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中国の商標法改正草案の内容変更

一、単一色彩商標を削除

 201212月の商標法改正草案初稿の規定では、単一色彩を商標として登録出願できるとされたが、2013626日の第2審議稿では、単一色彩商標に関する内容が削除された。
 商標の形態は、時代の進歩に伴い常に変化をしている。現在、多くの国や地域では既に音、色、匂いを商標として登録出願することが認められている。このような発展傾向の下、中国商標法改正案の草案初稿には、単一色彩の商品や商品の包装上への使用について、使用することで明らかな特徴を備え、該商品とその他の商品を区別することができるものであれば、商標として登録出願することができるという規定が追加された。
 しかしながら、一部の専門家や企業からは、単一の色彩には限りがあり、普通の人が識別可能な色彩は100種類程度しかなく、もし単一色彩商標の登録を認めれば、商標登録者による色彩の独占を招きかねず、同時に単一色彩で商品の出所を区別するのは非常に難しいことから、実務上容易に混同を生じることになると、単一色彩商標の登録を認めることに対し反対の声が上がった。
 全人代法律委員会は検討を行った後、実務上、中国の企業にはまだ単一色彩を商標として登録する需要がなく、しかも商標の登録、管理などの方面に対応する関連措置なども不足しているため、単一色彩商標の規定を削除するとの考えを示した。

二、商標権侵害の損害賠償金額の引き上げ

 201212月の商標法改正草案の初稿では、商標権侵害事件の法定損害賠償額の上限を人民元(以下同じ)50万元から100万元に引き上げると規定されたが、2013626日の第2審議稿では、この上限が更に200万元に引き上げられた。
 商標権侵害の代価は低く、商標権者の権利保護に掛るコストは高いという状況をみると、商標権侵害は中国の知的財産権分野において一貫して解決が困難な問題であると言える。現地企業が深刻な被害を受けているだけでなく、外国企業はもっと苦慮している。加えて地域保護主義も、商標権侵害を更に蔓延させている原因となっている。
 201212月の商標法改正草案の初回提出、審議後、一部の全人代常務委員、地方政府、部門(省庁)及び企業からは、登録商標専用権の保護強化のため、違法行為に対する損害賠償額を上げ、商標権侵害行為の取締り強化を図るべきとの意見があり、よって、商標法改正草案に対して以下の改正が提案された。
1、工商部門が権利侵害事件を調査するとき、没収、滅却の対象を、「「専ら」商標権侵害物品の製造や登録商標の標識を偽造するために使用される道具」から、「「主に」商標権侵害物品の製造や登録商標の標識を偽造するために使用される道具」へ変更。
2、権利侵害事件の法定損害賠償額を「100万元以下」から「200万元以下」に引き上げ。
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