韓国 新たな特許訴訟制度を構築
2016年1月から、韓国では新たな特許法院(Patent Court)が正式に運用を開始することとなった。韓国の特許権侵害及び特許の有効性判断に係る事件の上訴については、いずれも特許法院が専属管轄する。
現行の韓国特許訴訟はダブルトラック制を採用しており、特許権侵害事件は、民事裁判の法廷で審理され、特許の有効性判断については、特許裁判の法廷で審理されてきた。2015年11月12日に韓国では、「特許訴訟案件の統一法院法(Unification of Courts for Patent Litigation Cases)」が可決され、今後この二種類の事件の上訴は、一律して特許法院で審理されることとなった。
このほか、現在、特許権侵害訴訟はそれぞれ韓国の55の地方法院が審理を担当してきたが、今後新制度の運用が開始されれば、ソウル中央地方法院、大田地方法院、大邱地方法院、釜山地方法院及び光州地方法院の5つの地方法院が担当することになる。特別なのは、訴訟の当事者のうち一方が自由にソウル中央地方法院での審理を指定できることである。たとえ特別な関連がなく、他の四つの法院の方がソウル中央地方法院より適合している場合でもソウル中央地方法院を指定することができる。
新たな特許訴訟システムの規定によれば、特許法院は、韓国特許庁の特許の有効性判断に対し不服があり、及び地方法院の特許事件判決に対し不服があり、上訴を提起する知的財産事件を専門的に受理する上訴法院である。特許事件のほかに、実用新案権、意匠権、商標権、植物新品種権などに係る事件の上訴も審理する。
韓国の特許法院の新制度が運用開始された後は、関連の法律意見が効果的に統一化され、特許訴訟の審理機能も向上するものと思われる。 |