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台湾 改正商業登記法に商標権侵害
による商号の強制変更規定を盛り込む

【出典:経済日報】

 201646日に商業登記法の一部改正案が立法院(国会)の初審(第一読会)を通過した。今回の改正案は201654日に華総一義字第10500037381号総統令をもって公布され、201656日に施行された。

 今回、重要な改正がなされたのは、知的財産権保護政策を確実に実施し、著名商標を他人が会社名称として使用することを禁止するためで、裁判所から使用してはならないとの判決が下された会社名称について、判決確定後6ケ月を過ぎても、依然として会社名称の変更登記をしなかった場合、商業登記主務官庁は当該会社の商業登記を廃止することができることが明確に規定された。これにより、名称の変更登記手続きが促されて、取引の安全が保障され、ビジネスの秩序が維持されることとなる。

 経済部商業司によると、今回の改正案において重要なポイントが2つある。第28条では、合法的に登記された事業者が行政区域の調整により既存の他の事業者と同一の名称(商号)を使用することになった場合は、同一の直轄市又は県(市)に既に登記された既存の事業者と同一の名称(商号)を使用してはならないとの制限を受けないとの規定が新しく追加された。これについて、従来は「行政解釈(一般に通達と呼ばれる)」により同一の直轄市又は県(市)における同一の名称(商号)の併存を許可していたが、現在は改正法で規定が明文化されてより明確なものとなった。今後は、直轄市合併等の調整、区域の調整、又は門牌(住居番号表示板)の調整があった場合、信頼保護の原則(信義則)に基づき、これらの事業者が併存できるようになる。

 第29条第1項第5号の改正は、商標法の保護に合わせるために行われた。商標と商号はそれぞれ別に審査が行われており、前者の中央主務官庁は経済部知的財産局で、後者は経済部商業司が管轄することから、かつては、著名商標を用いて商業登記されていることがしばしば発見された。例を挙げると、世界的に著名なブランド香奈(シャネル、CHANEL)は台中で香奈兒休閒旅館(シャネルレジャーホテル)と商業登記されたことがあり、国営事業台湾糖業会社(以下、台糖)は台中市で台糖建設、台糖営造等と登記された。これまでは、著名商標が勝訴の判決を取得し、裁判所が下した判決が確定したとしても、事業者が会社名称を変更しないことを堅持した場合、全くお手上げの状態だったが、法改正が完了した後は、その商業登記を取消すことができるようになる。

 商業登記の取消は、営利事業を行う主体が既に消滅したことを意味する。そのため、その会社名称を営業に使い続けた場合、他の罰則規定が適用される。

 その外に、第5条では屋台、家族経営の農林畜水産業、家内制手工業者、民宿業者は、月毎の売上高が営業税の課税最低限に達していない場合、商業登記を免除することができると規定している。

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