2017年中国知的財産権制度での
法執行による事件処理作業が持続的に強化
 

【出典：中国国家知識産権局ウェブサイト】

　2018年2月13日、中国国家知識産権局はウェブサイトで、「2017年中国の知的財産権制度では、知的財産権保護の強化に関する計画を徹底的に実施するため、『専利保護の厳格化に関する若干の意見』を徹底実施し、積極的に知的財産権保護を推進し、政策措置を整備し、法執行メカニズムを革新し、「護航」「雷霆」などの特別行動を徹底的に実施し、様々な侵害・模倣行為を厳しく取り締まった」ことを発表した。

　一、専利権侵害・模倣行為を取り締まる事件処理力の持続的強化

　2017年1～12月の中国全体の専利行政法執行による事件処理件数は66,649件で、前年度に比べ36.3％増加した。そのうち、専利紛争事件処理件数は28,157件（専利権侵害紛争事件処理件数の27,305件を含む）で、前年度に比べ35.0％増加した。専利の模倣事件の調査処理件数は38,492件で、前年度に比べ37.2％増加した。

　二、各地域の法執行による事件処理が一様に強化

　中国全土31の省（区、市）のうち、2017年に法執行による事件処理件数が1000件を超えた地域が15となり、2016年に比べ3増えた。そのうち、北京、黒龍江省と遼寧省は法執行による事件処理件数が始めて1000件を超えた。2017年の法執行による事件処理件数が2016年に比べ増えた省（区、市）は29であった。

　地域で見ると、華東、華中地区の法執行による事件処理件数が比較的多く、西南、華北地区での増加が最も速い。専利権侵害紛争事件処理件数で見ると、全国21の省(区、市)で事件数が100件を超えており、そのうち、浙江省、広東省、江蘇省、四川省、河南省、安徽省と山東省の専利権侵害紛争事件処理件数は何れも800件を超えた。専利権侵害紛争事件処理件数が2倍以上増えたのは、甘肅省、福建省、新疆ウイグル自治区と四川省の4地域であった。

　三、法執行による事件処理構造が持続的に改善

　2017年の専利紛争事件処理件数と専利模倣事件処理件数の割合は約1：1.37で、過去5年の1：1.62に比べて大きく改善したが、比較的処理が難しい専利紛争事件の事件数全体に占める割合は増加し続けている。

　四、法執行による事件処理効率が持続的に向上

　2017年の各種専利事件の終結率は98.5％（当年度に立案され且つ当年度に終結した事件数と当年度の立案件数との割合）で、前年度に比べ1％増えた。そのうち、専利権侵害紛争事件の終結率は96.5％で、前年度に比べ2.1％増え、法執行による事件処理の効率がさらに向上した。17の知的財産権迅速権利保護センターは積極的に法執行による事件処理を支援し、地方の知識産権局に協力して迅速に2,983件の専利権侵害紛争事件を調解した。平均終結期間は約29日であった。

　五、主要分野の侵害・模倣行為に対する取締りで強い姿勢を維持

　2017年の電子商取引分野の専利の法執行による事件処理件数は19,835件で、前年度に比べ51.1％増えた。そのうちの大半は2週間以内に終結した。展示会の専利の法執行による事件処理件数は3,392件で、前年度に比べ18.6％増えた。

　六、特許紛争事件の占める割合が更に増加

　2017年に処理した28,157件の専利(特許、実用新案、意匠)紛争事件中、特許事件は4,803件で17.1％を占め、実用新案事件は8,894件で31.6％を占め、意匠事件は14,460件で51.3％を占めた。2016年の専利紛争事件における3種類の専利の割合と比べると、処理が比較的複雑な特許事件の占める割合が5.8％増加した。

　また、近年、専利行政法施行による事件処理の品質も安定した成長を見せ、2013年から2017年までの行政訴訟全体の勝訴率は83.7％で、行政訴訟の一般的な維持率よりもずっと高い。

　次のステップでは、知的財産権制度は、「インターネット＋」、ビッグデータ分析などの技術手段を十分に活用し、侵害・模倣行為に対する監視・監督を強化して、法執行による事件処理の効率とレベルを更に向上させて、引き続き侵害・模倣行為を厳しく取り締まっていく。