中国が特許案件数で2011年度世界一に(1)
国際的に知名度の高い専門情報サービスを提供するトムソン・ロイターグループが公布した知的財産に関する分析研究報告によると、中国はまもなく全世界で有数の技術革新国家となり、年度別特許案件数では、2011年度に米国と日本を追い越し、世界トップに躍り出るだろうと指摘した。
2010年末までのところ、日本は年度別特許案件数において世界第一位で、米国第二位、中国が2007年にヨーロッパと韓国を越してから第三位に躍り出ている。トムソン・ロイターの研究によると、2003年から2009年に中国の特許出願案件数は、年平均26.1%増加し、米国5.5%増加、日本は僅か1%の増加で、2010年には、中国、米国、および日本の年度別特許案件数は接近しており、三国の平均増加率から推測すると、中国は2011年には世界第一位に躍進するだろうとのことである。
地区
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特許出願案件総数 平均増加率
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基本特許数平均年増加率
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日本
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1.0%
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-3.7%
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米国
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5.5%
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4.0%
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中国
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26.1%
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31.6%
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ヨーロッパ
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4.0%
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-2.1%
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韓国
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4.8%
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7.5%
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表1:2003~2009年統計より
中国のこうした躍進は、近年、特許出願数が著しく増加した原動力として、中国国内で自主的な創造革新が活発になったことが原因として挙げられる。また、これは中国政府が制定した創造革新を激励する各種措置、例えば、研究開発への投資増加、及び税金徴収の制度や融資優待政策等と密接な関係がある。
また、中国は、外国での知的財産権の保護にも積極的に乗り出している。米国、日本、ヨーロッパおよび中国の五大特許庁が、全世界の75%の特許出願を受理し、そのうちの74%を認可(特許査定)している。これら5大特許局の、過去5年の特許数の分析によると、中国が提示した発明特許件数の増加率が一番大きかった。2007年から2008年に、中国による米国、ヨーロッパ、および日本の特許庁への出願件数の増加率は、それぞれ14.1%、33.5%、および15.9%であり、これら国における出願人の出願数の各増加率5.1%、11.7%、および2.3%と比較しても、高い数値を示している。
中国の国家知識産権局の統計によると、1997年から2009年までの間、毎年中国は国内出願人からの特許出願数と外国人による中国特許出願数を分析したところ、この両者の数値は、3段階を経て発展してきたことが分かる。まず、1997年から1999年には、外国から中国への出願数が、国内出願人からよりも多かった。2000年から2002年には,外国から中国への特許件数と国内出願人からの件数が同じ程度になり、2003年以降、中国国内の特許出願数がリードするようになり始めた。特に2008年と2009年は、国内出願人からの出願数はすでに外国からの数の二倍となった。中国国内による出願数の増加のスピードは、外国から中国への出願数の増加のスピードよりも速く、そのことが更に中国の自主的創造革新面での飛躍が、国内の特許数増加の主な要因であることを証明している。
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