台湾 商標登録出願件数が大幅成長、商標のファストトラック審査を
2021年5月1日より正式実施
台湾知的財産局が発表した2021年第1四半期の知的財産権動向報告によると、第1四半期の商標登録出願の受理件数は22,385件に達し、前年同期比で10%増加したことがわかった。そのうち、台湾の出願人の商標登録出願件数は13%増加し、2019年第2四半期から8四半期連続のプラス成長となった。商標登録出願を区分別でみると、台湾の出願人では、第35類の広告、事業の管理及び小売り又は卸売の役務での出願が最も多く3,205件に達したのに対し、外国の出願人では、第9類のコンピュータ及び科学技術製品などでの出願が最も多く980件であった。また、産業別でみると、台湾の出願人では「農業食材(5,225件)」産業の出願が他の産業よりも多く、外国の出願人では「健康医療(1,761件)」産業の出願が最も多かった。
現行の電子出願システム下で試行されていた「商標ファストトラック審査」については、2020年5月1日の試行開始から2021年2月末までで、ファストトラック審査案件数が49,000件を超え、案件全体に占める割合は1ヶ月平均約58%~62%となり、通常案件の件数を上回った。また、ファーストアクション(FA)期間は、通常案件よりも平均約1.4~1.6ヶ月程度短縮しており、試行期間の結果が良好であったため、知的財産局は、2021年5月1日より商標のファストトラック審査を正式に施行することを決めた。
また、これとは別に、知的財産局は、ファストトラック審査が適用できないが迅速に商標権を取得する必要のある出願人のために、商標法一部条文改正草案に有料の加速審査制度を導入することにしている。改正草案は、現在、既に行政院会議(閣議)を通過し、今年の年末までに立法院に送られ審議される予定である。 |