中国の新しい《専利法》が2009年10月1日から正式に施行され、それに適応する行政法規が新しく制定される、または改正される必要性に応じて、元の《専利法実施細則》が、合わせて《専利法実施条例》に改正された。但し、新しい《専利法》の施行前日に、《専利法実施条例》が意見を募集する段階でまだ通過していなかったので、《専利法》実施の過渡問題を解決するために、国家知識産権局は、9月29日に緊急に《改正後の専利法を施行する過渡弁法》を公布し、(以下《過渡弁法》と略称)過渡問題に対する明確な規定を作り、以下のように要点を説明した。
一、《過渡弁法》第2条規定:出願日が2009年10月1日前の専利出願および該出願により授与された専利権については、該弁法の別規定以外に、改正前の専利法規定を適用する。出願日が2009年10月1日以後の専利出願および該出願により授与された専利権については、改正前の専利法規定を適用する。出願日が2009年10月1日以前の専利出願および該出願が10月1日までにまだ専利権を授与されていない出願については、その専利を受ける条件として、審査過程および将来出現しうる無効宣告など、原則上、改正前の規定を適用するとする。この規定は、法の不遡及の原則に関する中国の立法法第84条に合わせたものであり、専利出願人および専利権利人の合法的権益を保障するのにも有益である。
二、《過渡弁法》第3条規定:2009年10月1日以後に請求した専利実施の強制許可については、改正後の専利法の規定を適用する。
三、《過渡弁法》の第4,5条規定によると、専利権侵害または専利の模倣の疑いがある行為が2009年10月1日以後に発生した場合、国家管理専利主務部門は、改正後の専利法に関連する規定を適用し、専利権利人および公衆の利益を保障する。
四、《過渡弁法》第7条の規定:外国の出願人または専利権利人が中国で専利出願およびその他の専利の手続きを申請する便宜を図るために、また、公平な専利代理競争の秩序を図るためにも、渉外代理機構をなくし、外国出願人または権利人が2009年10月1日以降、専利代理機構に委託または、代理機構の変更をするときは、国家知識産業権局が指定する専利代理機構によるとする改正前の専利法第19条を適用せず、新しい専利法第19条の規定を適用し、法により設立された専利代理機構ならばどこにでも委託ができるとした。
五、新《専利法》は一案件二出願、秘密審査、遺伝子資源の来源に対する関連規定である。同一の出願人が同日に、同一の発明創造について実用新案及び発明を出願する場合、それぞれ出願する際に、国家知識産権局が制定する《同日に発明専利および実用新案に出願する声明》にそれぞれ記入し、同一の発明で既にもう一つの専利に出願していることを説明しなければならない。いかなる組織または個人も、中国で完成した発明または実用新案を外国に出願する場合は、先に国家知識産権局に秘密審査を請求し、国家知識産権局が制定する《外国出願専利の秘密審査請求書》に記入する必要がある。出願人が遺伝子資源により完成した発明の出願を依頼する場合は、国家知識産権局が制定する《伝統資源を来源の表示登記表》に記入し、該遺伝子資源の直接の来源および原始的来源を説明しなければならず、もしどうしても原始的来源が説明できない場合は、その理由を記述しなければならない。
上記の内容にかかる新しい出願案件および出願日後に初めて提出する専利権評価報告請求書、外国に出願する専利秘密審査請求書および遺伝子資源来源表示登記表については、出願人は、国家知識産権局専利局受理所に、直接に書面を送付して出願しなければならず、各専利代弁所および国家知識産権局は、電子出願システムでは、上記の専利出願および専利文献を今のところ受け取らないとしている。
六、意匠の出願は、該意匠の要約説明文を提出する必要があり、それがなければ受理されない。意匠の要約説明の文は、2009年10月版の《意匠要約説明》の注意事項を参照にすること。国家知識産権局は、出願日(優先権を主張する場合は優先権日)が2009年10月1日以後(当日を含む)の実用新案または意匠に対してのみ専利権評価報告を行い、出願日が2009年10月1日前の実用新案には、実用新案専利検索報告しか出さない。
《修改後の專利法の過渡弁法施行》の全文は以下の通りである。
《修改後の專利法の過渡弁法施行》は既に局務会義の審議を通過し、2009年10月1日から施行予定である。
第一条 2009年12月27日に公布した《全国人民代表大会常務委員會の〈中華人民共和国專利法〉の改正に関する決定》の施行を保障するため、立法法第八十四条の規定により、本弁法を制定する。
第二条 改正前の専利法規定は、出願日が2009年10月1日前(当日は含まない。以下同じ)の専利出願および該専利出願に付与された専利権に適用する。改正後の専利法の規定は、出願日が2009年10月1日以後(当日を含む。以下同じ)の専利出願および該専利出願に付与された専利権に適用する。改正後の専利法の規定は、2009年10月1日以後(当日を含む、以下同じ)の専利出願および該専利出願に付与された専利権に適用する。ただし、本弁法以下の各条文は、出願日が2009年10月1日前の専利出願および該出願で付与された専利権の特殊規定を除外する。
前述の出願日は専利法実施細則に関する規定による理解を含む。
第三条 2009年10月1日後、専利を実施する強制許可を付与するよう要求するものは、改正後の専利法第6章の規定に適用する。
第四条 専利業務の部門は、2009年10月1日以後の専利権侵害の嫌疑がある行為に関する処理は、改正後の専利法第十一条、第六十二条、第六十九条、第七十条の規定を適用する。
第五条 専利業務を管理する部門は、専利模倣の嫌疑がある行為に関する調査、処理は、改正前の線理法第六十三条および第六十四条の規定を適用する。
第六条 専利の権利人は、2009年10月1日以後、専利の標識の明示は、改正後の専利法第十七条の規定を適用する。
第七条 中国では普通住居または営業所を持たない外国人、外国企業、または外国のその他の組織が2009年10月1日以後に専利代理機構を委託または変更するものは、改正後の専利法第十九条の規定を適用する。
第八条 本弁法は2009年10月1日より施行する。