台湾の「白雪(ホワイトスノー)」オンシジュームが日本の品種権を取得
台湾のオンシジューム切花の主要な市場は日本であり、2012年の切花の輸出量は2,700万本に達し、約5.5億元に相当する外貨を獲得している。台湾のオンシジューム輸出の主力品種である「檸檬緑(ハニーエンジェル)」は日本で開発されたものであることから、日本への切花の輸出価格は日本円で一本300円と高額ではあるものの、一本ごとに5元のロイヤリティを支払わなければならず、毎年総額5000万円にものぼる品種権のロイヤリティの支払いが、農家にとって大きな負担となっている。更に「檸檬緑文心蘭(ハニーエンジェルオンシジューム)」の日本への輸出は、ベトナムなどの国との競争にさらされており、花農家が生計を維持するのは非常に困難な状況となっている。
このため、台湾の農業試験所は長年試行錯誤を行い、ついに「台農4号白雪文心蘭(ホワイトスノーオンシジューム)」の育成に成功し、2013年3月に日本の品種権を取得した。今後、檸檬緑市場の一部は白雪によって占められて、高額なロイヤリティが抑えられ、オンシジューム多色化の新時代に入ることが予測される。
農業試験所の花研究センターは「「台農4号白雪文心蘭」の白い花びらは、日本人が好む色である。2012年に農業試験所は中華オンシジューム生産販売発展協会と日本の東京大田市場で展示会を行い、日本のトレーダーの台湾訪問調査誘致に成功した。2013年3月に「台農4号白雪文心蘭」は日本の品種権審査を通過した。これは台湾の公的機関が初めて日本の品種権を取得したオンシジューム切花品種である。今後、他国の農家が「台農4号白雪文心蘭」を買って栽培するとき、台湾にロイヤリティを支払わなければ、日本へ輸出することができないため、台湾の花農家は絶対的優位に立つことができる。マレーシア、ベトナムなどの国の農民に安価な人件費によって、台湾の花農家の発展が脅かされることも避けられる。」と述べた。 |