日米が2015年8月1日より特許の協働調査試行プログラムを開始
日本国特許庁(JPO)と米国特許商標庁(USPTO)は、2015年8月1日から特許協働調査試行(Collaborative Search Pilot、略称CPS)プログラムをスタートさせることとなった。日本と米国の特許審査官がそれぞれの特許調査結果及び評価結果を共有することで、それぞれの庁の最初の審査結果通知書の送付時間を短縮することができる。
日本国特許庁は通常、出願日から10か月後に最初の審査結果を送付するが、日米CPSプログラムにより、6か月にまで短縮することができる。CPSのフローは以下のとおりである。
【出典:日本特許庁】
上図から分かる通り、日米CPSプログラムでは先ず、先に調査を実施した庁の調査結果を後に調査を実施する庁に通知して、後に調査を実施する庁も特許性を確認するものである。二庁の協力により、二庁の審査時間が短縮できるだけでなく、出願人は、米国、日本の両国の特許庁の調査結果に基づいて安定した権利保障を得ることができる。この日米CPSプログラムによって、将来、米国、日本で販売する新特許製品の正確なマーケティング時間を予測することが可能となる。
日米CPSプログラム実施前(2014年6月)に、米国、日本の両国は既に、2015年7月1日から米国特許商標庁を受理官庁とするPCT出願のうちグリーンテクノロジー関連の出願(green technology related cases)について、国際調査機関(Competent International Searching Authority)及び国際予備審査機関(International Preliminary Examining Authority)として日本国特許庁を指定できることに合意している。当該合意の有効期間は、2015年7月1日から2018年6月30日までであるが、双方が同意すれば延長することができる。当該合意の有効期間内に、米国特許商標庁を受理官庁とした国際出願に対して日本国特許庁が行う国際調査は、5000件を上限とし、1年目の四半期ごとの件数を300件以内、2年目、3年目の四半期ごとの件数を475件以内としている。
現在、日本国特許庁は、フィリピン、タイ、ベトナム、シンガポール、インドネシア、マレーシア、韓国など7か国の特許庁を受理官庁としたPCT出願と、アセアン主要6か国が受理した特許出願について国際調査サービスを提供している。日本国特許庁は、調査管轄国の拡大により、出願人の利便性が向上することを望んでいる。 |