著作権法上、著作権人が「公開放送」、「公開演出」等、関連する専有権を有し、テレビ、放送局で放送する音楽、KTV、カラオケで提供される伴奏サービス、レストラン、ホテル、食堂、観光バスなど、公共場所で放送される音楽などは全て、他人の著作を利用することにより一定の経済的利益を上げるためであり、これらの利用行為は、原則上すべて著作財産権人から授権を得る必要がある。
しかしながら、放送局やテレビ、KTVで利用される著作の利用量が莫大となり、また、レストランなどの営業場所が各地に分散しているため、著作権人が自ら権利を他人の著作権の利用に個別に授権し、個別に逐一連絡、交渉するのは、事実上不可能であり、利用者が著作権利人を探すのも又不可能なので、「著作権集体管理」の制度を設けた。これは、著作権利人が組織する著作権集体管理団体(集管団体と略称)が、まず、利用者に授権し、料金を納めさせた後、受け取った報酬を管理委託者である著作権利人に分配する制度である。
集管団体は著作権利人に代わって著作財産権を管理する任務を遂行するため、専門家を雇い、徹底した管理の仕組みを構築する必要がある。また、利用者と交渉し、適切な授権条件および料金により授権を行い、また報酬を徴収し、著作が利用される実際の情況により、使用報酬を著作権利人に分配する必要がある。
集管団体は、個別に授権する困難を解決する為に成立したもので、各種著作あるいは権利類別全てに集管団体を設立する必要はない。国際的には、以下の類型において集管団体が存在することが多い。
(一) 公開演出権
例えば公共場所での演奏もしくは音楽パフォーマンス、または公共場所での機材設備による音楽放送。
(二) 公開放映、放送権
例えば有線や無線の放送システムによるラジオ、テレビの放送など公衆向け放送の著作。
(三) 音楽の著作にかかる複製権
例えば音楽著作を録音したレコード、CD,テープの音楽著作、或いは音楽や録音著作を用いた映画や動画中の歌曲やBGM。
(四) 舞台演劇、舞踊の著作にかかる公開演出権
例えば舞台パフォーマンスやダンス。
(五) 文章著作および音楽譜面での著作の複製権