開示されていない場合、又はその開示内容が著しく不明確であるとき。

六 補正が出願の時の願書に添付した明細書、専利請求の範囲又は図面に開示された範囲を明らかに超えているとき。

113

実用新案登録の出願をした考案について、方式審査の結果、拒絶の理由を発見しないときは、実用新案をすべき旨の査定をし、専利請求の範囲及び図面を公告しなければならない。

114

実用新案権の存続期間は、出願日から起算して10年をもって終了する。

115

1 実用新案登録出願に係る考案の公告後、何人も、専利主務官庁に対し実用新案技術報告を請求することができる。

2 専利主務官庁は、実用新案技術報告請求の事実を、専利公報に掲載しなければならない。

3 専利主務官庁は、審査官を指定して実用新案技術報告を作成させなければならず、かつ、その審査官は報告に署名しなければならない。

4 専利主務官庁は、第1項の請求に対して、第120条において準用する第22条第1項第1号、第2項、第120条において準用する第23条、第120条において準用する第31条に規定する事情について、実用新案技術報告を作成しなければならない。

5 第1項の規定によりなされた実用新案技術報告請求に、専利権者でない者が業としてその実用新案を実施していることが明記され、かつ関連証明書類を添付する場合、専利主務官庁は6ヶ月以内に実用新案技術報告を完成しなければならない。

6 実用新案権の消滅後においても実用新案技術報告を請求することができる。

7 第1項の規定により行った請求は、取り下げることができない。

116

実用新案権者が実用新案権を行使するとき、実用新案技術報告を提示しなかった場合、警告することができない。

117

実用新案権者の実用新案登録が取り消される場合、それが取り消される前にその実用新案権を行使することによって他人に与えた損害について、賠償責任を負わなければならない。ただし、実用新案技術報告の内容に基づいて、相当の注意をしたときには、この限りでない。

118

実用新案権者は第120条において準用する第74条第3項の規定に従うほか、次の各号に掲げる期間内に限り訂正の請求を行うことができる。

一 実用新案権に関する実用新案技術報告の請求が受理されているとき。

二 実用新案権が訴訟に係属しているとき。

119

1 実用新案権が次の各号のいずれかに該当するときは、何人も、専利主務官庁に無効審判を請求することができる。

一 第104条、第105条、第108条第3項、第110条第2項、第120条において準用する第22条、第120条において準用する第23条、第120条において準用する第26条、第120条において準用する第31条、第120条において準用する第34条第4項、第6項前段、第120条において準用する第43条第2項、第120条において準用する第44条第3項、第120条において準用する第67条第2項から第4項までの規定に違反するとき。

二 専利権者の属する国が中華民国国民の出願を受理しないとき。

三 第12条第1項の規定に違反するとき、又は実用新案権者が実用新案登録を受ける権利がないとき。

2 利害関係人に限り、前項の第3号を理由として無効審判を請求することができる。

3 実用新案権について無効審判を請求することができる理由は、その実用新案登録をすべき旨の処分時の規定に従う。但し、第108条第3項、第120条において準用する第34条第4項、第6項前段、第120条において準用する第43条第2項又は第120条において準用する第67条第2項、第4項の規定に違反したことを理由に、無効審判を請求するときには、無効審判請求時の規定に従う。

4 無効審判の審決書には審査官の氏名を記載しなければならない。

120

第22条、第23条、第26条、第28条から第31条まで、第33条、第34条第3項から第7項まで、第35条、第43条第2項、第3項、第44条第3項、第46条第2項、第47条第2項、第51条、第52条第1項、第2項、第4項、第58条第1項、第2項、第4項、第5項、第59条、第62条から第65条まで、第67条、第68条、第69条、第70条、第72条から第82条まで、第84条から第98条まで、第100条から第103条までの規定は、実用新案に準用する。

第四章 意匠

121

1 デザインとは、物品の全部又は一部の形状、模様、色彩若しくはこれらの結合に対して、視覚に訴える創作をいう。

2 物品に用いられるコンピュータアイコン及びグラフィカルユーザインタフェースも、この法律により意匠登録を受けることができる。

122

1 産業上利用することのできるデザインで、次の各号のいずれかに該当しないときは、この法律により出願し、意匠登録を受けることができる。

一 出願前に既に同一又は類似のデザインが刊行物に記載されたもの。

二 出願前に既に同一又は類似のデザインが公然実施されたもの。

三 出願前に既に公然知られたもの。

2 デザインが、前項各号の事情に該当しなくても、それが属する技芸分野の通常知識を有する者が出願前の従来技芸に基づいて容易に思いつく場合には、意匠登録を受けることができない。

3 出願人の意図による公開または出願人の意図に反する公開の事実が発生した6ヶ月以内に出願されたもので、かつその事実は第1項各号、又は前項の意匠登録を受けることができない事由に該当するに至らなかったものとする。

4 出願により台湾または外国において法律に基づき公報に公開されたことが、出願人の意図によるものであるときは、前項の規定を適用しない。

123

意匠登録出願に係るデザインが、その出願より先に出願され、かつその出願後はじめて公告された意匠登録出願に添付されている明細書又は図面の内容と同一又は類似である場合には、意匠登録を受けることができない。但し、当該意匠登録出願人と先の意匠登録の出願人が同一である場合には、この限りでない。

124

次の各号のいずれかに該当するものは、意匠登録を受けることができない。

一 機能性しか有さない物品の造形。

二 単なる芸術的創作。

三 集積回路の回路配置及び電子回路の配置。

四 公の秩序又は善良の風俗を害する物品。

125

1 意匠登録の出願は、登録を受ける権利を有する者が願書、明細書及び図面を專利主務官庁に提出して行う。

2 意匠登録出願は、願書、明細書及び図面が全て揃った日を出願日とする。

3 明細書及び図面が出願の時に中国語書面で提出されず、外国語書面で提出され、かつ、専利主務官庁が指定する期間内に中国語書面が提出されたときは、当該外国語書面が提出された日を出願日とする。

4 前項の指定された期間内に中国語書面を提出しなかったときは、出願を受理しない。ただし、処分前に提出したときは、提出した日を出願日とし、外国語書面は提出されなかったものとみなす。

126

1 明細書及び図面は、そのデザインが属する技芸分野における通常知識を有する者がその内容を理解し、それに基づいて実現することができるよう、明確かつ十分に開示しなくてはならない。

2 明細書及び図面の開示方式は、この法律の施行細則で定める。

127

1 同一人が2以上の類似のデザインを有する場合、意匠及びその関連意匠の意匠登録出願をすることができる。

2 関連意匠の意匠登録出願の出願日は、本意匠の出願日より前であることができない。

3 本意匠の公告後に、関連意匠の意匠登録出願をすることができない。

4 同一人は、本意匠と類似せず、関連意匠にのみ類似するデザインについて関連意匠の意匠登録出願をすることができない。

128

1 同一又は類似のデザインについて2以上の意匠登録出願があったときは、最先の出願人のみが意匠登録を受けることができる。但し、後願の出願人が主張する優先日が先願の出願日より早い場合は、この限りでない。

2 前項の出願日又は優先日が同日であるときは、協議により定めるべき旨を出願人に通知しなければならない。協議が成立しないときは、いずれの出願人も意匠登録を受けることができない。その出願人が同一人である場合、期限を指定していずれかの出願を選択すべき旨を出願人に通知しなければならない。該期限が経過してもいずれかの出願を選択しなかった場合は、いずれの出願も意匠登録を受けることができない。

3 出願人が協議する場合、専利主務官庁は適当な期間を指定してその協議結果を届け出るべき旨を出願人に通知しなければならない。該期限が経過しても届け出なかった場合には、協議が成立しなかったものとみなす。

4 前三項の規定は、次の各号に適用しない。

一 本意匠登録出願と関連意匠の意匠登録出願との間。

二 同一の意匠登録出願について2以上の関連意匠の意匠登録出願があった場合、その2以上の関連意匠の意匠登録出願の間。

129

1 意匠登録出願は、1つのデザインごとに出願をしなければならない。

2 同一の類別に属し、かつ習慣上組物になった物品として販売したり使用する2以上の物品は、1デザインとして出願することができる。

3 意匠登録出願をする際は、そのデザインを施す物品を指定しなければならない。

130

1 登録出願に係るデザインが実質上2以上のデザインであるときは、専利主務官庁の通知又は出願人の請求により、出願を分割することができる。

2 出願の分割は、もとの出願の再審査の査定前に行わなければならない。

3 出願の分割に係る新たな出願は、もとの出願で既にした手続から審査を続行しなければならない。

131

1 意匠登録出願をした後関連意匠の意匠登録出願に変更する場合、又は関連意匠の意匠登録出願をした後、意匠登録出願に変更する場合は、もとの出願の出願日を変更後の出願の出願日とする。

2 次の各号のいずれかに該当するときは、出願変更をすることができない。

一 もとの出願について意匠登録をすべき旨の査定書が送達されたとき。

二 もとの出願について拒絶をすべき旨の査定書が送達されてから2ヶ月を超えたとき。

3 出願変更後の意匠又は関連意匠は、もとの出願の出願の時の明細書又は図面に開示されている範囲を超えることができない。

132

1 特許又は実用新案登録の出願をした後、これを意匠登録出願に変更する場合、もとの出願の出願日をその変更後の出願の出願日とする。

2 次の各号のいずれかに該当するときは、出願変更をすることができない。

一 もとの出願について意匠登録をすべき旨の査定書又は処分書が送達されたとき。

二 もとの出願が特許であり、拒絶をすべき旨の査定書が送達されてから2ヶ月を超えたとき。

三 もとの出願が実用新案であり、拒絶処分書が送達されてから30日を超えたとき。

3 出願変更後の出願は、もとの出願の出願の時の明細書、専利請求の範囲又は図面に開示されている範囲を超えることができない。

133

1 明細書及び図面は第125条第3項の規定により外国語で提出された場合、その外国語書面は補正することができない。

2 第125条第3項の規定により提出した中国語書面は、出願の時の外国語書面で開示されている範囲を超えることができない。

134

意匠登録出願が第121条から第124条まで、第126条、第127条、第128条第1項から第3項まで、第129条第1項、第2項、131条第3項、第132条第3項、第133条第2項、第142条第1項において準用する第34条第4項、第142条第1項において準用する第43条第2項、第142条第1項において準用する第44条第3項の規定に違反するときは、拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。

135

意匠権の存続期間は、出願日から起算して15年をもって終了する。関連意匠権の存続期間は、本意匠権の存続期間と同時に終了する。

136

1 意匠権者は、この法律で別段の定めがある場合を除き、他人がその承諾を得ないで当該デザイン及び類似デザインを実施する行為を排除する権利を専有する。

2 意匠権の範囲は図面を基準とし、明細書を参酌することができる。

137

関連意匠権は単独で主張することができ、かつ、類似の範囲に及ぶ。

138

1 関連意匠権は本意匠権と共に移転、信託、承継、実施権の設定・許諾又は質権を設定しなければならない。

2 本意匠権が第142条第1項において準用する第70条第1項第3号又は第4号の規定により当然消滅した場合、若しくは取消が確定した場合、その関連意匠権が2以上存続しているときは、単独で移転、信託、承継、実施権の設定・許諾又は質権を設定することができない。

139

1 意匠権者は、次の各号のいずれかの事項に限り、専利明細書又は図面の訂正を請求することができる。

一 誤記又は誤訳の訂正

二 明瞭でない記載の釈明

2 訂正は、誤訳に対する訂正を除き、出願の時の明細書又は図面に開示されている範囲を超えることができない。

3 第125条第3項の規定により、明細書及び図面が外国語書面で提出されたときには、その誤訳に対する訂正は、出願の時に外国語書面で開示されている範囲を超えることができない。

4 訂正は、公告時の図面範囲を実質上拡大又は変更することができない。

140

意匠権者は、実施権者又は質権人の同意を得ないで意匠権を放棄してはならない。

141

1 意匠権が次の各号のいずれかに該当するときは、何人も、専利主務官庁に無効審判を請求することができる。

一 第121条から第124条まで、第126条、第127条、第128条第1項から第3項まで、131条第3項、第132条第3項、第133条第2項、第139条第2項から第4項まで、第142条第1項において準用する第34条第4項、第142条第1項において準用する第43条第2項、第142条第1項において準用する第44条第3項の規定に違反するとき。

二 専利権者の属する国が中華民国国民の専利登録出願を受理しないとき。

三 第12条第1項の規定に違反する場合、又は意匠権者が意匠登録を受ける権利を有する者ではないとき。

2 利害関係人に限り、前項の第3号を理由に、無効審判を請求することができる。

3 意匠権について無効審判を請求することができる理由は、その登録をすべき旨の査定時の規定に従う。ただし、131条第3項、第132条第3項、第139条第2項、第4項、第142条第1項において準用する第34条第4項又は第142条第1項において準用する第43条第2項の規定に違反したことを理由に、無効審判を請求するときには、無効審判請求時の規定に従う。

142

1 第28条、第29条、第34条第3項、第4項、第35条、第36条、第42条、第43条第1項から第3項まで、第44条第3項、第45条、第46条第2項、第47条、第48条、第50条、第52条第1項、第2項、第4項、第58条第2項、第59条、第62条から第65条まで、第68条、第70条、第72条、第73条第1項、第3項、第4項、第74条から第78条まで、第79条第1項、第80条から第82条まで、第84条から第86条まで、第92条から第98条まで、第100条から第103条までの規定は、意匠に準用する。

2 第28条第1項に規定する期間は、意匠登録出願において6ヶ月とする。

3 第29条第2項及び第4項に規定する期間は、意匠登録出願おいて10ヶ月とする。

4 第59条第1項第3号のただし書に定める期間は、意匠登録出願おいては6ヶ月とする。

第五章 付則

143

1 専利主務官庁は保存価値があると認める専利ファイルにある出願書類、明細書、専利請求の範囲、要約書、図面及び図面説明を永久に保存しなければならない。

2 前項以外の専利ファイルは次の各号に定める期間内において、保存しなければならない。

一 特許に係るものは、特許をすべき旨の査定を受けたものを30年保存するものとし、その他のものを20年とする。

二 実用新案に係るものは、実用新案登録をすべき旨の処分を受けたものを15年保存するものとし、その他のものを10年とする。

三 意匠に係るものは、意匠登録をすべき旨の査定を受けたものを20年保存するものとし、その他のものを15年とする。

3 前項の専利ファイルの保存期間は査定、処分、取り下げ又は取り下げとみなす日の属する年の翌年の初日から起算する。

4 この法律の2019年4月16日に改正した条文の施行前の専利ファイルの保存期間は、改正後の規定を適用する。

144

主務官庁は、発明、考案又はデザインの創作を奨励するために、奨励補助制度を定めることができる。

145

25条第3項、第106条第3項及び第125条第3項の規定により提出した外国語書面について、その外国語の種類の限定及びその他明記すべき事項に関する規則は、主務官庁が定める。

146

1 第92条、第120条において準用する第92条、第142条第1項において準用する第92条に規定する申請手数料、証書料及び年金の料金徴収規則は、主務官庁が定める。

2 第95条、第120条において準用する第95条、第142条第1項において準用する第95条に規定する年金減免の減免条件、期間、金額及びその他行うべき事項に関する規則は、主務官庁が定める。

147

1994123日以前に提出された出願は、第53条の規定により専利権の存続期間の延長登録を出願することができない。

148

1 この法律の1994121日改正法の施行前に査定が確定して公告された専利の専利権の存続期間は、改正前の規定を適用する。但し、世界貿易機関協定が中華民国の実効支配している地域で発効した日にまだ存続している特許権の存続期間については、改正施行後の規定を適用する。

2 この法律の200313日改正条文の施行前に査定が確定して公告された実用新案権の存続期間は、改正前の規定を適用する。

3 世界貿易機関協定が中華民国の実効支配している地域で発効した日にまだ存続している意匠権の存続期間については、この法律の199757日改正された条文施行後の規定を適用する。

149

1 この法律の20111129日改正された条文の施行前に査定されていなかった専利出願は、この法律で別段の定めがある場合を除き、改正施行後の規定を適用する。

2 この法律の20111129日改正された条文の施行前に査定されていなかった訂正の請求及び無効審判は、改正施行後の規定を適用する。

150

1 この法律の20111129日改正された条文の施行前に提出され、改正前の第29条の規定により優先権を主張する特許又は実用新案登録登録出願は、その先願がまだ公告されていない場合又は拒絶すべき旨の査定又は処分がまだ確定していない場合、第30条第1項の規定を適用する。

2 この法律の20111129日改正された条文の施行前に査定された特許出願は、第34条第2項第2号に規定する期間を超えていない場合、第34条第2項第2号及び第6項の規定を適用する。

151

22条第3項第2号、第120条において準用する第22条第3項第2号、第121条第1項の物品の一部に係るデザイン、第121条第2項、第122条第3項第1号、第127条、第129条第2項の規定は、この法律の20111129日改正された条文の施行後に提出された出願に適用する。

152

この法律の20111129日改正された条文の施行前に、改正前の第30条第2項の規定に違反し、寄託しなかったものと見なされた特許出願が改正法施行後まだ査定されていない場合、第27条第2項の規定を適用する。優先権を主張し、最先の優先日から起算して16ヶ月以内にある場合、第27条第3項の規定を適用する。

153

1 この法律の20111129日改正された条文の施行前に、改正前の第28条第3項、第108条において準用する第28条第3項、第129条第1項において準用する第28条第3項の規定により、改正前の第28条第1項、第108条において準用する第28条第1項、第129条第1項において準用する第28条第1項の規定に違反して優先権を主張することができなかった専利出願が、改正法の施行後まだ査定又は処分されておらず、かつ、最先の優先日から起算して特許、実用新案の登録出願が16ヶ月以内にあり、意匠の登録出願が10ヶ月以内にある場合、第29条第4項、第120条において準用する第29条第4項、第142条第1項において準用する第29条第4項の規定を適用する。

2 この法律の20111129日改正された条文の施行前に、改正前の第28条第3項、第108条において準用する第28条第3項、第129条第1項において準用する第28条第3項の規定により、改正前の第28条第2項、第108条において準用する第28条第2項、第129条第1項において準用する第28条第2項の規定に違反して優先権を主張することができなかった特許出願が、改正法の施行後まだ査定又は処分されておらず、かつ、最先の優先日から起算して特許、実用新案の登録出願が16ヶ月以内にあり、意匠の登録出願が10ヶ月以内にある場合、第29条第2項、第120条において準用する第29条第2項、第142条第1項において準用する第29条第2項の規定を適用する。

154

この法律の20111129日改正された条文の施行前に提出された特許権存続期間の延長登録出願が、改正法の施行後まだ査定されておらず、かつ、その特許権がまだ存続している場合、改正法の規定を適用する。

155

この法律の20111129日改正された条文の施行前に、次の各号のいずれかに該当するときは、第52条第4項、第70条第2項、第120条において準用する第52条第4項、第120条において準用する第70条第2項、第142条第1項において準用する第52条第4項、第142条第1項において準用する第70条第2項の規定を適用しない。

一 専利権が納付期限を超えることにより、改正前の第51条第1項、第101条第1項又は第113条第1項の規定により初めから存在しなかったものとされたとき。

二 専利権が改正前の第66条第3号、第108条において準用する第66条第3号又は第129条第1項において準用する第66条第3号の規定により、この法律の改正法の施行前に当然消滅したものとされたとき。

156

この法律の20111129日改正された条文の施行前にまだ査定されていなかった意匠登録出願について、出願人は、改正法の施行後3ヶ月以内に、物品の部分意匠登録出願に変更することができる。

157

1 この法律の20111129日改正された条文の施行前にまだ査定されていなかった関連意匠登録出願は、改正前の関連意匠の登録に関する規定を適用する。

2 この法律の20111129日改正された条文の施行前にまだ査定されておらず、かつ、本意匠登録が公告される前に出願した関連意匠の登録出願について、出願人は改正法の施行後3ヶ月以内に関連意匠の登録出願に変更することができる。

第157条の1 

2016年12月30日に改正された第22条、第59条、第122条及び第142条は、改正条文の施行後に提出された出願に限り、これを適用する。

第157条の2

1 この法律の2019年4月16日に改正された条文の施行前にまだ査定されていない専利出願は、この法律で別段の定めがある場合を除き、改正施行後の規定を適用する。

2 この法律の2019年4月16日に改正された条文の施行前に査定されていない訂正の請求及び無効審判は、改正施行後の規定を適用する。

第157条の3

この法律の2019年4月16日に改正された条文の施行前に査定又は処分された特許出願は、第34条第2項第2号又は第107条第2項第2号に規定する期間を超えていない場合、改正施行後の規定を適用する。

第157条の4

1 この法律の2019年4月16日に改正された条文の施行日にまだ存続している意匠権の存続期間については、改正施行後の規定を適用する。

2 この法律の2019年4月16日に改正された条文の施行前に第142条第1項において準用する第70条第1項第3号の規定により当然消滅したものとされた意匠権が、改正施行後に同条第2項を準用して専利権の回復を請求する場合、その存続期間は改正施行後の規定を適用する。

第158条

この法律の施行規則は、主務官庁が定める。

第159条

1 この法律の施行日は、行政院が定める。

2 この法律の2013年5月31日改正された条文は、公布の日から施行する。

 


[1] お断り 台湾専利法の条文原文においては同一条文における用語混用(例えば「特許権/専利権」または「特許権者/専利権者」)や用語と法律効果の不一致(例えば無効審判の法律効果は第82条第3項により「初めから存在しなかったものとみなす」つまり無効に近いですが、条文では「取り消す」を使用)が散見されます。翻訳するときは、原文に使用されている用語に前後不一致の箇所があるのですが、原文になるべく忠実となるように、このような用語混用や用語と法律効果の不一致を保留したまま翻訳しました。但しご援用になる時にはどうか条文の法律効果及び準用範囲にご留意ください。また、「意匠権」(原文「設計専利」)につきましては、此度の法改正において名称が元々の「新式様専利」から現在の「設計専利」に変更になりましたが、実質的な内容は日本の意匠権にほぼ該当しますので、ここでは「意匠権」という表現を使っております。

 

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