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華為 中国ではなく、欧州にて特許訴訟を提起

2011年4月28日、中国最大の通信機器メーカーの華為技術(Huawei Technologies)は中興通訊(ZTE)がデータ通信カードと第4世代の移動通信システム(LTE)の一連の特許権を侵害し、華為の登録商標を不法使用したとして、突如ドイツ、フランス及びハンガリーにおいて、中興通訊に対する訴訟を提起した。これに対し、中興通訊は翌日すぐに華為に対し反訴を提起した。

アナリストは「華為が中興通訊を控訴したことは、国際的な通信機器メーカーの次世代通信ネットでの競争が激化していることを表している。華為と中興通訊の訴訟は、世界が持つ中国企業の知的財産権観念に対する見方を変えるのに役立つ。華為が中国本土ではなく、ヨーロッパで中興通訊に対して特許訴訟を提起したことには画期的な意味がある。」と評している。

ここ数年で、華為と中興通訊がヨーロッパにおいて急速に業務成長したことで、両社のデータ通信カード製品はヨーロッパ市場において既に高い割合を占めており、ヨーロッパ市場を将来発展の重点としたことが偶然にも一致してしまったため、今回、華為は中国ではなく、ヨーロッパで中興通訊に対し特許訴訟を起すことになった。

もう一つ重要な原因として、中国は知的財産権の問題に対して、権利人の保護が十分ではなく、損害賠償額もとても低く、また提訴も難しい。中国の最高法院と最高検察院は共同で既に新しい司法解釈を公布し、知的財産権侵害に対する刑事責任を重くしたが、実務上、これらでは中国の知的財産権問題を解決するには十分ではない。言い換えると、司法解釈だけでは、中国の知的財産権保護の現状を変えるには不十分ということである。

例を挙げると、中国で権利侵害を訴追する上で最も非難されるべきは、損害賠償がとても低いことである。もし、商標権侵害人が権利侵害で得た額が確定されにくかったり、権利侵害された人の損失額が確定しにくかったりする場合に、中国の裁判所が下す賠償金額は50万人民元を超えることはない。ただこの賠償額だと大企業にとっては、弁護士費用にも足りないため、あまり意味がない。もう一方で、中国の裁判所は行政に干渉することが多く、中国では「訴訟」は「原被告の人脈比べ」であると言える。中興通訊と華為はどちらも中国では有名な大企業で、それぞれ政治的リソースを持っており、最後には政府も介入する可能性があるため、いろいろ考慮した末、中国以外の国で訴訟を行ったほうがよいとの結論に達したのだろう。

華為と中興通訊がヨーロッパで訴訟を起したことについて、中国の商務部は初め「家の恥を外に晒すな」との考えであったが、実際には世界が持つ中国企業の知的財産権保護の観念に対する見方を変えるのに役に立つ。別の見方からすると、中国が自らの知的財産権を持ち始め、しかも既に国際ルールによる自身の権益保護を始めていることは、良いことである。更に言うなら、ヨーロッパで既に中国のデータ通信カード製品業務が拡大し始めていることから、いずれは国際ゲームのルールをマスターしなければならない。ヨーロッパでは多くの国が互いの裁判所判決を二国間又は多国間条約で承認しているので、その執行性は中国より高い。

 

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