IPニュース | 著作権&その他のトピックス

著作権保護期限50年から70年に延長か

著作権の保護期限を延長する法修正案が、知的財産局で検討されている。欧米では保護期限を70年としていることから、台湾も同様に現行の50年から70年に延長し主要貿易国に一致させれば、将来、自由貿易協定(FTA)の交渉が容易になるという見解である。

著作権保護期限が延長されることで、視覚芸術、音楽パフォーマンス、映画産業、テレビメディア産業、出版業、広告業、デザイン業、ライフクリエーション業、デジタルレクリエーション業、流行ブランドデザイン業等、多くの創作産業が影響を受ける。とくに、映画制作など高資本を必要とする業界では、期間延長により著作権をより一層保護するよう望む声が強く、もし期限延長が実現すれば、これら産業は権利金の収益を得る機会を増やすことが出来る。

しかしながら、著作権保護が延長されると、消費者が低価格で著作物を使用できる期間が先送りになり、公衆の使用利益の点で不利である。また、著作権保護期限の延長は、国際的潮流には合致するものの、文化創作産業の促進や、新しい著作の創造を阻止することにつながる。台湾では、文化創作産業の占める割合がGDP全体の3%と低く、文化的発展途上である点を考慮すれば、著作権保護期限の延長には慎重になる必要がある。しかしながら、WTO会員国、または中米貿易自由協定の角度からみれば、期間を延長して、欧米国に足並みを揃えることは会員国の互いの利益であり、また考慮すべき側面である。

著作権保護期間修正の進行方針としては、ビデオ、視聴産業など投資額が比較的高額な産業に限り、先ず70年の保護期間を与え、その他の産業は依然50年の保護を原則とするという部分的延長の混合方式を採用する、という意見がある学者から示されている。知的財産局は、この保護期間修正案は国際貿易上の交渉や産業発展に大きく関わるため、長期にわたって慎重に議論する必要があるとの見解である。

Top  
 
 
  11th F1., 148 Songjiang Rd., Taipei, Taiwan | Tel : 886-2-2571-0150 | Fax : 886-2-2562-9103 | Email : info@tsailee.com.tw
© 2011 TSAI, LEE & CHEN CO LTD All Rights Reserved
   Web Design by Deep-White
Best viewed with IE8.0 or higher with 1024*768 resolution