立法院は、4月21日に著作権法修正案を三読通過させ、5月13日に正式に施行した。修正の要点は、第90条の4から12の条文、即ちいわゆる「ISP業者の通知/取り下げ条項」および「三振即アウト条項」の追加である。新規定が実施されて2ヶ月もたたないうちに、ある弁護士が立法上の欠落を発見し、知的財産局は、目下、対応方案を検討している。
一、ISP業者の通知/取り下げ条項:
「ISP業者の通知/取り下げ条項」は、ネット上の権利侵害を防止するために増訂し、ISP業者に手続き上の責任を負うよう要求するものである。即ち、一旦某サイトで「権利侵害行為が発生している疑いがある」と著作権権利者から通知を受ければ、ISP業者はネット使用者に迅速に通知してサイトを取り下げさせる義務がある。もし、ISP業者が「通知/取り下げ」の責任を果そうと尽力しなければ、「民事援助犯」の責任を課すが、刑事の罪には問われない。但し、ISP業者が「通知/取り下げ」の原則を遵守さえすれば、著作権侵害の援助犯となることはない。
また、ISP業者の通知を受けた後に、ネット使用者が権利侵害していないと考えるならば、「回復要求の通知」をISP業者に渡し、ISP業者は該通知を権利人に渡せば、権利人は10日以内に法律的行動を取った証明を提出する必要がある。もし、権利人がそれを提出できなければ、ISP業者が14日以内にサイトを回復することができ、こうしてネット使用者の権益を保障できる。
問題は、新法において、ネット使用者がISP業者にサイトの内容を回復するよう主張する期限が規定されていないことである。実務上は、ネット使用者がISP業者の通知を受け取ってから、2,3年後に初めて「回復要求の通知」がISP業者に渡され、サイトの内容を回復するよう請求する事態が発生する可能性がある。こうした場合、ISP業者は既にサイトの内容を喪失していてサイトを回復できないことがあり、権利人にとっては、ISP業者が該通知を権利人に送付したとしても、既に時効を過ぎており、権利人は、改めて民事、刑事の権利(民事追求期限は2年、刑事は6ヶ月)を主張できない可能性がある。
また、民事の免責の事由は、実施方法により規定され、権利人の通知内容が規定に合わなければ、ISP業者は、通知後週日7日以内に権利人に補正するよう要求することができる。但し、台湾ビジネスソフトウエア連盟(BSA)、台湾の音楽CD出版事業基金会(RIT)、および台湾著作権保護基金会(TFACT)は全て、ネット上の権利侵害は極めて迅速であるため、週日7日は長すぎるとし、3日に短縮するよう建議した。