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中国:台湾裁判所の民事判決を認可

中国の最高人民裁判所は、2009514日に「人民裁判所が台湾の裁判所による民事判決を認可したことに関わる補充規定」(以下、補充規定と略称)を公布し、この規定は、公布日から正式に発効している。該補充規定とは、中国の最高人民裁判所が、「台湾、中国双方の犯罪取締協力および司法相互協定」を執行するために、民事裁判および仲裁判断の認可および執行に関連する規定である。1998年に公布した台湾にかかる司法解釈と比較し、今回公布した「補充規定」が拡大した申請認可の範囲は、台湾に関する裁判所の民事判決の申請認可を含むだけでなく、台湾の裁判所の民事裁定、調解書、支払い命令、および仲裁機構の裁決を含み、最も重要な内容としては、補充規定には初めて財産保全制度を組み入れたことであり、将来双方の経済貿易関係の交流に多大な影響を与えるだろう。

《補充規定》は、中国の最高人民裁判所が、台湾と中国双方の現状および将来発展の需要に基づいて、双方の人民に、司法上の保障を提供することを指導原則として制定したものであり、主な内容として適用範囲、案件管轄、挙証責任、財産保全、審査手順、審判組織、申請認可、および審理期限などを包括している。

現行の中国裁判所の民事案件および商事案件、知的財産案件、海事案件は、何れも民事範疇に属するが、双方で効力に差異がある。補充規定は、認可を申請できる民事判決の範疇を明確に広げ、一般の意義での民事判決は勿論、商事、知的財産権および海事紛糾案件の判決も包括している。

また、申請認可の過程中に被申請者が執行される財産を移転するのを防止し、申請者の正当な利益を有効に保護するため、補充規定は、中国の民事訴訟法の関連条項を参照し、財産保全については特別規定を設け、財産保全の期間、条件および財産保全の解除の申請について明確に規定している。

また、台湾と中国の現状を考慮し、中国の裁判所が、認可を申請する台湾の裁判所民事判決案件の関連事実を調査、判明するのは難しく、又、申請者が提出する民事判決書の真偽を認定するのが難しいという問題を解決する必要がある。例えば、一部の申請認可の民事判決の効力は、確定かどうかが不明確であったり、申請認可された被執行財産が存在するかどうか明らかでない。そこで補充規定により、申請者にこうした問題に対して挙証責任を負うよう要求し、台湾の裁判所民事判決の認可の過程において過失が発生したり、認可後の判決が確認した被執行財産が中国には存在しないことによって司法資源が無駄に使われるのを防いでいる。

中国の民事訴訟法の改正により、補充規定も、当事者の申請認可の期間は一年から二年に延長する。二年以内に、不可抗力が発生、または、その他正当な理由があるとして申請認可が遅れた場合、原因が消滅してから10日以内に期限延長の申請をすることができる。

 

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