中国 デジタル著作権の
取引プラットフォームを開発
【出典:北京日報】
中国の北京捷成世紀テクノロジー株式会社(以下、「捷成世紀」という)がデジタルコンテンツ取引プラットフォームを開発した。このプラットフォームは著作権のスーパーのようなもので、映像作品のデジタル著作権について、直接オンラインで内容確認、取引、送達などの全プロセスが完了できる。映画、ドラマ、アニメ、ウェブドラマ…....などの様々な種類の動画作品が商品のようにスマートフォンに表示される。作品をクリックすると、関連情報、予告編、静止画、著作権取引などの情報を一目で見ることができる。特定の作品の著作権を購入したい場合は、「買い物かごに入れる」を直接選択すればよく、インスタントメッセージツールを使って著作権者と値段交渉することもできる。
テレビや動画サイトで見る映画、ドラマ、バラエティ番組のほとんどは、テレビ局と動画サイトがこれらの作品の制作者から放映権を購入したものである。制作者が作品をこれらの機関に売却する過程を、配給という。伝統的な配給は一般的にオンラインで行われるのではなく、テレビ局と動画サイトが、まず作品の制作者又は著作権管理者を見つけ、映画の予告編を見て気に入った場合、著作権を購入する意向を示す。この時、双方は具体的に著作権の購入形式、使用期間、値段について詳細に協議を行う。例えば、テレビ番組の著作権又はニューメディアの著作権を購入する場合、どのくらいの期間使用できるかなど全ての詳細が確定してから、取引契約を交わす。通常、このようなプロセスは一週間かかり、また、それより長い場合もある。
「コンテンツ取引プラットフォーム」は著作権取引をオフラインからオンラインに移行したもので、大幅に効率が向上するだけでなく、コストを削減し、著作権取引を標準化、透明化の方向に発展させることができる。
捷成世紀は2006年に設立され、映像技術分野において中国では業界リーダーである。中央電視台など大手テレビ局のメディア資産管理システム、4K放送技術システム、情報セキュリティシステムなどの多くは、捷成世紀によるものであり、湖南衛視(湖南衛星テレビ)、浙江衛視(浙江衛星テレビ)などのバラエティ番組のポスト・プロダクションシステムも捷成世紀が提供している。捷成世紀の傘下の華視網聚は、中国で最大のデジタル著作権のディストリビューターであり、ニューメディアの著作権5万時間を有し、購入した映画は市場の一年分の量の50%を越える。
捷成世紀は、技術と膨大的な映像コンテンツを所有しているため、このようなプラットフォームを創設することで、会社のメリットを統合し、最高の効果を発揮することができる。かつては、著作権をテレビ局やウェブサイトに売る際に、先ず、そのデータを一つ一つデータベースからコピーして、番号を付けて整理し、それから、宅配便で又は手渡しで買い手に届けていたが、このようなやり方は、リスクとコストが非常に大きかった。現在は、取引プラットフォームで電子契約を締結することができ、その後直接オンラインで契約を完了することができ、取引コストと時間が大分節約できる。
今後、取引プラットフォームの目標は、デジタル著作権分野の淘宝(タオバオ)になることである。プラットフォーム上には、捷成世紀自身が所有する著作権の作品だけでなく、国内外のその他の著作権取引業者もこのプラットフォームで著作権の取引ができる。プラットフォームはまたIP取引業務を開発し、人気のIPを販売したり、映像関連の人材データベースも創られ、映像関連の従事者がデータベースを通じて、適切な俳優、製作スタッフなどを簡単に見つけたり、若手の脚本家、監督の夢を実現するための制作費の調達をしたりすることができる。
捷成世紀は、テクノロジーは文化に貢献するためのものであるため、技術であろうと、コンテンツであろうと、分野を超えてこの二つの融合を実現させるために最善を尽くす考えである。
捷成世紀のもう一つの分野を超えた試みは、デジタル教育クラウドプラットフォームである。このプラットフォームは学校教育とインターネット教育とを組み合わせて、教育プロセス全体のインターネット化を実現したものである。このシステムでは、教育管理者が、クラス、学校さらには都市全体の教育状況を検索して見ることができる。教師はオンラインで授業の準備を完了させることができ、システム内の教育データベースには、教師が使用できる大量の授業ソフト、教学映像ファイルがある。学生のipadと教室内のインタラクション設備にこのシステムを入れれば、教師はそのシステムを利用して授業を行うことができ、学生とのインタラクションも可能となる。学生はシステム上で宿題、テストを完了でき、システムが自動的に採点するとともに、成績報告も完了でき、それによって教師と保護者が授業の効果を監督、管理することができる。現在、教育クラウドプラットフォームはすでに中国の21の都市と契約を交わしており、2017年末までに、中国の30個都市の中小学校にそのプラットフォームを拡張させる予定である。 |