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中国国務院がインターネット分野における権利侵害・模倣行為に対する取締り強化に関する意見を発表

【出典:中国政府ウェブサイト】

中国国務院弁公庁は2015119日に、「国発[2015]24号令」を徹底執行し、インターネット分野における権利侵害・模倣行為の取締りを強化し、オープンで、規範化され、信頼性、安全性を有したインターネット取引環境を構築し、電子商取引の健全な発展を促進するために、国務院の同意のもと、「国弁発[2015]77号」令を公布すると発表した。

一、全体的な要求

()指導理念

監督管理制度の改革、革新を保障し、新たな情報技術手段により支援し、健全で持続性のあるメカニズムを構築することを目標とし、電子商取引分野の法律法規の整備に努め、部局、地域及び国境を越えた法執行協力を強化し、監督管理能力及び技術レベルを向上させ、日々増加するインターネット分野における権利侵害・模倣行為を抑制し、インターネット取引環境を浄化して、電子商取引の健全な発展を促進し、イノベーションや起業に新たな活力を与え、経済モデル転換、産業高度化へ向けて新たな動力を注入する。

()基本原則

法律に基づいて監督管理し、技術支援し、統合的に協力し、地域連携し、社会全体で取り組む。

()主な目標

3年ほどの時間をかけて、インターネット分野における権利侵害・模倣行為を効果的に抑制する予定で、まず政府が監督管理し、業界が自主規制し、社会が参与する監督管理構造の基本的な土台作りを行って、関連の法律、法規をより健全なものにし、監督管理の技術手段をより高度化させ、協調、協力メカニズムをより完備化し、インターネット取引秩序を徐々に規範化させて、電子商取引の健全で秩序ある発展を図る。

二、監督管理の重点

()インターネット上の劣悪模倣商品の取締り

重点:農業資材、食品・薬品、化粧品、医療機器、電気電子製品、自動車部品、装飾内装材料、爆発の危険性がある化学品、児童用品及び衣料品等社会的に関心が高く、健康安全に関連性があり、公共の安全に影響を与える消費財と生産手段を重点とする。

製造、加工段階:電子取引製品の品質向上に向けた行動を実施し、生産元から模倣商品の発生を抑える。

流通、販売段階:インターネットで販売されている商品の抜取検査を強化し、インターネット取引に関するオンライン苦情受付及び販売後の権益保護を完備化する。

郵送段階:権利侵害・模倣の取締りを郵政部門に組み入れて常時監督管理を行い、法律、規定に基づき、インターネット権利侵害・模倣の有害情報を処理する。

()インターネットによる権利侵害・海賊版取締り

重点:商標権、著作権、専利権等の知的財産権保護。

商標権:有名商標、外国商標の模倣品販売の調査力を強化し、権利者と消費者の合法的な権益を保護する。

著作権:インターネット上の権利侵害・海賊版の取り締まり特別行動を実施し、インターネット(携帯)上の文学、音楽、動画、ゲーム、アニメ、ソフトウェア及び著作権を有する作品等の重点分野の監視監督を強化し、インターネットの不法転載等の各種権利侵害・海賊版行為を即座に発見し調査する。著作権監督管理プラットフォームの管理対象に、APP、クラウド、微博(中国版Twitter)、微信(中国版LINE)等を入れる。

専利権:インターネットの専利紛争事件処理及び電子商取引分野における専利法執行による権益保護を強化するため、郵便、宅配便に対し特別法執行を実施し、「蟻の引っ越し」方式での輸出入による権利侵害行為を取り締まる。

()監督管理の情報化のレベルアップ

方法:ビッグデータ、クラウドコンピューティング、IoT、モバイルインターネット等新しい情報技術を十分に利用して、市場の監督管理手段のイノベーションを行う。

1.ドメインネームのローカライゼーション、IPアドレスの綿密な管理及びウェブサイトの登録管理を強化し、インターネットの実名制を推進し、電子タグの利用を促進する。

2.職務訓練を強化し、新たな情報技術を利用した市場の管理監督能力を向上させる。

三、企業の責任

() 電子商取引企業の責任

1.電子商取引プラットフォーム企業に対し、インターネット販売業者の資格審査を強化し、健全なインターネット取引、広告等の業務及びインターネット販売業者の信用格付けの内部監督制度を構築し、虚偽取引等の方法で取引の信頼性を向上させる行為を抑止し、通報苦情処理メカニズムを構築整備し、権利侵害模倣品情報の調査整理及び取引記録、ログの保存を実施し、違法犯罪の情報を報告する等の責任及び義務を履行し、法執行部門による電子商取引プラットフォームにおける権利侵害模倣品の販売事業者の追跡に協力するよう指導、促す。

2.電子商取引自営企業に対し、内部商品の品質監督及び知的財産権管理を強化し、仕入及び販売の要所を厳しくチェックして、権利侵害模倣品が流通ルート及び市場に流入するのを防止するよう指導、促す。

()インターネットサービスプロバイダの責任

インターネットサービスプロバイダが「通知-削除」義務を確実に遂行し、インターネットサービスを利用して権利侵害・模倣行為を行っているインターネット情報については、即時、削除、遮断、接続の切断等の必要措置を取るよう促す。

()川上・川下の関連企業の責任

1.配送、保管、郵送、宅配便等企業が実名配達制を実施し、引受検査、セキュリティチェック制度を整備し、権利侵害・模倣商品の引受、保管と輸送、配送、配達を拒絶し、法執行部門が違法犯罪の情報を確認するためのサポートをするよう指導、促す。

2.ウェブサイトが自身の責任を果たし、権利侵害・模倣商品情報を配信させない健全な情報発信チェック制度を構築するよう指導し、促す。商品のリスティング検索サービスを提供するウェブサイトは、消費者が誤解しないよう、検索結果はリスティングによるものであることを消費者に知らせるべきである。

 

四、法執行の連携強化

()部門間の法執行連携メカニズムを整備

1.業務の統合及び部門の協力を強化し、法執行部門と司法部門の間の情報通達、事件相談、合同会議制度などを整備する。

2.行政法執行と刑事司法との連携を強化し、行政法執行部門と公安、検察、裁判機関との情報共有を実現し、犯罪の疑いのある案件を速やかに移送する。

3.警察の取締り力を強化し、一斉取り締まり方法を十分に利用し、犯罪に係るインターネットとサプライチェーンを壊滅する。

4.クロスボーダー電子商取引物品の通関及び検査検疫の監督管理モデルを整備する。

5.税務機関が調査中の案件について、手がかりを発見し、検証に協力する等の職務機能を十分発揮する。

6.資金流動監督管理作業メカニズムを模索しながら構築し、権利侵害・模倣犯罪の情報に基づき、法律により、取引勘定口座を追跡調査し、違法資金を監視する。

 

(十一)地域間の法執行協力メカニズムを整備

電子商取引製品を健全化する法執行地域協力メカニズムを構築し、事件の手がかりと法執行情報の地域間における情報共有を実現する。地理的に近い地域、特に京津冀(北京、天津、河北省の総称)、長江デルタ、汎珠江デルタ等の地域において、事件の手がかり及び情報を共有し、地域の法執行連携の実施推進を奨励する。

(十二)国境を越えた法執行交流協力メカニズムの整備

国内外の法執行部門の協力を強化し、権利侵害・模倣の違法犯罪のオンライン追跡、国境を超えた協力、合同取締り作業メカニズムを構築し、重大な渉外事件について、合同で法執行行動を実施する。

五、持続性のあるメカニズムの整備

(十三)電子商取引分野の法規の整備の加速化

1.インターネット分野の権利侵害・模倣行為の特徴、傾向について、監督管理、法執行のどの段階が弱いのかを調べ、関連法律法規及び規則制度を整備する。

2.電子商取引法の制定を推進し、オンライン商品取引に関する規則、紛争の解決方法、法的責任及び監督管理の法執行の根拠を明確化する。

3.各種商取引の証憑、電子検査検疫報告及び証書の法的効力の明確化を推進し、電子的証拠の規格を細分化する。

4.電子商取引プラットフォームとインターネット販売業者の権利侵害・模倣における責任を区分する関連規定を制定する。

5.統一コード化された電子商取引製品の品質情報の公表規則を制定し、電子商取引の紛争解決と製品の品質担保責任メカニズムを確立する。

6.電子商務取引製品の品質及びインターネットによる食品、薬品の販売に関する監督管理弁法を制定する。

7.微信、微博等のソーシャルネットワークプラットフォームを利用して権利侵害・模倣品を販売するなどの現象について、関連の監督管理及び防止措置を策定する。

(十四)電子商取引分野の信用体系の構築を推進

1.全国統一の信用情報共有交換プラットフォームと「信用中国」ウェブサイト等の政府ウェブサイトを十分に利用して、権利侵害・模倣の違法犯罪事件等の情報公開を強化する。

2.電子商取引信用情報管理制度を構築し、人口、法人、商標及び製品の品質などの情報資源を電子商取引企業及び信用サービス機構に対し公開することを推進し、電子商取引の信用情報とその他の分野の関連情報との交換共有を促進し、電子商取引分野の信用評価及び信用喪失行為の共同懲戒メカニズムを整備する。

3.企業の規格の自己適合宣言の公開及び監督制度の構築を加速化し、地方の試行実施を開始し、企業の規格情報公開サービスを強化する。

4.各業界の核心企業が製品の品質認証活動を行い、認証する企業に対し法執行検査を行い、その結果を公開するよう推進する。

5.電子商取引業界の業界自主規制強化を指導し、業界の信義誠実公約、企業コンプライアンスの段階別評価を推進し、企業の信用意識を強化する。信用を喪失した企業の「ブラックリスト」を発表する。

6.電子商取引分野におけるネットIDの応用を推進し、ネットショップの実名制を整備し、ソーシャライズされた電子商取引ウェブサイトの信頼できる認証サービスの発展を奨励する。

(十五)政府と企業のコミュニケーションと協力を強化

1.法執行部門と電子商取引企業の情報交換及び交流を強化し、電子商取引プラットフォーム企業と、苦情告発、違法案件情報の通報メカニズムを構築する。

2.法執行部門と業界団体、商工会議所、同業組合などの社会組織とのコミュニケーションを強化し、公示、面談などの作業メカニズムを整備し、合同で権利侵害・模倣の違法犯罪の防止及び取締りを行う。

(十六)世論と社会の監督を強化

1.各種メディアとネットワーク情報プラットフォームを通じて、広く宣伝報道を行い、権利侵害・模倣行為を公開し、即時、オンラインショッピングの消費者に注意喚起を行い、消費者の自主的に権利侵害・模倣商品を排斥するという意識を強化する。

2.インターネット告発苦情ルートを整備し、消費者、権利者による積極的な権利侵害・模倣の違法犯罪行為についての苦情告発を奨励する。

3.国際的な二国間、多国間の会合の場を積極的に利用して、インターネット分野における権利侵害・模倣の取締り作業についての効果を発表して、相互信頼を強化し、良好な世論の雰囲気作りを行う。

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