中国の最高人民法院が改正商標法施行後の管轄及び法律適用に関する解釈を発表
2014年2月10日、最高人民法院審判委員会第1606回会議で《最高人民法院による商標法改正決定施行後の商標事件の管轄及び法律適用の問題に関する解釈》が採択された。該解釈は2014年3月25日に公布され、2014年5月1日から施行される。
最高人民法院による商標法改正決定施行後の商標事件の管轄及び法律適用の問題に関する解釈
（2014年2月10日最高人民法院審判委員会第1606回会議可決 法釈〔2014〕4号）
商標事件を正確に審理するため、2013年8月30日第12回全国人民代表大会常務委員会第4次会議の《〈中華人民共和国商標法〉改正に関する決定》及び新たに発表された《中華人民共和国商標法》《中華人民共和国民事訴訟法》及び《中華人民共和国行政訴訟法》等法律の規定に基づいて、人民法院の商標事件の審理に関する管轄及び法律適用などの問題について、本解釈を制定する。
第一条
人民法院は次の商標事件を受理する。
1．国務院工商行政管理部門商標評審委員会(以下、「商標評審委員会」と略称する)が下した復審決定又は裁定を不服とする行政事件
2．工商行政管理部門がした商標に関するその他の具体的な行政行為を不服とする事件
3．商標権の帰属紛争事件
4．商標専用権侵害紛争事件
5．商標専用権の不侵害確認紛争事件
6．商標権の譲渡契約紛争事件
7．商標の使用許諾契約紛争事件
8．商標代理人契約紛争事件
9．訴訟前の商標専用権侵害停止申立事件
10．商標専用権侵害の停止申立に伴う損害賠償責任事件
11．商標紛争に伴う訴訟前財産保全申立事件
12．商標紛争に伴う訴訟前証拠保全申立事件
13．その他の商標事件
第二条
商標評審委員会の下した復審決定又は裁定を不服とする行政事件及び国家工商行政管理総局商標局（以下、商標局と略称する）のした商標に関する具体的な行政行為を不服とする事件については、北京市の関連中級人民法院が管轄する。
第三条
① 第一審の商標民事事件は、中級以上の人民法院及び最高人民法院が指定した基層人民法院が管轄する。
② 馳名商標の保護に係る民事、行政事件は、省、自治区人民政府の所在地である市、計画単列市、直轄市を管轄区域とする中級人民法院及び最高人民法院が指定したその他の中級人民法院が管轄する。
第四条
工商行政管理部門が商標権侵害行為の審理を行っている過程で、当事者が関連商標の商標権の帰属又は商標専用権侵害について民事訴訟を提起した場合、人民法院は受理しなければならない。
第五条
① 商標法改正決定施行前に提出された商標登録出願及び更新申請に対し、商標局が決定施行後に該商標の出願や申請に対する拒絶査定又は更新不許可の決定を下し、当事者がこれに対し行政訴訟を提起した場合、人民法院は審査の際に、改正後の商標法を適用する。
② 商標法改正決定施行前に提出された商標の異議申立に対し、商標局が決定施行後に該異議申立を受理しないとする決定を下し、当事者がこれに対し行政訴訟を提起した場合、人民法院は審査の際に、改正前の商標法を適用する。
第六条
① 商標法改正決定施行前に当事者がまだ登録査定されていない商標出願について復審を請求し、商法評審委員会が決定施行後に復審決定又は裁定を下し、当事者がこれに対し行政訴訟を提起した場合、人民法院は審査の際に、改正後の商標法を適用する。
② 商標法改正決定施行前に受理した商標の復審請求に対して、商標評審委員会が決定施行後に登録査定の決定を下し、当事者がこれに対し行政訴訟を提起した場合、人民裁判所は受理しない。
第七条
商標改正決定施行前に既に登録査定された商標に対して、商標評審委員会が決定施行前に受理し、決定施行後に復審決定又は裁定を下し、当事者がこれに対し行政訴訟を提起した場合、人民法院は、関連の手続的な問題の審査については、改正後の商標法を適用し、実体的な問題については改正前の商標法を適用する。
第八条
商標法改正決定施行前に受理した関連の商標事件について、商標局、商標評審委員会が決定施行後に下した決定又は裁定に対し、当事者が行政訴訟を提起し、人民法院が、該決定又は裁定が商標法の審査期間に関する規定に適合するか否かを認定する場合、審査期間は改正決定施行の日から起算しなければならない。
第九条
解釈に別途規定がある場合を除き、商標法改正決定施行後に人民法院が受理した商標民事事件が、該決定施行前に発生した行為に係る場合には、改正前の商標法の規定を適用する。該決定施行前に発生し、該決定施行後まで持続する行為に係る場合には、改正後の商標法の規定を適用する。 |