バーバリーの黒白チェック柄が台湾で商標不登録に
イギリスのブランド、BURBERRY Limited（バーバリー）は、台湾で「バーバリーチェック（Black & White）」の白黒のチェック柄を商標登録出願していたが拒絶査定となったため、行政訴訟を提起した。最高行政裁判所は2013年4月11日に、係争商標は「識別性を備えない」との理由による拒絶査定に対し反対の意を示さず、102裁第443号をもってバーバリーの上告を棄却し、全事件はこれで完結した。
バーバリーでかつて比較的見られたのは、カラーのチェック柄で、台湾では既に下図の商標が登録されている。また、バーバリーのデザインのチェックシリーズには、カラーのほかにも、黒白のものがある。
今回バーバリーが商標登録出願した黒白チェックの使用態様については図二を参照。
バーバリーのカラーのチェック柄は、長年既に一般消費者に有名ブランドとして知られており、世界各地で商標登録されている。例えば、台湾の登録番号第0059242号商標、米国では、登録番号4123508号と3529814号である。一方、白黒のチェック柄も1995年から世界各地で商標登録出願を行っているが、台湾では拒絶査定となった。
知的財産局が拒絶査定とした理由は以下の通り。
1. 台湾のデパートで販売しているバーバリーの商品は、ほとんどがカラーのチェック柄で、白黒のチェック柄は非常に少ない。
2. バーバリーが登録査定を主張するチェックは色の限定がなく、もし当局が白黒のチェック柄の登録を許可すると、商標権の保護範囲があまりにも広範になってしまい、同業者の合理的な使用に影響を与え、商品の自由な装飾の妨げとなってしまう。
バーバリーの答弁理由は以下の通り。
1. 長年持続的に使用してきた事実
バーバリーの商標は既に140年あまりに亘り使用されてきた。商品は世界444の直営店と1,100のデパートで販売されており、バーバリーチェックシリーズは消費者にとって定番のデザインで、すでに一般の消費者に知られた商標であり、識別性を備えている。
2. 他国では既に商標登録済み
バーバリーは2008年に、黒白チェック柄について、黒色の直線が垂直と水平に単純に連続的に交叉し、交叉した部分に4つの白い四角形のある図案でもって、香水、化粧品、眼鏡、マフラー、布類、衣服等を指定商品として、台湾において商標登録出願をした。バーバリーの黒白チェック柄の商標は、台湾で登録出願される前に、英国、米国、EU、日本などで既に登録査定されている。
3. 具体的な使用態様
バーバリーチェックシリーズは、キャメル、赤、黒の組合せのほかに、ピンク、ブルー及び黒白の組合せも使用している。黒白の組合せのチェック柄は、世界的に有名なファッション雑誌にも取り上げられているため、消費者にとって、識別性を有している。
行政裁判所がバーバリーの黒白チェック商標を不登録とした理由は以下の通り。
1. バーバリーの商品で販売されているのは、ほとんどがカラー商標の商品で、それに比べ、黒白チェック柄の図案の商品は少数であり、識別性を備えない。バーバリーは、黒白のチェック柄が台湾で長期に亘り大量に使用されていることを証明することはできない。
2. 一般消費者がバーバリーの黒白チェック柄の商品を熟知しているとは言えず、取引において既に営業上の役務の識別標識になっていると認定することはできない。
3. 各国は商標保護について属地主義を採用しており、他国が登録査定すれば、台湾もそれに従うというものではない。
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