中国 国家知識産権局が《商標の一般的違法に関する判断基準》を公告
2022年1月1日より施行
中国国家知識産権局は2021年12月13日に《商標の一般的違法に関する判断基準(以下《基準》という。中国語の全文は国家知識産権局商標局中国商標サイト参照》を公告した。この《基準》は35条からなり、「商標法」、「商標法実施条例」及び関係法律並びに法規、部門規則などに基づき制定されたものである。制定の目的は、商標管理を強化し、関係行政管理部門が商標を管理する際の法執行の基準を統一し、また商標の使用者が自らの行動を規制するためのガイドラインを提供することにある。
2022年1月1日より正式に施行された《基準》では、商標管理秩序に係る行為について詳細に規定された。主なポイントは以下のとおりである。
n 第4条:紙巻きタバコ、葉巻、包装されている刻みタバコ及び電子タバコ等の新型タバコ製品には、登録商標を使用しなければならず、中国で登録されていないものは、中国で生産、販売をすることができない。
n 第5条~第16条:未登録商標の使用について詳細に規定された。使用された未登録商標が「商標法」第10条の規定に違反するか否かを判断する際は、一般的に中国国内の公衆の通常の認識を判断時の基準とする。使用された未登録商標が悪影響を及ぼすものか否かを判断する際には、当該商標使用時の社会的背景、民族風習などの要素を総合的に考慮しなければならない。
n 第17条:商業活動において馳名商標の文言を使用して、「商標法」第14条第5項の規定に違反した場合、違法行為の情状、主観的過失などの要素を総合的に考慮して処理しなければならない。
n 第18条~第21条、第24条:登録商標、登録者の名義、住所又はその他の登録事項に変更が生じたが、法律に基づき変更申請を提出しなかった場合は、いずれも「商標法」第49条第1項に定める商標登録事項の勝手な変更に属する。商標権者は、自身が所有する登録商標を商標の被許諾者が合法的に使用するよう監督しなければならない。被許諾者が登録商標を勝手に変更した等の行為を明らかに知り又は知るべきであるにもかかわらず、直ちに阻止しなかった場合、商標権者は登録商標の勝手な変更について法的責任を負う。
n 第22条~第23条:商標権者又は使用者が未登録商標を登録商標と偽称し使用する七つの様態を規定して、「商標法」第52条における登録商標の偽称行為の態様を明確に示した。
n 第25条~第28条:団体商標及び証明商標の権利者が管理又は制御する義務を履行していない態様を明確に示した。
n 第29条~第32条:商標の印刷事業所は、登録商標の文言又は登録マークが表示された商標標識の印刷製作を請け負う場合、商標印刷管理の義務を履行しなければならず、印刷製作を請け負う商標図案が商標登録証に記載されている登録商標と一致するかどうか、当該登録商標が有効なものかどうかを確認しなければならない。
n 第33条:「商標法」執行担当部門は、悪意による商標登録行為を調査し処分する際に、「商標法」の関連規定に違反して欺瞞的又は不正な手段で登録を得たと国家知識産権局が認定した決定又は裁定などを参照し、案件の具体的な状況に応じて処理することができる。
この《基準》の解釈は、国家知識産権局が担当し、商標権の権利付与及び権利確認に係る場合には、《商標審査審理指南》を適用する。また、当該《基準》の施行に鑑み、今後、会社及び個人は、中国で未登録商標を使用する場合、関連法律の規定を厳格に遵守しなければならない。商標権者は、会社名や住所に変更が生じた場合(被許諾者の会社名及び登録した住所に変更が生じた場合も含む)、速やかに商標局に対し変更申請を提出しなければならない。会社や個人は、自身が所有する登録商標が中国で馳名商標として行政上の認定又は司法判断を取得したかどうかにかかわらず、関連する商業活動又はマーケティングの担当者に、登録商標の使用規定を遵守し、馳名商標に類似する文言を商品、商品の包装、広告や宣伝、展覧又はその他の商業活動に使用しないよう注意を促さなければならない。また、中国においては、全ての商業活動や営業所で、出願中の商標又は既に商標権を放棄した登録商標を登録商標として使用することはできない。 |