中国は、2007年12月11日に温家宝首相が第512号国務院令に調印し、「中華人民共和国企業所得税法実施条例」(以下、「実施条例」とする)を公布し、2008年1月1日より施行することを示した。「実施条例」は企業の技術革新を促進し、知的財産権の関連産業の育成を目的とし、課税優遇に関する明確で具体的な規定がされており、台湾企業にとって有利となることがわかる。
例をとって見ると、「実施条例」は企業の新技術、新製品を生み出すための研究開発費については、実際の費用の控除を基本に 更に50%の加算控除が可能となる。未上場の中小ハイテク関連企業への投資(ベンチャーキャピタル)が2年以上の場合は、その投資が満二年となる年には、株式所有による投資額の70%を、投資企業が本来納めるべき所得税から控除されることができる。また、当年控除されなかった場合は、次回納税年度にて控除される。一納税年度内で、企業の技術移転所得が500万元を超えない部分は企業所得税を免税し、500万元を超えた部分は企業所得税の50%を免除する。
なお、技術進歩等で減価が早めに進んだ固定資産や、企業の不課税収入により支払われた費用や購入された財産に対しては控除できないか、もしくは対応する減価や償却額を計上して控除することができない。
自立起業型企業の課税優待を更に進めるために、「実施条例」は更にハイテク企業の範囲を規定し、現行のハイテク技術「製品」による分類からハイテク技術「分野」による分類に改め、また、ハイテク技術を認定する指標を規定している。つまり企業自身が中核となる知的財産権を自主的に有するべきである。「国家が重点的に支援するハイテク技術分野」と規定する範囲に属する製品/サービスについては、研究開発費が販売収入の一定比例を保ち、規定基準を下回ってはならない、としている。
「実施条例」施行後、1991年6月30日に国務院が公布した「中華人民共和国における外国企業の投資企業および外国企業所得税法実施細則」および1994年2月4日に中国大陸財政部が公布した「中華人民共和国企業所得税暫定条例実施細則」のどちらも同時に廃止となる。