中国 2013年のPCT出願件数が初めて世界第3位に
世界知的所有権機関(WIPO)が発表した最新の資料によると、2013年、中国のPCT国際出願数が初めて世界第3位となった。《特許協力条約》(PCT)に基づく国際特許出願数は21,516件に達し、初めて2万件を突破。前年比15.6%の成長となった。
中国国内では、「PCT出願は、自主イノベーション能力を検証する基準とすることができ、近年、中国のPCT出願数は急速な成長を続けており、企業の国際化、経営品質の向上と、市場競争力の向上を反映している。」と見ている。
2013年の全世界のPCTに基づく国際特許出願数は20.5万件で、前年比5.1%成長し、史上最高を記録した。出願数のトップ5は、それぞれ1位.アメリカ(57,239件)、2位.日本(43,918件)、3位.中国(21,516件)、4位.ドイツ(17,927件)5位.韓国(12,386件)である。2013年度の中国のPCT出願数は世界の総出願数の10.5%を占め、初めてドイツを抜いて第3位となった。
企業の特許出願については、2013年のPCT出願数第1名が日本のパナソニック(2,881件)、2位が中興通訊(2,309件)、2012年に比べ順位が1つ上がった華為技術(2,094件)が3位となった。
中国国内では、PCT出願数の急速な成長は主に、企業市場の国際化と政府の奨励政策によるものと分析している。中国企業の国際化に伴い、国際競争に関わる製品構造は徐々に向上し、ハイテク製品の割合も徐々に増加している。したがって、それに対応した国際的な特許戦略も当然必要となってくる。これは、中興通訊や華為が実証している。また、中国はここ数年持続的に特許の資金援助政策を調整することで、企業のPCT出願に対する積極性を引き出してきた。
企業が国際化するためには、まず知的財産権に着手する必要がある。中興通訊や華為が長年PCT出願数でリードしているが、それはまさに国際化の発展戦略において必要なことであり、国際競争への参加と国際競争力強化の保障にもなる。
現在、中国の経済規模は世界第2位で、PCT出願数も世界第3位となり、中国の特許が経済発展に追いつくことが予想されるが、中国は、PCT出願数においてアメリカ、日本とは依然として差があると考えている。2013年のアメリカのPCT出願数は世界総数の27.9%を占め、日本は、21.4%を占めている。出願数ランキングトップ50の出願人(企業)のうち、日本とアメリカの企業が、それぞれ20社と15社ランクインした。そのため、中国はまだ努力の余地があるとみている。
このほか、中国は自身のPCT出願には実際構造的アンバランスと原動力不足などの問題が存在していることを指摘している。少数の本当に国際化したハイテク企業を除いて、中国のPCT出願のうちいくつかは政府の奨励と資金援助政策の推進の下で行われたもので、企業が自発的に行ったものではない。中国の経済構造があまり合理的なものでなく、イノベーション力も十分ではないことは明らかである。
今後の中国の目標はPCT出願においてアメリカ、日本との距離を縮めることであり、経済構造の調整とイノベーション力強化がその鍵となる。政府は資金援助政策を採るほかに、更になすべきこととして、積極的に政策ガイダンスと奨励を進め、PCT出願の品質を重視し、PCT出願によって中国企業の国際競争力を高め、産業構造の最適化を図る必要があり、そうしてこそ目的が達成できるのである。
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