中国 2018年9月9日
に北京インターネット法院を設立
【出典:北京インターネット法院ウェブサイト、人民網】
▓ 中国は利便性向上のために、2018年9月9日に北京に、北京市の管轄区内の基層人民法院が審理すべき第一審の特定類型のインターネット事件を集中的に管轄する「インターネット法院」を設立した。審理方式は、原則として「全過程オンライン」審理を採用して、事件の受理、送達、調停、証拠交換、開廷前の準備、法廷審理、判決の言渡しなどの訴訟の全過程のインターネット化を実現する。これにより、当事者は法院へ出向く必要がなくなる。
▓ 受理する事件の類型
- インターネットのショッピング/サービスの契約に関する紛争
- インターネットの金銭消費貸借契約、少額消費貸借契約に関する紛争
- インターネット著作権の権利帰属に関する紛争
- インターネット著作権の権利侵害に関する紛争
- ドメインネームに関する紛争
- インターネットショッピングにおける製品責任に関する紛争
- インターネットにおける他人の人身権、財産権などの民事権益に対する侵害に起因した紛争
- 検察庁が提起したインターネット公益訴訟事件
- インターネットに関する行政管理に起因する行政紛争
- 人民法院によって管轄を指定されたその他のインターネット民事事件、行政事件など
▓ 審級
- 北京インターネット法院は基層法院である。当法院が一審判決を下した事件については、当事者は北京市第四中級人民法院に上訴しなければならない。
- インターネット著作権の権利帰属及び権利侵害に関する紛争については、当事者は北京知的財産権法院に上訴しなければならない。
▓ 立案3ステップ
- インターネットで「北京インターネット法院」を検索して登録する。携帯電話からも「北京インターネット法院公式アカウントミニプログラム」で登録をすることもできる。
- 電子版の訴状をアップロードする。対応する資料を記入すれば一括で訴状を作成することができ、電子版の証拠もオンラインで提出することができる。
- 立案申請が完了。裁判官がオンラインで受理審査をした後、立案の結果をメッセージツールで通知する。
▓ 現時点の中国のインターネット法院設立状況
- 2017年8月18日 杭州インターネット法院設立
- 2018年9月9日 北京インターネット法院設立
- 2018年9月30日前 広州インターネット法院設立、正式に運営開始
注:杭州インターネット法院は、設立して1年経過した2018年8月18日現在で、インターネット関連事件を12,078件受理し、そのうち10,397件が結審した。インターネット関連事件の開廷に要する時間は平均28分、審理期間は平均41日であり、それぞれ開廷時間が3/5、審理期間が1/4短縮された。 |