中国は２００６年初頭に召集した全国科学技術大会で、発行した「国家の中長期科学技術発達企画概要(2006～2020年)」の中で、企業主体、市場先導の民間企業と政府の協力による技術革新体系を設立することを、中国の革新体系建設の主要事項として提出した。こうした重大な戦略決定において、革新型国家建設の目標に合わせる為、中国科学技術部は、2007年より、革新的能力、重要技術の擁護、自主ブランドを持つ企業の育成に乗り出し、国家競争において優勢に立つ基礎を構築した。そして2007年に第１期に103の、第2期に184の革新型企業を試行的に創立し、2008年には、規模を拡大し、トップ500の革新型企業を創立する計画である。
トップ500の革新型企業創立に携わる組織を単位別にみると、科学技術部、国務院国有資産監督管理委員会（国資委と略す）、および全国総公会であり、これら三組織が協力し、前述の革新型試行的企業の基礎に、さらに多くの企業への指導を拡大し、市場規律やダイナミックな機制調整により、2008年は、トップ500の革新企業を育成し、それによって、より多くの企業が革新発展の目標に向かって励むようリードする。
革新型企業の試行開始以来、試行的企業が研究開発に投じる規模が絶え間なく拡大し続けており、５０％の試行的企業は、研究開発コストが全体の６%を超え、一連の重要な技術的難題を短期間で克服し、自主的能力によるコア技術を有するようになった。こうしたことが産業の技術的進歩や構造のレベルアップにつながっている。中国は、極短期間で、革新政策での優勢から知的財産権の優勢に転化しないと、企業の真の競争力を向上できないと認識している。また、知的財産権に転化できない革新は企業にとって、実質的意義を持たない。
2006年の草案の戦略目標では、中国の各地方、各部門は、全て予算内の投資を始め、技術や設備導入を強化した。財政部は、企業の自主革新を奨励する税制度を確立する計画を立て、商務部は、輸出における革新基地の建設に携わり、ハイテクの自主ブランドを創造しようとしている。国資委は、自主的革新を、大型国有企業の指導者に対する業績評価の指標として掲げ、各地方において、各省、各市の革新型の発展目標を立て、本土の実質資源を結合し、具体的に実行可能な実施案を想定した。こうして全国の、上位から下位組織が一致団結して、短期間内で一連の飛躍的政策措置が制定された。
統計資料によると、全世界の6万のグローバル企業が、全世界の総生産値の２５％、国際貿易額の６０％、技術貿易額の７０％、特許技術ライセンス費の９８％を占めることから、革新能力を持つグローバル企業のみが世界経済に影響を与え、邁進する主役となることが可能であり、他の企業が技術革新を進める指導をしたり、世界競争に負けないリーダーの地位を確立することができるという事が分かる。こうした事から、中国は国際的競争力を持つ革新型企業を創立し、国家資源を集中させ、大中型の重要な企業、民営のハイテク企業、ハイテク型中小企業、企業化して制度改正の科学研究院などを選択、試行企業として位置づけ、各種企業の特徴や発展の需要に対し、国家が資源を投入して知的財産権自主ブランドを擁立し、革新的能力を持続する革新型企業を擁立しようと意気込んでいる。企業を主体とする、学術理論を緊密に結合させた革新型企業を築き、自主革新の内在体系を築き、対外産業に対する革新的能力を増強し、様々な類型企業を正確な技術戦略を制定するよう牽引する。そうして効果的な革新方法を構築し、全国の企業が、一斉に競争において優勢に立つように導く。
中国は、2007年12月24日に専利総量400万件、商標300万件をそれぞれ突破し、知的財産権保護において、すでに一定の規模に成長した。また、こうした事は中国が知識財産権を有する革新型企業が優勢になる基礎を形成する。知的財産権の保護を通して、企業が初めて知財の保護を認識し、促進し、コア技術の開発を強化し、労働力の密集企業からコア技術を主体にする高付加価値企業に生まれ変わり、高利益獲得という共同目標を達成する。
2007年は、中国の知識産権の文化年として、文化、観念の転換を通じて、全国の資源を企業に集中し、コピーから革新へ、権利侵害から知的財産権の保護へと観念を改革するよう尽力した年だった。そして、2008年は、中国の戦略目標として、知的財産権における優良企業トップ５００を育成し、更に知的財産権の優勢を利用して財産を築く。これらの政策戦略及びその実施の課程で、至る所で中国が旺盛な企画性と技術革新での追従の決意を表示している。このことは、学ぶに値するだろう。