グローバル・イノベーション・インデックス2015年版発表
【出典:知的財産局ウェブサイト】
2015年9月17日に世界知的所有権機関(WIPO)、コーネル大学及び欧州経営大学院(INSEAD)はGIIの2015ナレッジパートナー(Knowledge Partners)と共同で「グローバル・イノベーション・インデックス2015年版(Global Innovation Index 2015)」報告書を発表した。報告書では、下表のとおり2015年のグローバル・イノベーション・インデックスのトップ10か国が発表された。また、中国、マレーシア、ベトナム、インド、ヨルダン、ケニア、ウガンダが、地域グループの中ではその他の国よりも優れた成長力を見せた。
グローバル・イノベーション・インデックス ランキング
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順位
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スウェーデン
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オランダ
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アメリカ
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シンガポール
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アイルランド
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ルクセンブルグ
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デンマーク
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順位
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スイス
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イギリス
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スウェーデン
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フィンランド
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オランダ
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アメリカ
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シンガポール
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デンマーク
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ルクセンブルグ
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香港
(中国)
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順位
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スイス
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スウェーデン
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イギリス
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オランダ
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アメリカ
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フィンランド
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香港(中国)
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シンガポール
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デンマーク
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アイルランド
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各地域でトップの国は次の通り(括弧内の数字は2015年のグローバルランキング)
1.中央・南アジア:インド(81)、カザフスタン(82)、スリランカ(85)
2.欧州:スイス(1)、イギリス(2)、スウェーデン(3)
3.南アメリカ・カリブ海沿岸:チリ(42)、コスタリカ(51)、メキシコ(57)
4.北アフリカ・西アジア:イスラエル(22)、キプロス(34)、サウジアラビア(43)
5.北アメリカ:アメリカ(5)、カナダ(16)
6.東南アジア及び太平洋:シンガポール(7)、香港(11)、韓国(14):この地域の半数の国・地域が40位以内にランクインしており、ニュージーランド(15)と日本(19)は20位以内にランクインした。
7.サハラ以南のアフリカ:モーリシャス(49)、南アフリカ(60)、セネガル(84)
全体的に見ると、イノベーション・インデックスのトップ25は高所得国が占めており、順位は2014年とほぼ同じである。例外として、チェコが24位でトップ25入りし、また、アイルランドが8位でトップ10入りした。中国(29)とマレーシア(32)は、人的資源の発展、研究開発費の面においてトップ25の高所得国とほぼ並ぶ位置につけている。
大学の業績、学術論文の影響力及び国際特許出願規模から測定されたイノベーション品質の面においては、幾つかの国が特に顕著である。アメリカとイギリスがリードを維持している要因は、世界一流の大学を有している点にあり、日本、ドイツ、スイスがそれに続く形となっている。最高スコアを記録した中所得国は中国、ブラジル、インドで、中国はその他の国を大きく引き離している。
GII 2015年度版から、明確な目標、調和のとれたイノベーション政策及びそれに合った制度設定が成功の鍵であることが分かる。GII報告書は2007年から発表されており、その内容は主に、世界各国のイノベーション能力とイノベーション成果のランキングから構成されている。GII 2015は、世界141か国を対象に調査し、79種類のインデックスを用いてイノベーション能力及び測定可能な成果(measurable results)を測定し、下記の2項目のサブインデックス(sub-indices)の平均値から算出している。
1.「イノベーション・インプット・サブインデックス」は各国のイノベーション活動の5つの柱(pillar)について評価している:(1)制度、(2)人的資源及び研究、(3)インフラ、(4)市場高度化(market sophistication)、(5)ビジネス洗練度(business sophistication)
2.「イノベーション・アウトプット・サブインデックス」はイノベーション成果の実際の証拠から2つの柱に分類している:(1)知識と技術のアウトプット(2)創造的アウトプット |