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中国工商総局「重大違法信用喪失企業リスト
管理暫定弁法」を発表
年度報告書を公表 

【出典:工商行政管理総局ウェブサイト】

中国の工商行政管理総局は、20151230日に第83号総局令に署名し、工商総局局務会議の審議で可決した「重大違法信用喪失企業管理暫定弁法」(以下「弁法」)を発表した。「弁法」は201641日から実施される。これは国務院所属の各部・委員会の初めての「ブラックリスト」管理に関する部門規則である。

「弁法」において、工商総局は重大違法による信用喪失企業リストの起算日及び管理責任の分担を規定した。弁法によると、各地域の工商部門が、重大違法信用喪失企業リストの管理業務を統括して担当する機関を定め、情報化部門と共同で関連業務システムの開発及び改善を行い、各作業要件の実施を促進する。

 「弁法」のもう一つポイントは、「ブラックリスト」への掲載及び抹消手続き、異なる地域の行政処罰事件の情報交換手続き、掲載及び抹消の公示等を明確に規定したことである。

 上記の要件を達成するために、工商総局は、情報化技術の強化、管理システム又はモジュールの開発、重大違法信用喪失企業リストのデータベース構築、法執行による案件処理システムの整備、公示システムの整備、登記登録システムの整備を推進し、それによって、これらの重大違法信用喪失企業に対し抑止力が生じることが期待される。

 具体的な方法として、各地域の工商部門が同時に、企業と社会にこの「ブラックリスト」の新制度を理解させ、ブラックリスト入りによる重大な結果を企業に認識させるための様々な措置を講じることで、違法行為の自発的な抑制を促す。ブラックリスト掲載の各手続きを執行する際には、企業に対し企業が負うべき法的責任、信用回復方法及び権利救済手段を明確に告知し、懲罰と教育を組み合わせる。

 「ブラックリスト」の重要な役割を強調するために、地方性法規、部門(省庁)間の協力メカニズムにより、「信用喪失企業の共同監督管理及び共同懲戒に関する協力覚書」を徹底実施し、自発的に「ブラックリスト」、経営異常名簿等の情報を関連部門に提出して、情報共有、管理監督への協力、共同懲戒を実現させる。このほか、市場秩序の問題について統括及び判断を行うにあたって、科学的な根拠に基づいて決定するために、「ブラックリスト」を利用して、他の情報と組み合わせてビックデータ分析を行うこととした。

 

「重大違法信用喪失企業リスト管理暫定弁法」

第一条

重大違法信用喪失企業に対する管理を強化し、企業の法令遵守経営及び誠実信用・自律を促し、社会による監視を拡大するために、「企業情報公示暫定条例」等の法律法規に基づき、本弁法を制定する。

第二条

本弁法において重大違法信用喪失企業とは、工商行政管理に関する法律、行政法規に違反し且つ情状が重大な企業をいう。

第三条

本弁法において重大違法信用喪失企業リスト管理とは、重大違法信用喪失企業リストに掲載された企業に対し信用制約、部門との共同懲戒を実施するとともに、企業信用情報公示システムを通じて社会に公示することをいう。

第四条

国家工商行政管理総局は、全国の重大違法信用喪失企業リストの管理業務の指導を担当する。

県級以上の工商行政管理部門は、管轄地域の重大違法信用喪失リストの管理業務を担当する。

本弁法の工商行政管理部門には、工商行政管理機能を果たす市場監督管理部門を含む。

第五条

企業が次のいずれかの事由に該当する場合、県級以上の工商行政管理部門が重大違法信用喪失企業リストに掲載して管理する。

(一)経営異常名簿に掲載されてから3年を経過しても関連義務を履行しない場合。

(二)虚偽の資料を提出し又はその他詐欺的手段を用いて重要な事実を隠匿して、会社変更登記又は会社抹消登記を行ったことにより、登記が取り消された場合。

(三)マルチ商法を計画し、又はマルチ商法行為に便宜を図ったことにより、2年間で3回以上の行政処罰を受けた場合。

(四)直販の違法行為により2年間で3回以上の行政処罰を受けた場合。

(五)不正競争行為により2年間で3回以上の行政処罰を受けた場合。

(六)提供した商品又は役務が、人身、財産の安全保障の要件を満たしておらず、人身傷害など消費者の権益を重大に侵害する違法行為により、2年間で3回以上の行政処罰を受けた場合。

(七)虚偽の広告を出し、2年間で3回以上の行政処罰を受けた場合、又は消費者の生命、健康に関する商品又は役務について虚偽の広告を出して、人身傷害をもたらし又はその他社会に対し重大な悪影響を与えた場合。

(八)商標権侵害行為により5年間で2回以上の行政処罰を受けた場合。

(九)商標代理業務受理の停止の決定を受けた場合。

(十)国家工商行政管理総局の規定したその他の工商行政管理に関する法律、行政法規に違反し且つ情状が重大である場合。

企業が工商行政管理に関する法律、行政法規に違反し、前項第(三)号から第(八)号までのいずれかに該当し、2年間で累計3回以上の行政処罰を受けた場合、重大違法信用喪失企業リストに掲載し管理する。

第六条

国家工商行政管理総局又は省、自治区、直轄市の工商行政管理部門は、本弁法第五条第一項第(一)号に該当する企業の重大違法信用喪失企業リストへの記載、抹消業務を担当する。

県級以上の工商行政管理部門は、その登記された本弁法第五条第一項第(二)号から第(十)号まで並びに第二項の事由に該当する企業の重大違法信用喪失企業リストへの掲載、抹消業務を担当する。

第七条

工商行政管理部門は、企業を重大違法信用喪失企業リストに掲載する場合、掲載の決定を下さなければならない。掲載の決定書には、企業名、統一社会信用コード/登録番号、掲載日、掲載事由、権利救済の期限及び手段、決定機関などを含まなければならない。

第八条

企業が、本弁法第五条第一項第(一)号に規定する事由に該当する場合、工商行政管理部門は、企業が経営異常名簿に掲載されて3年を経過する前60日以内に、企業信用情報公示システムを通じて公告する方法により関連義務を履行するよう促さなければならない。3年を経過しても関連義務を履行しない場合は、期間満了の日から10営業日以内に、その企業を重大違法信用喪失企業リストに掲載する。

企業が、本弁法第五条第一項第(二)号から第(十)号まで並びに第二項に規定する事由に該当する場合、工商行政管理部門は、関連情報を企業信用情報公示システムにおいて公示した日から10営業日以内に、その企業を重大違法信用喪失企業リストに掲載しなければならない。

第九条

企業が、重大違法信用喪失企業リストに掲載されてから5年を経過しても第五条に規定する事由が発生しなかった場合、管轄権を有する工商行政管理部門は、重大違法信用喪失企業リストから、その企業を抹消する。

工商行政管理部門が、前項の規定により重大違法信用喪失企業リストから企業を抹消する場合は、抹消の決定を下し、且つ、企業信用情報公示システムを通じて社会に公示しなければならない。抹消の決定書には、企業名、統一社会信用コード/登録番号、抹消日、抹消事由、決定機関を含まなければならない。

第十条

本弁法第五条第一項第(一)号の規定により、重大違法信用喪失企業リストに掲載された場合、工商行政管理部門は、企業が申請した日から5営業日以内に抹消の決定を下さなければならない。

本弁法第五条第一項第(二)号から第(十)号及び第二項の規定により重大違法信用喪失企業リストに掲載された場合、工商行政管理部門は、重大違法信用喪失企業リスト掲載期間の満了の日から5営業日以内に抹消の決定を下さなければならない。

第十一条

企業は、重大違法信用喪失企業リストへの掲載に対し異議がある場合、公示の日から30日以内に決定を下した工商行政管理部門に書面で申請し且つ関連の証明資料を提出することができ、工商行政管理部門は、5営業日以内に受理の可否を決定しなければならない。受理した場合、20営業日以内に事実確認し、事実確認の結果を書面で申請者に告知しなければならない。受理しない場合、受理しない理由を書面で申請者に告知しなければならない。

工商行政管理部門は、事実確認した結果、企業の重大違反信用喪失企業リストへの掲載に誤りがあることが判明した場合、事実確認の日から5営業日以内に訂正しなければならない。

第十二条

重大違法信用喪失企業リストへの記載の根拠とされた行政処罰決定が取消された場合、工商行政管理部門は、行政処罰の決定が取消された日から30日以内に重大違法信用喪失企業リストからその企業を抹消しなければならない。

第十三条

各級の工商行政管理部門は、重大違法信用喪失企業リストに掲載された企業に対し次の管理を実施する。

()重点管理対象に入れる。

()本弁法第五条第一項第()号の規定により重大違法信用喪失企業リストに掲載された企業
の法定代表者、責任者は、
3年間は、他の企業の法定代表者、責任者を務めることができない。

()「契約を遵守し、信用を重んじる」企業公示活動への申請資格を認めない。

()関連の名誉称号を授与しない。

第十四条

工商行政管理部門は、重大違法信用喪失企業リストの情報を当該企業の公示情報に記録するとともに、企業信用情報公示システムを通じて、統一して公示しなければならない。

商工行政管理部門は、重大違法信用喪失企業リスト情報を、他の政府部門と互いに共有して、共同懲戒を実施しなければならない。

第十五条

本弁法第五条第一項第()号の規定により、重大違法信用喪失企業リストに掲載された企業の法定代表者、責任者が、既に他の企業の法定代表者、責任者を務めている場合、関連企業は法律により法定代表者、責任者の変更登記を行わなければならない。登記の場所(営業場所)において連絡が取れない場合、関連企業は法律により住所(営業場所)の変更登記をしなければならない。関連企業が法定代表者、責任者の変更登記又は住所(営業場所)の変更登記をしなかった場合、工商行政管理部門は法律により調査して処分しなければならない。

第十六条

企業の重大違法信用喪失企業リストへの掲載、抹消の決定について、法律により行政不服審査を請求し又は行政訴訟を提起することができる。

第十七条

工商行政管理部門が、本弁法の関連規定に基づき職責を履行しなかった場合、一級上の工商行政管理部門が是正を命じる。情状が重大な場合、責任を負う主管者及びその他の直接の責任者を関連規定により処分する。

第十八条

重大違法信用喪失企業リスト管理の関連文書の様式は、国家工商行政管理総局が統一して制定する。

第十九条

ネットワーク取引における違法信用喪失行為の管理弁法は、国家工商行政管理総局が別に定める。

第二十条

本弁法は、国家工商行政管理総局がその解釈の責任を負う。

第二十一条 

本弁法は、201641日から施行する。

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