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アウディ社「e-tron」商標 最高行政裁判所が上訴を棄却

 ドイツのアウディ社(AUDI AG)は2010年に「e-tron」の文字を、自動車などの商品に使用を指定し、知的財産局に商標の登録出願を行った(出願番号:099021891)。知的財産局は「e-tron」が既に登録の第1355859号「E-TON」商標と構成が近似しており、商標法第23条第1項第13号、第24条第1項の規定にあたり、消費者に混同誤認を生じさせる虞があるとして、公文書番号(100)知商40055字第10080082740号、拒絶査定第0329775号により却下の裁定を下した。
 
 知的財産局が却下した理由は主に、人に与える全体的な印象が2つの商標ともに似ているところがあり、両者はいずれも単純な文字商標で、ほかに識別するに足る部分がなく、その外観、称呼は普通の知識経験を有する消費者が、購入の際に普通に注意したとき、2つの商品の出所は同じである又は同じではないが関連があると誤認する可能性があり、近似を構成する商標に属するためである。
 
 さらに二つの商標が使用を指定している商品を見てみると、「e-tron」商標は「船舶及びその部品、航空機及びその部品、鉄道車両及びその部品、自転車及びその部品、自動車及びその部品、二輪自動車及びその部品」等の商品に使用することを指定しており、証拠である登録が許可された「E-TON」商標が指定する「自転車及びその部品、二輪自動車及びその部品、自動車及びその部品」等の商品と比べると、2つはいずれも「自動車、自転車及びその部品」などの移動手段(交通手段)の商品で、その材料、用途、機能はほとんど一致している。同業の製造業者の製造で、標示が同一又は近似の商標の場合、一般社会通念及び市場取引の状況からすると、一般商品の消費者に出所が同一である、又は同一ではないが関連があると誤認させてしまうことから、使用を指定する商品の間には同一又は同程度の類似関係が存在していると言える。
 
 アウディ社は答弁で「e-tron」商標を実際に使用する際には、必ず同社の有名な「audi」商標と併用するので、消費者に混同誤認を生じさせることはないと主張したが、知的財産局は、「e-tron」商標だけを見ると、確かに消費者に混同誤認を生じさせる虞があるとして、依然その商標登録を許可しなかった。
 
 アウディ社はこれを不服として、知的財産裁判所に訴訟を提起したが、敗訴の判決が下された。最高行政裁判所に上訴を提起した時には、知的財産局の判決に違法性があるかについて説明がなされなかったため、最高行政裁判所は上訴に合法性がないとして棄却した。
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