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台湾の「ベビーベア」は「ハローキティ」の模倣ではない…高等裁判所が判決

5年に及び訴訟が続いていた台湾の「ベビーベア」と日本の「ハローキティ」に関する模倣争議の一件は、台湾高等裁判所が、「熊」と「猫」は混同誤認が生じることのないまったく別の商標であり、近似がないため、「ベビーベア」は日系企業サンリオ創作のHello Kitty、つまり「ハローキティ」を模倣したものではない、と認定し、前判決を覆す結果となった。

「ベビーベア」シリーズの美術創作は、復興美術工業学校の卒業生、紙品実業(会社名)の責任者が1998年に創作、その後、「ベビーベア」シリーズのデザインは米国著作権局国会図書館著作権を得た。その後、松林國際圖片公司(会社名)を設立し、「帽子をかぶったファミリーベビーベア」シリーズの美術著作権を該会社に移転した。その後、文具、紙製品、及び印刷会社と次々にライセンス契約を結び、製造販売した。該責任者によると、「ベビーベア」と「ハローキティ」の一番の差異は、「ベビーベアが大きな丸い耳をしているのに対し、キティの耳は三角である。」ということだ。

しかしながら、民衆の反応は、違う様子である。
民衆:「Kittyでしょ?」
民衆:「Kitty っていう猫でしょ?」
「ベビーベア」のイラストを見せられた民衆は、口々に日本の「ハローキティ」の名前を挙げた。確かに、大きな目、丸い鼻がそっくりで、口がない点も共通する。

5年ほど前、日系企業サンリオが「ベビーベア」と「ハローキティ」が近似であるとの争議を起こした。サンリオは、弁護士に委託して、それら文具、紙製品製造会社に、「ベビーベア」のデザインは「キティ」に酷似しており、模倣の疑いがあり、かつ、消費者に混同誤認を起こさせる虞がある、と指摘した書簡を送った。そこで、対する松林國際圖片公司は、サンリオに対し訴訟を提起した。同社は、「ベビーベア」シリーズのデザインが美術的著作の著作権を有していることから、サンリオが、これら企業のライセンスによる生産販売行為に干渉したり、それを阻止することはできない、と主張した。


高等裁判所による判決では、確かに両者は目や鼻の形が似ているが、イラストのキャラクターの創作においては、基本的造型は類似することは避けがたく、両者に特徴を二分する部分があるからと言って、模倣であるとは認めがたい、との見解が示された。
又、「熊」は「猫」ではないとし、最終判決では、該台湾企業創作のベビーベアは、模倣品ではなく権利侵害とはならない、と認定したのである。

また、裁判所は、該台湾会社が「ベビーベア」の著作財産権を有すことから、サンリオは、同社に対し賠償金78万余台湾ドル、および2002年4月10日からの年利率5%の遅延利息を支払わなければならない、と認定した。その他、サンリオは、高等裁判所による差し戻し判決の主文および理由を、月刊ギフトワールド誌に掲載すること、また、一、二審、および三審(前述の差し戻し裁判)全ての訴訟費用を負担しなければならないとした。この訴訟は5年余りに及び、その間日本側の勝訴が続いていたが、台湾高等裁判所の差し戻し裁判で大逆転の結果となった。

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