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中米が共同で総額50億人民元に上る国際的偽ブランド事件を摘発

 中国の知的財産権侵害の犯罪状況は深刻で、各国から幾度となく抗議を受けている。中国とアメリカの知的財産権紛争がきっかけとなり、アメリカが世界貿易組織(WTO)に上告し、中国に対して経済制裁を発動したこともある。

 中国は近年何度も模倣品一掃を表明しているが、各国からは依然として疑念を抱かれている。日本の財務省が最近発表した、偽高級品の商品差押状況の調査結果によると、2012年上半期の差押件数は去年の同時期と比べ22%も増加しており、そのうち中国の模倣品が94.3%を占め、模倣品の供給元のほとんどが中国であることが分かった。

 2012年、中国とアメリカは共同で大規模な国際的偽ブランド品を摘発した。今回の事件に係る総額は50億人民元にも上る。中国公安部の発表によると、偽ブランド品製造販売グループは主に「ルイ・ヴィトン」、「エルメス」の模倣品を製造し、中国各地に犯罪拠点を持ち、主にアメリカ、中東に輸出販売を行っていた。現在73名の容疑者を逮捕し、広東、安徽、福建等37か所の犯罪拠点を捜索して、2万個のブランドバッグを押収した。帳簿によると製造販売したブランドバッグは96万個、50億万人民元(約235億新台湾ドル)に相当する。

この事件は当初20121月に広州市公安局の捜査により大規模な模倣品グループの存在が発覚した。事件の重大さから、中国公安部は中国と米国双方の捜査協力ルートを通じて、アメリカ移民税関執行法務局に事件を通報し、アメリカ側の関連法執行機関に共同調査を要請して、国際的犯罪の共同摘発に成功した。

 調査機関の発表によると、2010年から、犯罪グループは広州で店舗、住宅を借り、「業務接待室」、「商品展示ルーム」を設け、広東、福建、安徽など多数の地域を犯罪拠点として、偽ブランドのバッグや皮生地、付属アクセサリーなどを大量に生産し、外国の顧客を通じて大量の模倣品をアメリカ、中東など多数の国や地域に密輸し販売して巨額の違法利益を得ていた。

  事件が発覚する前、容疑者は巨額を投じて安徽に5000平方メートルの土地を購入し、安徽に工場を移設し、引き続き模倣品の製造を行う準備をしていた。2012529日、容疑者は、自分が既に警察に犯人として特定されていることも知らず、再度商品をアメリカに輸出しようと準備をしていたところ、公安機関に一挙に摘発された。 

 中国の知的財産権保護と人権問題については、常に他国から問題視されており、アメリカも幾度となく中国に対し、為替操作をやめるよう、また知的財産権保護を重視するよう要求してきた。近年中国の権利侵害のパターンは、一般的な模倣から商業スパイへと変貌しつつあり、国家間の貿易関係に緊張が生じている。中国の習近平次期国家主席は、20122月訪米前に「中国の知的財産権侵害事件に対するアメリカの懸念を払拭するために、対策措置を講じる。」と発表した。この度、珍しく中国が「主動的」にアメリカ対し模倣品摘発の協力要請をしたことは、中国の誠意の表れと受け止められている。

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