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中国 2019年9月1日から
《北京市電子商取引分野の専利権侵害紛争に
関する迅速処理規定》を試行


【出典:中国企業知識産権ウェブサイト】

《北京市電子商取引分野の専利権侵害紛争に関する迅速処理規定(試行)》(以下、《規定》という)が、中国の北京市で201991日から施行された。これは北京市知的財産権局が、電子商取引の諸問題(例えば、専利権侵害事件が多く、解決までの期間が長い等)に対処するために実施した新措置である。《規定》の施行後、北京市の電子商取引で生じた専利権侵害紛争事件の解決にかかる期間は、45日未満に短縮されると予想される。

北京市は、京東商城、国美オンライン(Gome Online)、当当(DangDang)などの大手電子商取引プラットフォーム企業が多数集まる第1弾国家電子商取引モデル都市である。ここ数年、電子商取引市場が成熟するにつれて、宅配業者、決済プラットフォーム及び第三者電子商取引プラットフォームも成長、拡大し、北京市のスマート化と消費パターンの多様化が促進されたが、電子商取引分野の知的財産権保護システムやメカニズム、管理方法、期待される効果などはまだ完全ではない。

従来分野の専利権侵害紛争とは異なり、電子商取引分野で生じた専利権侵害紛争は、権利侵害のコストが低く、複数が関与する権利侵害事件が多いなどの特徴がある。そのうえ、一部の「超人気商品」はライフサイクルが短く、製造業者は一般的に権利保護の経験に乏しい中小企業であるため、商品が権利侵害に遭ったり、長期的な権利侵害紛争に巻き込まれたりした場合、全てを失ってしまう可能性がある。

したがって、《規定》は、権利侵害を効果的に防止し、紛争を迅速に解決することを主な目的として制定された。この目的を念頭に置いて、《規定》では、電子商取引分野で生じた専利権侵害紛争の迅速な処理メカニズムと手順を整備し、政府部門に知的財産権保護の役割を十分に発揮させて、正常なネットワーク市場の秩序を維持する。《規定》では、手続の簡素化と当事者の利便性を原則として電子商取引プラットフォームと北京市知的財産局との手続の対応関係を定めている。つまり、電子商取引分野の専利権侵害告発に関する前段階の処理、答弁と証拠交換はいずれも、電子商取引プラットフォーム側で完了させる。プラットフォームの運営者は、事件が複雑であると判断した場合、告発側と被告発側に書面で同意を得た後、事件を北京市知的財産局に移管して迅速に処理することができるため、告発側にとって重複して資料を提出する手間が省ける。

処理手順の最適化により、電子商取引で生じた権利侵害事件の結審までの時間は大幅に短縮されることになる。《規定》では、審理をより簡便で効率的にするために、主な処理手続を口頭審理から書面審理に変更した。これまで、事件は立案の日から3ヶ月以内に結審し、事件が複雑な場合、1ヶ月を上限に延期可能と規定されていたが、現在は立案の日から45日以内に処理決定を下すことができ、事件が複雑で延長が必要な場合でも、延長は15日を上限とするため、処理時間が半分に短縮される。また、双方が調停を選択した場合、調停合意に達した後、5営業日以内に結審することができる。

《規定》は、電子商取引で生じた専利権侵害紛争の処理効率を向上させ、電子商取引分野の専利権者の利益を保護し、そして実務を通じて更に改善され、時代の変化に対応していくものと期待される。電子商取引の知的財産権紛争を予防し解決するには、電子商取引プラットフォームの「ゴールキーパー」としての役割を無視してはならない。電子商取引プラットフォームは、電子商取引の直接の利益関係者として、プラットフォーム自身だけの利益を考慮するのではなく、今後プラットフォームの長期的な発展と、電子商取引の環境最適化の視点に立って、電子商取引法と《規定》に定める義務を果たして、プラットフォーム、電子商取引、製造業者、知的財産権所有者、消費者の全てにとって有利な状況を実現させなければならない。

 

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