中国 上海をアジア太平洋地域の知的財産権センターに
中国知識財産権局と上海市人民政府は、2012年8月31日に上海市政府会議場において、上海がアジア太平洋地域の知的財産権センターとなるよう共同で推進することを主題として、新たに協力議定書を作成し、上海のアジア太平洋地域の知的財産権センターとしての地位を確立させた。協議の要点は以下の通り:
1.知的財産権分野の各種国際組織の拠点を上海に設立することを支援する。
2.上海市の知的財産権行政管理体制に対し改革を行う。
3.上海のハイテク産業の特許活用を促進し、産業発展の加速化を図る。
4.上海企業の知的財産管理規範を構築する。
5.上海の知的財産権サービス業の発展を促進する。
6.上海の知的財産権の人材育成業務を迅速に進める。
2006年5月10日、中国国家知識財産権局と上海市の第1回協力協議会では「上海市知的財産権公共サービスプラットフォームの共同建設」、「張江国家知識産権モデル地区の建設」を決定した。
2008年5月6日、第1回協力協議会の主な作業として「2010年上海万博の知的財産権保護強化」、「上海知的財産権情報プラットフォームサービス機能の全面的な向上」、「自主的知的財産権のサポート制度の完備」、「国家知識産権モデル地区の機能向上」が挙げられた。
2009年4月22日に検査に通った「上海知的財産権情報プラットフォーム」の構築は明らかな効果があった。該プラットフォームは2010まで、訪問数は延べ98万件を超え、登録ユーザーは3700件以上、グループユーザーは51件に上り、ユーザーの分布も全国各地にまでおよび、計77社の企業がプラットフォームを通してネット上で専用データベースを作成した。
2010年末、目標に達しなかった「4つの率先成長」が執行停止となった。その後、「4つの国際センター建設」(経済センター、金融センター、航空運輸センター、貿易センター)計画が打ち出された。
上海の知的財産権の発展はまさに新たな段階に入ろうとしている。2011年上海の発明特許権数は13.4件/万人に達し、「2015年までに発明特許3.3件/万人」の計画目標を大きく上回った。
2012年上海市人民政府は《上海市知的財産権戦略要綱(2011-2020年)》を公布し、アジア太平洋地区の知的財産権センターの建設を上海市の今後10年の目標に掲げた。要綱は以下の三つの方向から進められる。
1.知的財産権資源を上海に集中。
2.上海の知的財産権管理と保護メカニズム体制の革新を推進。
3.知的財産サービスの上海経済発展における新たな方向の模索。
(例:専利、商標、著作権が一体化した行政法執行体制)
上海の知的財産権のこうした動向は国際的に高い関心を集め、上海知識産権局の呂国強局長はイギリスの《知的財産権管理》雑誌の2012年にも「世界の知的財産権界における最も影響力を持つ人物50人」に選ばれた。今回の入選は二回目である。このことからも上海が知的財産分野で重要な地位にあることが窺える。 |