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台湾 立法院の三読会で「企業M&A法」の一部条文改正草案が可決 

株主の権益が強化され、M&Aの適用範囲も拡大

台湾立法院(日本の国会に相当)は、2022524日に三読会で「企業M&A法」の一部条文改正草案を可決した。今回の法改正のポイントには、株主の権益の保障、非対称性M&Aの適用範囲の拡大及び柔軟な租税措置の拡大などが含まれる。

今回の法改正の主なポイントは以下のとおりである。

一、株主の権益の保障

M&A情報開示を強化し、情報の透明性を確保するために、司法院釈字第770号解釈の要旨に従って、今回の法改正では、会社は株主総会の招集事由に取締役の利害関係に関する重要な内容、及びM&A決議に賛成或いは反対する理由を記載しなければならないことが明確に規定された。そのほかに、今回の法改正では、M&Aに反対する株主の株式買取請求権の適用範囲を拡大し、株主総会決議時に議決権を放棄せず反対票を投じた株主にも適用して、そのエグジット・ストラテジーを保障するようにした。

二、非対称性M&Aの適用範囲の拡大

M&Aの柔軟性及び効率性を向上させるために、今回の法改正では、非対称性M&Aの適用条件を「M&Aを行う会社が交付する株式は、発行済みの株式総数の20%を超えない」又は「M&Aを行う会社が対価として交付する株式、現金及びその他の資産の総額は、M&Aを行う会社の純資産額の20%を超えない」に緩和して、株主総会を経ることなく取締役会の決議によってM&Aを行えるようにした。これによって、成熟した企業による積極的なベンチャー企業のM&Aが促進され、ベンチャー企業自体の競争力を高め、市場を拡大することにも役に立つとみられる。

三、柔軟な租税措置の拡大

ベンチャー企業へのM&Aを行いやすい環境を構築し、またベンチャー企業の株主が、ほかの会社とのM&Aによって高額な税負担が生じる可能性を考えて躊躇うことを防ぐために、今回の法改正では、M&Aされるベンチャー企業(設立登記からM&Aの決議に至るまで5年未満で、非公開会社であるもの)の個人株主が取得した株式の対価に対する税金について、ベンチャー企業の株主の納税負担を適度に軽減するために、全額を繰り延べる選択肢を設けた。また、今回の法改正では、識別可能な無形資産の種類が追加されたほか、M&Aによる税金コストが容易に見積れるように、M&Aによって生じた無形資産の償却について、法定耐用年数又は10年を計算基準とすることができるようになった。

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