目下のところ中国には営業秘密保護法がなく、営業秘密の保護に関する法律規定は、商標法、不正競争防止法、民法通則、専利法、著作権法、刑法、契約法等に散見される程度である。こうしたことから営業秘密の性質には体系的概念が欠如しており、営業秘密は一種の民事権利として明確な規範が示されていない。これにより、営業秘密の授権、譲渡など全てにおける法律依拠がなく、営業秘密の保護にとって非常に不利となっている。全国人大代表は迅速に専門的な営業秘密保護法を制定すべきであると建議した。
これにより、専門的営業秘密保護法を制定する予定であり、重点は以下の通りである。
一、営業秘密の定義を明確化する。
営業秘密法は先ず営業秘密が一種の無体財産であり、知識産権の範疇に属することを明確に規定する必要がある。また、「営業秘密」の構成要件は「公衆が周知せず、権利人に経済的利益をもたらし、権利人により秘密保持措置を取った未公開の情報」であり、営業秘密保護の範囲を拡大することが可能であるものとする。
二、営業秘密を侵害する主体を統一的に規範する。
営業秘密保護法は、営業秘密を侵害する主体を一般的主体、言葉で限定するならば「公民、法人および非法人組織」として調整し、統一すべきである。営業秘密に対する有効的な法律の保護を形成するために、立法における法律責任を明確に規定する必要がある。また、営業秘密保護法は、違約責任および権利侵害責任を含め、営業秘密を侵害する場合の民事救済保護を重点に規定すべきである。
三、商業秘密の審理における特殊な訴訟行程を規定する。
営業秘密の最も重要な基本用件はその「秘密性」であるが、ある状況下では、例えば、証拠立件の義務を履行するために営業秘密を含む証拠を提示する場合、訴訟過程中に営業秘密が公開される可能性がある。よって、営業秘密保護法を制定する際に、特別に営業秘密の保全制度を導入し、法律義務により営業秘密を公開せざるをえないときは、営業秘密が不正にその秘密性を失うのを防止するために権利人は関係者たちに秘密保持の措置をし、秘密保持義務を負うよう要求する権利があるとする必要がある。それ以外にも、「競業禁止」の問題に対して明確に規定することで、経営者と被雇用者に、完璧で直接的な法律依拠を提供することが可能となるのである。 |