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燦坤の「会員特典」文字商標は識別性を有さず

20097月、燦坤実業株式会社は「会員特典」を第35類役務において、指定使用するとして、文字商標の登録出願をした。燦坤の主張は、「会員特典」商標を長期的に広範囲に渡り使用し、既に二次的意義を得ており、商標第23条第4項規定の適用を主張し、商標の識別性があると認定すべきである。

これについて、知的財産局は審査した結果、次のように判断した。

本件商標図案である『会員特典』はデザインされていない単純な中国語の横書きの構成で、消費者の全体文字に対する認識は、会員に優待プランを提供する公告宣伝文句であり、各業者がキャンペーンの時に広告宣伝によく使用する文句であり、関連消費者に役務を表彰する標識であると認識させ、且つそれによって他人の役務と区別させることができず、識別性を有しない。よって、20101214日、拒絶査定とした。

燦坤は不服とし訴願を提起したが、経済部は2011421日に却下した。燦坤は行政訴訟を起こし、「2009年から201011月までに既に6,080万元の宣伝費用を投じており、長期的に広範囲に渡って使用した結果、取引上既にその商品又は役務の識別標識となり、二次的意義を得ている。」と主張した。

知的財産裁判所は審理した結果、次のように判断した。

燦坤の言う商標図案は、デザインされていない単なる横書きの中国語である『会員特典』で構成されており、その全体文字が消費者に与える認識の意義は、会員に対し、特別優待プランを提供するということである。燦坤が『会員特典』を使用して商品を販売するのは70年代の日本企業英弘株式会社の「エコー」の概念が基であり、『特典』の文字は日本語で「特別な恩恵」とか「特別な待遇」の意味がある。原告はこれを商標として、商工業広告企画などにおいて、会員に対し優待プランを提供する広告用語として使用したが、業者が宣伝時に使用する簡単で直接的な表現方法のため、消費者に役務を標章する標識だと認識させ、且つそれによって他人の役務と区別させることができず、よって識別性を有しない。

『会員特典』の使用方法からすると、広告紙面全体の配置は、『会員特典』を表示する文字以外に、左上の隅には何れも少しデザインが施された『燦坤』の2文字の表示があり、またそれぞれにその他の広告宣伝文句が表示されていて、該広告に記載の『会員特典』の文字とその他の宣伝文句が交互に配置されており、消費者には広告の中の『会員特典』が商標であると区別できない。その他の文字は単純な広告宣伝文句であり、『燦坤』の文字がないと、消費者は『会員特典』を見ただけでは、その商品や役務の出所を識別することができない。

消費者が『会員特典』を商標と看做さず、『会員特典』などの文字は原告の会員に優待プランを提供する広告宣伝文句の直接表現で、燦坤が6,080万元以上の宣伝費用を投じたとしても、『会員特典』が長期的に広範囲に渡る使用で既にその商品又は役務の識別標識となり、二次的意義を得たとは認め難い。従って知的財産裁判所は、『会員特典』に商標権を付与しない判決を下す。

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