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中国最高人民法院が2015年
知的財産権案件
年度報告書を公表 

【出典:人民法院報】

中国最高人民法院は2015年知的財産権案件年度報告書を発表した。この報告書は、最高人民法院が2015年に結審した知的財産案件及び競争案件から32件の典型的な案件を選出し、38の普遍的、指導的意義を有する法律適用問題をまとめたことで、知的財産権及び競争の分野における、新しいタイプで、判断が難しく、複雑な案件に対する最高人民法院の審査の基本方針及び裁判方法を反映したものとなった。

 最高人民法院知的財産権裁判法廷が2015年の一年間に新たに受理した各種知的財産案件は計759件であった。さらに2014年の未結審の案件77件を加えると、2015年の審理中の各種案件は合計836件となった。年間審査済みの各種知的財産案件は計754件で、そのうち、二審案件が7件、提審案件(提審とは、各級人民法院の判決に明確な錯誤がある場合、最高人民法院が自発的に改めて下級裁判所の案件を再審理することをいう)が39件、再審請求案件が682件、請示案件(請示とは、下級人民法院が案件の審査について、上級の人民法院の意見や指示を求めることをいう)が26件であった。

 これらの案件には下記の基本的な法則及び特徴が見られる。

  1.  専利及び商標に関する知的財産案件は全体の受理件数のなかで圧倒的な割合を占めおり、専利及び商標の権利付与及び権利確認に関する行政案件が明らかに大幅に増加した。
  2. 専利行政案件では、技術的特徴の区分や解釈、背景技術の公開内容の確定、明細書が充分に開示されたか否か等に関わる基本的な法律問題が相変わらず大多数を占めているのに対し、専利民事案件では均等侵害紛争に関わる案件の割合が比較的高く、従来技術及び先使用権を抗弁として主張するのが一般的となっている。
  3. 植物新品種案件に関しては、DNA等の技術による同一性の対比分野で持続的に発展しており、それに関わる技術問題も一層複雑化、専門化している。
  4. 商標案件は全体的に大幅に増加し、商標行政案件数が2015年に再び大幅に増加した。商標及び商品の類否判断、先使用権の保護等の法律問題が依然として大部分を占めており、商標案件の審理における誠実信用原則の重要な役割が更に顕著に表れた。
  5. 著作権案件の数及び割合は平穏に推移したが、新たなビジネスモデルから生じたインターネットによる侵害問題が相変わらず目立っており、映画、ドラマ等の映像作品の著作権紛争が頻発した。
  6. 競争案件では、営業秘密紛争が大きな割合を占めているが、権利者の証拠確保及び挙証の能力が低いために、保護範囲を確定し難いといった現象が度々起こった。

 その外に、最高人民法院は初めて集積回路の回路配置図設計案件を結審させ、回路配置設計の保護範囲の確定等の問題について有益な検討を行った。

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