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台湾行政院で2022120日に

「著作権法」及び「商標法」の一部条文改正草案が可決

【出典:知的財産局ウェブサイト】

台湾の「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(以下「CPTPP」という)」への加入促進に向け、台湾知的財産局は2016年から現行法規とCPTPPの前身である「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」の規定との齟齬について検討を行い、「著作権法」及び「商標法」の一部条文改正草案を提出した。この2つの改正草案は、2022120日に行政院の第3787回行政院会議(閣議)で可決された。その後は、立法院(日本の国会に相当)に送られ審議される予定である。今後、立法手続が完了すれば、著作権と商標権への侵害に対する抑止効果を高めることができ、権利者及び消費者の権益保護や、国際参加及び地域の経済・貿易の競争力の強化に役立つものとなる。

「著作権法」の一部条文改正草案のポイントは以下のとおりである。

Ø   職権起訴制度に対応するために、非親告罪の範囲を調整し、権利侵害の情状が重大である違法なデジタル化による海賊版、頒布又は公開送信の行為は、非親告罪(即ち公訴罪)とすることとした。同時に、著作権者の保護を強化するために、権利侵害の情状が重大であると認定するときの基準として、「他人が有償で提供した著作物を侵害した」、「原著作物をそのまま複製した」、「権利者が100万台湾ドル以上の損害を受けた」の三つの要件を設けた。(改正草案第100条)

Ø   光ディスクは衰退し既に権利侵害の主因ではなくなり、しかも海賊版光ディスクは改正草案第100条に定めるデジタル化による海賊版の範囲に含まれているため、現行法に規定されている海賊版光ディスクの複製・頒布の公訴罪の加重規定を削除して、一般の複製、頒布罪の刑事責任規定を適用し、関連する没収の規定もそれに合わせて削除することとした。(第91条第3項、第91条の13項、第98条及び第98条の1を削除)

Ø   今回の非親告罪の範囲の変更は、社会への影響が大きいことを考慮して、CPTPP加入時期に合わせるために、改正条文の施行日は行政院がこれを定めることを明確に規定した。(改正草案第117条)

「商標法」の一部条文改正草案のポイントは以下のとおりである。

Ø   商標ラベルを冒用するなどの権利侵害行為の主観的要件を改正した。現行の商標法における商標ラベルを冒用する民事責任について、行為者がそれを「明らかに知っていた」ことを権利侵害の主観的要件とする規定を削除し、一般の民事上の損害賠償責任を負う場合と同様に「故意」又は「過失」を責に帰すべき要件とすることとした。(改正草案第68条)

Ø   商標又は団体商標のラベルを冒用するなどの行為の刑罰規定を増設し、商標を冒用したラベル及び包装の輸入等の権利侵害の準備及び補助行為に対して刑罰を科すことにした。これにより、商標権者の商品の販売と収益性が向上し、商標の保護が強化される。また、インターネットを利用した販売や取引が一般的になっていることに鑑み、その行為が電子メディア又はインターネットを通じて行われた場合も同様とする規定も増設した。(改正草案第95条)

Ø   証明標章ラベルを冒用するなどの行為の刑罰の規定を改正した。証明標章ラベルを冒用したり、他人の行った権利侵害商品を販売し又は販売を意図するなど刑罰に係る行為について、「明らかに知っていた」ことを主観的要件とする規定を削除し、「故意」(社会の正義及び期待に応えるために、侵害が予見される間接的な故意も含む)を刑罰の要件とすることとした。同時に、証明標章を冒用したラベル及び包装の輸入行為の規定も増設した。また、インターネットによる販売や取引が一般的になっていることに鑑み、その行為が電子メディア又はインターネットを通じて行われた場合も同様とする規定も増設した。(改正草案第96条と第97条)

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