将来EPC特許出願、全文翻訳の必要なしと決定
2007年10月9日に、ロンドン協定(London Agreement)が通過し、協定に加盟する国々へのEPC特許出願は、全文翻訳を添付する必要がなく、クレームのみの翻訳でよいことになった。この協定は、各国が正式に署名してから3ヶ月後、2008年初めをめどに施行する予定である。 ロンドン協定に加盟しているのは、フランス、ドイツ、アイスランド、ラトビア、リヒテンシュタイン、モナコ、オランダ、スロベニア、スイス、イギリスの10ヶ国である。その他のヨーロッパ各国もロンドン協定に参加する予定である。 ロンドン協定が通過する以前は、例えば、EPC特許の公的言語は、英語、ドイツ語、フランス語の三種であったため、この三種以外の言語を使用してEPCに特許出願するときは、出願人は、出願明細書全てを、公的言語の一つに翻訳して添付し、出願する必要があった。しかし、ロンドン協定が通過してからは、例えば、オランダ語により提出する出願案件は、クレーム部分のみを、公的言語の一つに翻訳すればよく、全文を訳す必要はない。ただし、非加盟国であるギリシャ語でEPC特許に出願する場合、英語を官用言語として指定した場合、依然として、明細書全文を英語で翻訳したものを添付する必要がある。 翻訳費用がEPC特許出願の大部分を占めることから、ロンドン協定が施行後、EPC出願費用を50%か、またはそれ以上削減できる見込みであり、発明人がEPC特許に出願する意欲を促進することだろう。また、ロンドン協定が正式に発効するまでの3ヶ月の過渡期間に出願予定の多くの新案件は、新制度の優待を受けるために、意図的に遅らせて出願されるだろうと予測される。