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中国が日韓とデータ交換に関する了解覚書を締結

【出典:SIPO ウェブサイト】

  20151117日、広州で日中韓特許庁長官会合第15回政策対話会議が開催された。また、1116日には、日中、中韓特許庁長官会合が行われ、その会合で、日中、中韓はそれぞれ特許情報のデータ交換に関する了解覚書を締結し、一般ユーザーに提供可能なデータ範囲を拡大することに合意した。

中米欧日韓からなる世界5大特許庁(IP5)の中で、日中韓の三庁が毎年受理する特許出願件数は、世界全体の出願件数の過半数を占めている。それに、地理的に近いこともあって、日中韓の三庁は従来から緊密な交流活動を行ってきた。2015年には、三カ国間の経済・貿易・科学技術及び文化における交流促進を強化するため、特許審査専門家会合、機械化専門家会合、再審判専門家会合、意匠フォーラム、人材育成機関合同シンポジウムなどを共催した。

今般の政策対話会議を機に、三カ国はデータ交換に関する了解覚書も締結した。実は、2008年に日中、2011年に中韓はそれぞれ出願書類の全文テキスト、書誌的事項、英文の要約書などのデータ交換に関する協定を締結している。だが、協力覚書により、交換されるデータの利用範囲は内部使用及び公共サービスに限られ、一般ユーザーには提供することができなかった。IP5間の情報交換を促進させるため、20136月の五庁長官会合では、五庁間においてデータ交換を許可する合意がなされ、2014年には一般ユーザーに提供可能なデータの種類が定められた。今般、データ交換に関する了解覚書が締結されたことにより、一般ユーザーに提供できるデータの範囲がさらに拡大されたこととなる。

20146月に開催された五庁長官会合で、特許情報ポリシーの行動計画が採択され、一般ユーザーに提供できるデータの種類が定められた。中国国家知識産権局(SIPO)は自国内の一般ユーザーが一日も早くこの利便性を享受できるように、この行動計画が採択された後、201412月に特許データサービスの試験版システムを始動させた。これは世界各国の知的財産権機関では初めての自国の特許基本データを提供するだけでなく、一般ユーザーに外国の特許基本データ(日本は書誌的事項及び英文の要約書データ、韓国は英文の要約書データ)も提供するプラットフォームである。

SIPOは自国内の一般ユーザーの特許基本データ取得に対する強いニーズを考慮し、データ交換の種類及びデータの利用範囲をさらに拡大させるため、他国の特許庁と一般ユーザーへのデータ提供に関する協力可能性について協議を行った。2015年、SIPOは度々日韓両国と活発な協議を行い、平等互恵の原則に基づいて、新たなデータ交換リスト及びデータ利用可能範囲について合意した。これにより、今般の日中、中韓特許庁長官会合において、それぞれデータ交換に関する了解覚書が締結されることとなった。

締結された新たな了解覚書に基づき、英文の要約書及び書誌的事項が既に交換されていることもあり、近いうちに日韓両国の全文画像及び全文テキストデータも中国の一般ユーザーに提供されるようになる。なお、新たに追加される引用文献及びリーガルステータスについては、新交換プロジェクトとして取り扱われるため、各特許庁は関連データのテスト作業を行っている最中であり、全ての条件が整い次第、一般ユーザーに公開されることとなる。

日中韓三カ国が知的財産権分野において連携協働を行うことにより、各自国内の特許制度の改善促進に大いに役立つだけでなく、三カ国間の対話に基づいて、重要な協力プラットフォームも構築された。こうして、互いの政策対話及び実務連携を絶えず強化することで、相互の知的財産権の最新発展状況を即時に把握できるようになる。今般開設された新たなバージョンの中日韓知財協力ウェブサイト(TRIPO : Trilateral IP Offices)では、三庁間の連携協働の進捗状況を紹介する他、三カ国の知的財産権に関する法律情報(特許文献検索サービスなど)の一般ユーザーへの提供も計画されている。なお、次の日中韓特許庁長官会合は2016年に日本で開催される予定である。

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