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最高行政裁判所商標混同誤認の虞の判断原則を掲示

 

 

本案件の原告‧被告に関する商標の基本資料は、以下のとおりである。

 

 

係争商標(原告)

異議商標
証拠

商標名称

好柿多

好市多
(804738号)

 

出願日

 

2003年6月16日.

 

1997年1月17日

使用指定

31類:新鮮な果物および野菜など。

第16類:主に紙、紙製品及びオフィス用品を含む。

 

具体的な使用形態

 

中国語の「好柿多」とアニメの柿のデザインを組み合わせて使用、または「好柿多」のロゴの下に「東勢鎮甜柿產銷班第五班」と生産元を表記

 

単に「COSTCO」および「好市多」商標をあわせて使用



具体的な使用形態 中国語の「好柿多」とアニメの柿のデザインを組み合わせて使用、または「好柿多」のロゴの下に「東勢鎮甜柿產銷班第五班」と生産元を表記単に「COSTCO」および「好市多」商標をあわせて使用

事実:智慧局により「好柿多」の商標出願案件が登録査定されたが、その後、美商普來勝國際社(以下「COSTCO」と省略する。)は、該商標が商標法第23条第1項第12号、第13号、第14号の規定に違反するとして異議を申し立てた。しかし、智慧局は2005530日に「異議不成立」と裁定をした。そこで異議申し立て人は、訴願委員会に訴願を提起した。そこで、訴願委員会は異議不成立の処分を取り消しとしたことに準じ、智慧局は「異議成立」とした。それに対して、「好柿多」側が高等行政裁判所に起訴を起こした。

原告(「好柿多」商標を有する者 )の主張は以下のとおりである。「商標近似」は「消費者の混同誤認にいたる虞」との要件に達することが必須で、商標の単純な近似は、混同誤認を生むとは限らない。原告‧被告(二社)の商標は、流通経路、用途、商品により、消費者が混同誤認する可能性がなく、「商標の中国語発音が完全に同じ」という理由だけで、二つの商標が、別の地、別の時間に、商標全体を隔離して観察しても、近似を構成するとは誤りである。また、普來勝社(COSTCO)は、もともと「好市多」の商標を使用しておらず、該商標が著名商標であるとは断じて言えない。

被告(経済部)主張:二社の商標は近似を構成するが、智慧局はもともと近似を構成しないとして商標権の余地があるとした。経済部智慧局が該元処分を取り消したのは誤りではない。

智慧財產裁判所の一審判決は、以下のとおりである。

1. 二社の商標の外観は近似している。その上、COSTCO社の
商品は「新鮮な野菜」を含んでいるため、消費者が混同誤認を起こす虞がある。

2. 上訴人(COSTCO)は、「好柿多」が「好市多」の商標の識別性および信頼名誉を減損させる虞があり、該係争商標は類似する他人の登録商標に近似していると認めた訴願決定には誤りがない。

3.商標の「近似の是非」の審査においては、「出願した商標
デザイン」のみを、範囲とみなし、出願人がその実際に使用する時に、自らその他のデザインを追加し、総合的に使用するかどうか、もしくは付記を追加しているかどうかは、審査時に斟酌する必要ない。

最高行政裁判所の判決

1. 商標において、「他人の著名商標または標章においての相同、または近似は、関連する公衆が混同誤認する虞がある、もしくは、著名商標または標章の識別性あるいは信頼名誉を減損する虞があるもの」「他人の同一、または類似商品、もしくはサービスの登録商標、または先に出願した商標における相同、または近似は、関連する公衆が混同誤認する虞があるもの」「他人が先に使用する同一、または類似する商品あるいはサービスにおける相同、または近似するもので、該他人と契約、地縁、業務での行き来、もしくはその他の関係を有し、他人の商標の存在を熟知するもの」は、登録を受けることができない。

2. 二社の商標を比較すると、デザイン上、中国語の発音が完全に相同であり、異なるとき、異なる場所で全体を隔離して観察し声にして読めば、近似を構成する商標に属するに違いない。原処分の機関は、両者の商標が近似に属さず、商権を有する余地があるとしたが(異議不成立)、原判決は、二つの商標が近似するとの見解が正確で適切であることに同意している。

3. 商標および商品のサービスの近似は、「混同誤認を構成する虞があるか」を判断する際に考慮しなければならない要件である。条文中にわざわざこの二つの要件を列挙したのは、「混同誤認を構成する虞がある」との内容が成立するためには、この二つ要件を必ず具備しなければならないからだ。

4. 商標近似および商品/サービスが類似する要件は、商標衝突を判断する際に考慮しなければならない要素である。しかし、商標衝突の最も重要且つ最終的な標準は、関連消費者が混同誤認をする虞があるかどうかにある。よって、商標近似および商品/サービスが類似する要件を具備しても、他の重要な原因で混同誤認に至らない。商標を審査する際に、前記いくつか要素の一つで「混同誤認を構成する虞がある」ことが成立するかを判断することはできない。従って、原判決を維持するのは適切ではない。原判決が前記適切ではない所を有するので、事実を究明するために、本裁判所(最高行政裁判所)は、原判決を廃棄し、知的財産裁判所に改めて適切な裁判をするように命ずる。

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