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中国工商総局 
チリで先駆け登録された130件余りの
商標の救済に成功


【出典:中国工商総局ウェブサイト】

 中国の企業の数多くの商標が、海外で先駆け登録されている。例えば、「鎮江香酢」の商標が韓国で先駆け登録され、「王致和」の商標がドイツで先駆け登録されており、中国企業の海外展開に非常に悪影響を及ぼしている。現在、中国工商総局商標局はウェブサイトで、「あるチリの事業者が120社以上の中国おもちゃ企業の会社名称の主要部分と関連商標について、個人名義でチリ工業所有権局へ商標登録出願した。指定商品は主に第28類の玩具関連商品であり、先駆け登録のターゲットとなった企業は主に、広東省汕頭市澄海区のおもちゃギフト会社である」との商標の先駆け登録に関する注意喚起を行った。

 広東省汕頭市澄海区は、中国の重要なおもちゃギフトの生産拠点であり、「おもちゃギフトの都」と呼ばれ、澄海で生産されたおもちゃの大半は、欧米、中東、ASEANなど140以上の国及び地域に輸出されている。上述したチリでの商標先駆け登録は、中国の関連製造業者の商品がチリ及びその近隣諸国の市場へ参入するのを妨げ、企業利益に直接影響が及ぶ可能性がある。従って、商標局は商標の先駆け登録に関する注意喚起のなかで、関連企業に対しチリ現地の法律及び行政手続きに従って、自身の権利を主張するよう助言している。

 商標局が商標の先駆け登録に関する注意喚起を発表した後、広東省汕頭市及び澄海区の関連政府部門はチリへ派遣する商標権利保護代表団を組織し、専門の法律コンサルタントも雇った。代表団は澄海区玩具協会及び侵害を受けた企業と何度も話し合って、商標登録証、商標使用及び販売の証拠、関連商品の輸出地域及び市場での売上高などの権利保護に必要なあらゆる資料を集めた。

 代表団はチリへ向かう前に、事件の性質などに基づいて、起こり得る状況を予測し、シミュレーションをして様々な対応策を考えた。最終的に、チリの商標先駆け登録者はチリで先駆け登録した130件余りの商標を無償で中国の関連玩具会社に譲渡することを約束した。20171016日に、中国の代表とチリの商標先駆け登録者がスペイン語と英語の2種類の和解契約書にサインし、これにより130件余りの先駆け登録された商標が全部中国に返還された。現在、約50件の商標が既に返還のための譲渡手続きに入っており、その他の先駆け登録された商標も契約の約定に従って、順次返還手続きに入る予定である。

 韓国特許庁は、中国に類似した「海外ブランドブローカーに対する注意喚起」ウェブサイトの運営を20171110に正式に開始した。このウェブサイトは主に、中国において無断で先駆け登録された韓国企業の商標の被害状況及び対応情報、並びに現時点で把握する被害を受けた商標の登録、審査、登記、譲渡、無効及び取消などの行政情報の変動状況などを提供するもので、また同時に、新しいブランドブローカー情報、無断で先駆け登録した商標の登録時期及び企業の情報も提供しており、無断で先駆け登録された商標について通報することもできる。

 被害状況に対応するために、先駆け商標の登録時期別に、ウェブサイトでは企業に対し、措置ガイダンス、紛争対応アドバイス、知的財産権紛争の共同対応策を提供し、商標権利化に類似したフォローアップサービスにより問題を解決する。

 この「海外ブランドブローカーに対する注意喚起」システムはAPP版もリリースされている。韓国特許庁によると、2014年から1600件以上の韓国企業の商標が無断で先駆け登録されており、それは主に中国で行われている。このため、韓国特許庁は、韓国企業に被害関連情報及び対応情報を提供することに力を入れており、2016年から「注意喚起システム」を導入して、韓国企業に対し関連情報の提供を行っている。

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