IPニュース | 商標

2012年の中国の商標登録出願数が最高記録を更新

 2012年の中国の商標登録の年間出願数は計164.83万件で、2012年末までの出願数が累計で1,136万件、登録数が累計で765.6万件、有効な登録商標が640万件に達し、いずれも世界一となった。
国家の経済発展に勢いがあればあるほど、商標出願と登録が多くなることから、商標登録は国家の経済力を表していると言える。中国はここ数年来、法体系を整備し、商標の戦略目標を定めることにより、脱OEMに成功し自主ブランドを打ち出した。企業もまたブランド意識を持ち、どうブランド力を蓄積していくかを理解するとともに、商標権を保障することで、企業の商標運用能力が顕著に高まり、商標保護は既に一種の社会的コンセンサスとなった。
 2013830日、中国全国人民代表大会常務委員会で「中華人民共和国商標法」の改正が可決された。これは、1982年に商標法が制定されて以来3回目の改正である。改正の目的は、商標法を時代に即したものにすることである。今回の商標法改正は、中国国内の実際のニーズを考慮しただけでなく、先進国の経験を参考にして各界と何度も討論を重ねたうえで制定された。最も重要なのは、世界各国の立法に先駆けて、商標審査の期限を明確に規定し、商標出願が迅速に権利化されるようにしたことである。このほか、出願人に迅速、簡便な商標登録サービスを提供するために、電子方式による出願を許可し、商標登録の審査制度を調整した。また、音商標を保護対象に入れた。もう一つの重要な点は、市場の公正な競争秩序維持を目的とした、商標権侵害の損害賠償額の大幅引き上げである。法定賠償金額の上限をこれまでの50万人民元から300万人民元に引き上げた。今回の改正の方向性は、イノベーション主導型発展戦略の実施において重要な意味を持つ。
 グローバルな視点から見ると、中国は国際競争力や世界的影響力のある有名ブランドがまだ少なく、世界第2位の経済大国という地位に見合っていない。中国は商標登録出願件数においては世界第1位ではあるが、市場における有効な登録商標数は依然として少なく、まだ努力の余地がある。
 現在、中国経済は安定的発展と構造転換の重要な時期にある。そのため、商標戦略を実施し、企業のブランド競争意識を高めることで、企業に産業戦略の立て直しを促し、産業の構造転換と高度化を推進することが望まれている。
Top  
 
 
  11th F1., 148 Songjiang Rd., Taipei, Taiwan | Tel : 886-2-2571-0150 | Fax : 886-2-2562-9103 | Email : info@tsailee.com.tw
© 2011 TSAI, LEE & CHEN CO LTD All Rights Reserved
   Web Design by Deep-White
Best viewed with IE8.0 or higher with 1024*768 resolution