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007年上半期における中国の専利出願状況分析

中国国家知識産権局は、2007年上半期の専利出願数および特許査定件数の統計を公布した。中国国内の専利出願量は増加し続けているが、その増加速度は鈍化してきている。なお、PCT出願案件数は急増加を維持している。具体的には、以下の表に示す状況である。

1. 2007
年度上半期および2006年度同期の中国における専利出願件数の比較

 

2007年
上半期

2006年
上半期

2007年
同期
成長率

全体に占める割合

専利受理件數

268,926

250,703

7.3% ↑

100%

国内からの出願件数

216,473

201,035

7.7% ↑

80.5%

外国からの出願件数

52,453

49,668

5.6% ↑

19.5%

特許 出願件数

104,341

97,620

6.9% ↑

38.8%

実用新案 出願件数*

74,733

75,818

1.4% ↓

27.8%

意匠 出願件数

89,852

77,265

16.3%↑

33.4%

特許:国内からの出願件数

59,257

54,835

8.1% ↑

56.8%

特許:外国からの出願件数

45,084

42,785

5.4% ↑

43.2%

職務専利出願

101,921

84,907

20.0%↑

47.1%

非職務専利出願**

114,552

116,128

1.4% ↓

52.9%

職務発明出願

40,705

36,182

12.5%↑

68.7%

非職務發明出願**

18,552

18,645

0.5% ↓

31.3%


*
実用新案出願件数は、2007年上半期に初めて減少を示しており観察に値する。
**
中国における職務出願数は、益々増加の傾向を示している。

2. 2007
年度上半期および2006年度同期の専利査定件数の比較:

 

2007年
上半期

2006年
上半期

2007年同期
成長率

全体に占める割合

専利査定件数

167,750

119,419

40.5%↑

100%

国内案件の査定件数

142,264

98,479

44.5%↑

84.8%

外国案件の査定件数

25,486

20,940

21.7%↑

15.2%

特許 査定件数

32,031

27,781

15.3%↑

19.1%

実用新案 査定件数

65,018

45,372

43.3%↑

38.8%

意匠 査定件数

70,701

46,270

52.8%↑

42.1%


2007
年度上半期における中国専利出願および査定状況の主な特徴と分析結果を以下に示す。

1. 特許、実用新案、意匠の三種の専利出願案件数は、増加傾向を維持しているが、増加の速度は、鈍化している。これら三種の専利出願総数の年間増加数は、連続7年間20%前後の成長を保持してきたが、2007年上半期の平均増加率は、わずか7.3%に止まり、増加の割合が明らかに鈍化している。そのなかで、意匠の出願は高い増加率(16.3%)を維持しており、特許出願件数の増加が鈍化傾向にあり(6.9%)、実用新案の出願件数は今回初めてマイナス成長を記録した(-1.4%)。

2. 中国国内の特許出願件数の増加率は、国外からの特許よりも高い数字を示している。外国からの特許出願件数の増加速度が鈍化しつつある状況の中、国内からの特許出願件数の増加率(8.1%)は、国外の増加率(5.4%)より3パーセント近く高い値を示している。また国内の特許出願数は今年上半期の特許出願数全体の56.8%を占め、国外からの特許出願数(43.2%)に比べ14%近くも多かった。こうした結果には二つの原因が考えられる。一つは、中国本土企業の技術的躍進により、元来考案であったものを発明に転換して特許出願するようになったことが挙げられるだろう。もう一つの原因としては、中国各地で発明に各種奨励制度を設ける政策が立てられ、外国企業がこうした補助を受けるために中国本土企業の名義で出願したことが考えられる。

3. 国内からの専利出願数が増加した全ての要因は、職務専利の出願の増加による。職務専利は前年同期に比べ20%増加している。非職務専利の出願数は、1.4%減少していることから、政策や関連する制度の先導により、中国企業の専利出願が個人出願よりも更に優勢になり、職務発明数の著しい増加を促進していることが伺える。

4. 三種の専利の査定件数が激増した。2007年上半期の三種の専利が査定された総数は、前年同期の40.5%増加した。中国では、商標案件の審査の速度が遅く、依然として遅滞しているのに比べ、専利の審査の速度が改善されている事を明示している。

全体として言えば、中国が受理した専利出願案件数の増加傾向は、新しい調整時期に突入しており、その総数量増加の速度は鈍化していると言える。また、国内からの職務出願については、企業や科学研究院の知識財産権の強化により、自主的な知識財産権保護の意識が徐々に向上し、職務発明の出願数が急激に増加している。また、専利審査処理能力の向上に伴い、審査終了までかかる期間も絶えず短縮されている。また、以前のような、専利審査案件が累積して審査が滞っていた状況もすでに改善されてきている。こうしたことが、中国における専利制度の未来の発展を促進しているといえる。

受理したPCT出願案件数の増加率には、中国の高度成長態勢が顕著に現れている。2007年上半期の統計は以下のとおりである。
年別統計:

 

2007上半期

2006上半期

2007年同期成長比率

中国が受理したPCT件数

2,045

1,528

33.8% ↑


WIPOの統計によると、2000年度の中国のPCT専利出願数は、僅か784件であったが、2005年上半期には2,452件となり、世界で十位以内に初めてランキングされた。2006年上半期には第八位、2007年上半期には、アメリカ、日本、ドイツ、韓国、イギリスに次いで第六位となった。全世界のPCT出願において中国が占める割合は、2005年の1.8%から2006年には2.7%に上昇し、2007年も更に上昇することが予測できる。
 
さらに、中国のPCT出願地域の分布を見ると、半分以上の案件は広東省からの出願であり、100件を超えるPCT出願が、広東、北京、上海、江蘇のわずか4つの地域から出願されていて、これら4つの地域は、まさに中国が改革に最も成功した地域である。実際、中国の専利出願数量および出願能力は、地域差が激しく均等ではないが、こうした事実は各地方の科学技術の発達程度と関わりがある。

 

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