韓国大法院 店舗デザイン及び
その他のトレードドレスを不正競争防止法
の保護対象と認める判決を下す
2016年9月21日、韓国大法院はロゴ(Logo)、屋外看板広告(signage)、店舗レイアウト(layout)を含むパン屋の一般的な店舗外観及びその他のトレードドレス要素(trade dress elements)は、不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律(the Unfair Competition Prevention and Trade Secrets Act、以下「不正競争防止法」という)の保護対象であるとの高等法院の判決を支持する判決を言渡した。
韓国ではトレードドレスに関する明確な知的財産権保護の規定がなく、これが、大法院が初めて法律に基づき店舗デザインやその他のトレードドレスの関連権利の保護を特別に認めたものであるため、このような事例は特に注目する価値がある。また、この事件は不正競争防止法を広義に解釈し適用した初めての事例でもある。
事件の事実概要
当該事件は、焼き立てあんペストリーで有名になった高級ベーカリーであるSeoul Lovers(Slowfood-Korea, lnc.の店舗運営を担当する)が、Seoul Loversの元従業員の開いたパン屋に対し、元従業員(被告)がSeoul Loversの店舗デザイン及びその他のトレードドレスを明らかに模倣したとして訴訟を提起したものである。
韓国の商標法にはトレードドレス保護に関する特別な保護規定がないため、Seoul Loversは「不正競争防止法」第2条(1)(X)により、被告がSeoul Loversのトレードドレスを模倣したことで、Seoul Loversが膨大な労力と費用を費やして開発した知的財産を不正に利用して侵害したと主張して、被告に対して訴訟を提起した。
判決
高等法院は、Seoul Loversの店舗全体の外観とデザイン要素は、他の製パン業者との区別化を図るためにSeoul Loversが相当な労力とコストを費やして得られた成果であり、被告は自由意思の下で不公平且つ不正な商業行為を行ったため、「不正競争防止法」第2条(1)(X)の構成要件を満たすとのSeoul Loversの主張を認めた。これら要件事実が確定した後、大法院は、韓国では店舗デザイン及びその他のトレードドレスが「不正競争防止法」の関連規定による保護を受けられるという高等法院の判決を支持する判決を下した。
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