台湾　知的財産局が2021年上半期の知的財産権動向を発表

【出典：知的財産局ウェブサイト】

台湾知的財産局が2021年7月26日に発表した2021年上半期（1月～6月）の知的財産権動向によると、特許、実用新案及び意匠の三種類の専利の新規出願の受理件数は35,264件に達し、前年同期より4％増加したことが分かった。また、商標登録出願の受理件数も前年同期比で7％増加し46,379件に達した。台湾人による特許出願件数が急成長した主因は、大手企業による出願件数が21％増加したことである。そのうち、台湾積体電路製造股份有限公司（TSMC）は出願件数が1,263件で、初めて上半期で1,000件を超え、他の台湾及び外国の出願人の出願件数を大幅に上回った。外国法人ではクアルコムが、454件の特許出願件数でトップになった。商標の登録出願件数は再び過去最高記録を更新し、台湾人と外国人による出願件数が共に7％増加した。

2021年上半期の専利（専利とは、特許、実用新案、意匠の総称である）出願状況は、以下のとおりである。

Ø   台湾人による特許出願件数が10％以上増加

台湾が受理した三種類の専利出願のうち、特許出願は23,876件で、台湾人及び外国人による出願件数は、いずれも前年同期に比べそれぞれ13％と6％増加した。実用新案及び意匠の出願では、外国人による出願件数は、それぞれ22％と5％増加したが、台湾人による出願件数は、いずれもマイナス成長となった。

Ø   台湾積体電路製造股份有限公司（TSMC）による特許出願件数が過去最高

台湾企業全体の特許出願件数は7,650件に達し、台湾人による特許出願件数の約79％を占めており、5年連続でプラス成長を維持した。出願人のうち、台湾積体電路製造股份有限公司（TSMC）は、特許出願件数が1,263件で、上半期としては初めて1,000件を超え、個々の出願人の発明件数の最高記録を更新し、237％の成長率を達成した。意匠出願では、自動車部品メーカーであるCOPLUSが59件の出願件数で1位となり90％の成長率を達成した。

Ø   研究機関による特許出願件数は小幅な増加

台湾の研究機関による特許出願件数は、前年同期比で4％増加した。そのうち、財団法人工業技術研究院が101件の出願件数で1位となり、中央研究院が27件の出願件数でそれに続いた。

Ø   外国法人による特許と意匠の出願件数では、クアルコムとハリーウィンストンがそれぞれ1位

台湾で専利出願した国（地域）のうち、特許及び意匠では、日本が積極的に出願しており、それぞれ出願件数が6,044件と512件でトップとなった。実用新案出願では、中国が358件で1位となり、米国、香港、日本がそれぞれ67件、61件と34件でそれに続いた。外国法人による特許出願件数では、半導体メーカーであるクアルコムが454件でトップになった。また、成長率では130件で9位となった韓国の電子商取引大手であるクーパン（Coupang）が、442％の成長率を実現して1位となった。意匠出願では、米国の高級ジュエリーブランドであるハリーウィンストンが、97件の出願件数でトップとなり、前年同期比で31％増となった。

また、同日に発表された資料によると、2021年上半期における商標登録出願の受理件数は46,379件に達し、前年同期比で7％増加したことが分かった。そのうち、台湾人による商標登録の出願件数は35,048件で全体の76％を占め、再び過去最高を記録した。一方、外国人による商標登録の出願件数では、中国が2,333件で1位となった。また、商標登録出願を区分別でみると、台湾人では、第35類の広告、事業の管理及び小売り又は卸売の役務での出願が最も多く6,919件に達し、16％増加したのに対し、外国人では、第9類のコンピュータ及び科学技術製品などでの出願が2,115件あり最も多かった。産業別でみると、台湾人では「農業食材（10,621件）」産業の出願が他の産業よりも多く、外国人では「健康医療（3,654件）」産業の出願が最も多かった。