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台湾司法院が「知的財産案件審理法」の
改正を行うため公聴会を開催

【出典:司法院ウェブサイト】

台湾の最高司法機関である司法院は、2022427日に「知的財産案件審理法の新制度に関する公聴会」を開催し、初歩的に完成した「知的財産案件審理法(以下、知審法という)改正草案」を説明して、各界から意見を聴取した。

 「知的財産案件審理法」は、200871日に施行されて以来、2011年と2014年に小幅な改正がなされた。実務案例が多く蓄積されたことで、司法院は、「知審法改正研究委員会」を設置して計18回の会議を行い、理論と実務上の運用を総合し、外国の立法例を参考にして、知審法の施行から十数年で、最大規模の法改正を行うことにした。これによって、更に専門的且つ効率的で、国際的な潮流に沿った知的財産訴訟制度が構築されることが期待されている。

この改正案のポイントの一つは、営業秘密の保護に対する外界の期待に応えるために、営業秘密侵害罪の第一審刑事事件を、知的財産及び商業裁判所(以下、知商裁判所という)が審理することとし、また、国家安全法の改正に合わせて、専門的で迅速な結審という目標を達成するために、国のコア技術・基幹技術を侵害する営業秘密刑事事件も、知商裁判所が管轄するとしたことである。知的財産権事件には、高度の技術性及び専門的な法律知識が求められることを鑑みて、知的財産民事事件の審理手続において「弁護士強制代理」、「審理計画」、「専門家証人」の規定を新設するほか、「査証制度」及び「法廷の友(friend of the court)制度」を導入して、審理を集中化し、専門家の関与を拡大することにより、裁判所が新興の高度技術及び専門的な知的財産関連の訴訟事件を審理するのに役立つものにする。

この改正案のポイントは以下のとおりである。

ü   営業秘密法第13条の1、第13条の2及び第13条の4に規定された犯罪の第一審刑事事件は、知商裁判所が審理する。

ü   行政院が2022221日に書面にて「国家安全法改正草案」を審議するよう立法院(日本の国会に相当)に要請したことに合わせて、国のコア技術・基幹技術を侵害する営業秘密関連の刑事事件は知商裁判所が管轄する規定を増設した。

ü   営業秘密関連の書類・証拠物を非識別化するためのコード又は別称、書類・証拠物を知る権利を増設した。

ü   営業秘密関連の刑事事件の審理保護メカニズムを向上させるために、「秘密保持命令違反の処罰」を強化し、「国外における秘密保持命令違反罪」などを追加した。

ü   知的財産関連の民事事件の審理手続について、「弁護士強制代理」、「審理計画」及び「専門家証人」の規定を追加した。

ü   日本の特許法を参考にして、訴訟を提起した後に、証拠収集手続を執行する中立な技術専門家を指定するよう裁判所に申立することができる、「査証」制度を導入した。

ü   裁判所のウェブサイトで、当事者以外の国民、機関若しくは団体に対し、書面による意見書を公開募集する「法廷の友(friend of the court)制度」を設けた。

ü   経済部が「専利法一部条文改正草案」及び「商標法一部改正草案」において、専利事件、商標事件の救済手続を、現行の行政訴訟手続から、民事訴訟手続の「対審制」を準用するよう提案していることを受けて、「専利又は商標の複審及び紛争事件の手続」の関連規定を増設した。

ü   司法の電子化を一層促進させるために、改正案では、科学設備を利用して訴訟手続に参加できる対象を広げ、また、判決書の正本を電磁的方法により送達できることを明確に規定した。

ü   判決の齟齬を避け、実務上の紛争を解決し、審理の効率を高めるために、司法審理と行政審議の間における情報交換制度、専用実施権に関する訴訟の告知義務、及び専利有効性判断が異なる際の再審査の制限を増設し、また「訂正の再抗弁」制度などの関連規定も調整した。

 

 

 

 

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