欧州普通裁判所がLVのダミエ柄商標を
無効とする判決を下す
【出典:InfoCuria - Case-law of the Court of Justice】
欧州普通裁判所(The General Court)は2015年4月21日にLouis VuittonMalletier(LV)の薄茶色と焦茶色のダミエ柄、およびライトグレーとダークグレーのダミエ柄のそれぞれ2件の商標について、その商標登録を無効とする判決を下した。
事件番号
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T-359/12
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T-360/12
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商標図案
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(薄茶色×焦茶色)
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(ライトグレー×ダークグレー)
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登録日
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1998/8/27
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2008/11/21
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OHIM登録番号
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370445
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6587851
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指定商品
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1957/6/15登録時のニース協定第18類:皮革又は再生皮革製のトランク、旅行用バッグ、スーツケース、帽子ケース、化粧ケース、リュックサック、手袋、ショッピングバッグ、書類入れかばん、ランドセル、財布、キーケース、かさ、ステッキ…など。
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原告:Louis Vuitton Malletier(LV)
被告:OHIM
事実経緯(以下、T-359/12判決から抜粋、T-360/12は期日のみが異なり、内容はほぼ同じ)
1.2009年9月28日、第三者である欧州流通業者Nanu-Nana Handelsgesellschaft mbH fuerGeschenkartikel & Co. KGは、係争商標が説明的で且つ何ら顕著な特徴を有さない(descriptive and devoid of any distinctive character)ものに該当し、この商標図案が既に善意の慣例又は貿易習慣になっており、商標図案は、非常に高い価値のある物品を構成する模様でしかなく、これは公序良俗に違反し且つ悪意の出願に属するため、商標は無効であると主張した。
2.2011年7月11日、OHIMの無効・取消部(Cancellation Division)は、「この2件の商標は、縦横の碁盤目模様からなる格子柄の図案しかなく、これは最も基本的な装飾要素の一つである。このため公衆は、この図案を異なる商品を表す標識ではなく、装飾の特徴としてみなすだけである。長い間、この図案は皮革や皮革製品の装飾によく用いられ、既に長期に亘り関連性を確立しており、識別性を有しておらず、LVの提出した証拠も、欧州での使用が、例えばデンマーク、ポルトガル、フィンランド、スウェーデンなどのEU加盟国の大部分の消費者に商品の出所を認識させ、後天的識別性(acquired distinctive character)を獲得したことを裏付けるには不十分である。」と判断し、商標無効の決定を下した。
3.2011年9月9日、LVは商標無効の決定を不服として上訴した。
4.2015年5月4日、OHIMの審判部(the Board of Appeal)は、係争商標はチェック柄のみを含んでおり、その他に出所を識別可能な文字又は特殊なデザインがなく、顕著な特徴に欠けており、且つ後天的識別性(acquired distinctive character)を獲得したことを証明するものがないため、商標無効の決定を維持し、上訴を棄却した。
5.2012年8月、LVは欧州普通裁判所に訴訟を提起したが、2015年4月21日、欧州普通裁判所は商標無効の判決を下した。
参考資料:
http://curia.europa.eu/juris/document/document.jsf?text=&docid=163833&pageIndex=0&doclang=EN&mode=req&dir=&occ=first&part=1&cid=439326
http://curia.europa.eu/juris/document/document.jsf?text=&docid=163834&pageIndex=0&doclang=en&mode=req&dir=&occ=first&part=1&cid=439366 |