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行政院が著作権仲介団体条例修正案を通過

「著作権仲介団体条例」が1997115日から公布、施行されて以来、実務上で若干の問題が起こっているため、修正を検討する必要がある。各国の立法例及び著作権仲介団体と利用者の双方が提出した修正建議を参考にし、行政院は917日第3162回の院会で著作権仲介団体条例修正草案を通過させた。名称を「著作権集体管理団体条例」と修正し、今後、智慧財産局は、どういった指定行為に仲介団体は共同比率を定める必要があるか、利用者に公告する。また、新たに単曲の費用計算方法も追加し、仲介団体の、利用者に対する費用回収制度を更に合理化していく。さらに、経済部も、ホテルや旅館、美容業、KTV、カラオケおよび伴奏機器等、音楽を利用する行為の態様には料金を払う必要があることを公告し、且つ著作権仲介団体に共同使用報酬率の単一料金基準を定めることを命令した。修正要点を以下のようにまとめて説明する。

一、条例の性質は、仲介ではなく、一種の著作権集体管理業務であるので、「著作権仲介団体」を「著作権集体管理団体」と修正し、「著作権仲介業務」を「著作権集体管理業務」と修正する。(修正条文第3条、第4条、第6条ないし第12条、第14条ないし第21条、第23、第27条、第29条ないし第31条ないし第44条)

二、主管機関を内政部より経済部に改め、且つ第2項を追加し、著作権集体管理団体の設立許可、指導及び監督業務を、経済部が指定する著作権主務官庁により行う。(修正条文第2条、第4条、第8条、第9条及第40条至第43条)

一、 三、「著作権集体管理団体」(以下集管団体と略称)および「著作権集体管理業務」の定義を修正し、同一の集管団体を組織するのは、同類著作の著作財産権権利人でなければならないという制限を削除する。(修正条文第3条)

二、 四、多元的な各団体の料金の徴収、計算方法が統一されておらず、使用者はそれぞれの仲介団体に逐一使用費を協議し支払う必要があるという不便が発生し、それを解決するため、経済部は、スイスの制度を参考に、二つ以上の集管団体が「共同使用報酬率」を定め、そのうち一つの団体が利用者に徴収するよう指定しなければならないとの規定を追加した。例えば、ラジオ、テレビ局の公開放送、前述の公開放送後に、ホテル、美容院、病院、観光ガイド車等の公開場所での二次利用行為、カラオケ店、カラオケなど伴奏機器の利用、ネットでの放送、テレビ、音楽鑑賞、またはダウンロードなど大量利用される著作の利用形態においては、原則上、二つ以上の集管団体がどれも徴収することができる場合、著作権主務官庁が共同使用報酬率を定めた利用形態を指定することができるとする。(修正条文第3条及第30条)

三、 五、集管団体の自治および集管団体の実務運用の需要に基づき、管理費の費用率または金額、使用報酬率等に関する重要文件の変更の手続きについて、集管団体の規約に明記すべきであると追加する。(修正条文第4条、第7条及第16条)

四、 六、民法の「補助宣告」の規定に合わせ、「補助宣告を受けた者」を発起人の消極的資格の一つとすることを追加する。(修正条文第6条)

五、 七、適度な管制集団管理団体数を保つ為に、集管団体設立の条件を追加し、市場の集管団体が、既に集体管理の機能を十分発揮できていれば、新しく設立を請求する団体に対して、著作権主務官庁はその設立を許可しないとする。(修正条文第8条)

六、 八、会員が各々授権する、あるいは別の第三者に委託して授権することを禁ずる規定を削除し、集管団体およびその会員が、その規定、或いは管理契約により、各々決定する。(修正条文第14条)

九、ドイツ/日本の著作権法および隣接権受託管理法を参考にして、集管団体の使用報酬率決定の参考要素を追加した。報酬率決定または変更後、少なくとも30日間は公衆に調査、閲覧できるよう提供し、著作権主務官庁に参考の為に提出してから、実施できるようになる。また、使用報酬率の一括授権を選択するものは、計算方式を選択しなければならない。利用者は、集管団体が定めた使用報酬率に異議があるときは、書面で申請する場合に限り、著作権主務官庁が介入する。また、著作権主務官庁が受理した後、ネット上で公布し、その他の利用者が書面で審議への参加を請求することができる。著作権主務官庁の審議により、集管団体が定める使用報酬率の計算基準、比率、または金額を変更することができ、もし利用者の請求が正しいと認めたら、著作権主務官庁は使用報酬率を改定し、また、審議を請求する期日より効力を生ずる。使用報酬率の実施前に審議が申し込まれた場合は、実施日より効力を生ずる。

草案は、前述の審議により決定した使用報酬率を一定の実施期間中維持したほうがよいと認めることから、実施日より三年以内は、重大な事情が変更された場合を除き、集管団体が変更することができず、利用者も審議を請求できない、と修正する。

審議期間内では、利用者は「暫定支払い」を行うことができ、その利用行為は、民事、刑事の権利侵害責任が免除され、審議の決定後に、審議の結果に従って調整される。また、暫定支払い標準については、双方の話し合いが成立しない(合意が達成できない)場合は、暫定支払いの標準として「元々定めた」使用報酬率か「元々約定した」使用報酬のどちらかを選択する方法を採用することができると草案が修正され、来年度からの値上げで、紛糾が起こるのを防ぐ。

新たに追加した集管団体の定めた共同比率、および利用者と協調する比率の部分については、経済部が2年後に初めて実施し、集管団体に過渡期を与える予定である。過去の仲介団体著作費率は、二種のみしか定めておらず、一つは単一授権、もう一つは一括授権であり、将来新しく第三種の一曲ごとに授権費用を支払う規定を追加する。即ち、利用者が音楽著作権の一部を使用する分の費用だけを負担する。(修正条文第24条至第26条)

十、集管団体が管理する著作財産権の情報を提供する方法を修正し、集管団体は著作財産権の目録およびそのフォームを編集するよう強制しないが、その著作財産権の範囲を管理することに関連する情報については、依然として外界の要求があれば提供しなければならない。(修正条文第27条)

十一、利用者および集管団体が既に契約した授権契約を修正し、授権契約期間内は、メンバーが退会した後、利用者が使用報酬費をその退会メンバーに支払う必要はないとする。この退会メンバーは、原集管団体に使用報酬を分配するよう請求することができる。(修正条文第31条)

十二、利用者が使用リストを提供する義務を契約で排除できると修正する。(修正条文第37条)

十三、集管団体は、専属授権または信託譲渡の場合に限り、自己の名義でメンバーのために刑事訴訟を起こす者と成り得ると修正する。(修正条文第39条)

十四、集管団体に対して監督、指導する効果を上げるため、著作権主務官庁の命令により業務執行のやり方を変更しない場合、罰金を課すことができるとの規定を追加する。(修正条文第44条)

 

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