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台湾と中国間の専利論壇実務ガイド、優先権および弁理士緩和の議論

台湾経済部知的財産局は、「2008年両岸専利論壇」を主催し、11月18日より連続二日間、宜蘭で開催した。中国の国家知識産権局の副局長李玉光氏は、11月15日夕刻、同行の官員10人のグループと共に来台した。

訪問団は今回の来台において、工総を訪ねた他、知的財産局にも訪問した。今回の専利論壇の意義は極めて重大で、第一回目の台湾主催であるだけでなく、来台の官員数も歴代で最高数であり、また、今までになく法制度面、審査実務、専利人材訓練および管理制度から全面的に双方の専利経験を交換した。

二日間の会議中、中国訪問団は中国知識産権の最新発展を紹介し、台湾知的財産局の一級主管者も台湾の専利法修正法、審査実務および最新の専利師制度を説明した。本来この機会に、両岸相互の優先権承認、中国が台湾人民に専利師試験受験を開放するかの敏感な議題にも触れたいところであったが、比較的高い決定層に係り、又、比較的中期、長期の問題であり、更に高い階層の人によって決定される内容であることから、最終的には、中国側の「一歩一歩」路線により、双方で審査人員を互いに訪問するよう派遣したり、専利に関連する情報および国際議題の交換、また、近いうちに相互に進度報告をするなどを含む、短期で可能な具体的方案、比較的技術専門方面に関わる具体的な方案を話し合った。

工総秘書長の蔡練生氏は、「馬総統就任以来、両岸の関係は大きな改善の余地が見られ、業界の需要が大きいので、論壇方式が確立し、以後参考にして処理していくよう希望する。」と述べた。知的財産局局長王美花は、「今年、来年は、両岸の交流、協力が進む重要な年であり、知的財産局は、中国に対して、将来、両岸の専利審査の結果が相互で承認され、専利および商標の優先権の相互の承認、台湾人民が大陸で専利代理人を受験する資格を得て、執行業務の認証が得られるよう協議するよう提議した。これによって同時に、双方が協力して模倣品を追撃し、ドメイン名の先制登録(pre-emptive registration)を防止するための研究、協議を行い、論壇中にも、修正草案について討論を行うことも可能である」と述べた。

李玉光氏は、両岸が専利の論壇を開催することは、双方の専利協力が一歩一歩前進することであるとし、両岸の知的財産権における短期5項目の専利協力の措置について、以下のように提案した。

一、双方が、非官僚または半官僚の立場にかかわらず交流し、行政官僚層の間で、密接な連絡を取り合えば、双方の知的財産権推進に役立つ。

二、相互の信頼を確立し、仲介組織を運用して相互の信頼関係を築く。

三、専利審査品質の確保または専利実施等技術面で交流、協力し、協同して双方の審査員の水準を上げる。

四、両岸の専利人員の研修を遂行し、中国の審査員は二年の訓練経験が必要なので、将来は、人員を台湾に派遣してもらい、知的財産局で訓練を受けてもらう、または、情報代表団、審査代表団等も台湾に派遣してもらい、交流を持つ。

五、公衆の専利情報サービスを提携することで、双方の民衆の知的財産権への認識を強化し、専利権への保護の意識を高める。

双方の審査人材面では、知的財産局の専利一組のリーダー、鍾士偉氏が「中国と台湾は同じように、専利出願案件の成長が速く、同時に審査の質と量の問題に直面している」と指摘した。よって、論壇中、双方が各々どのように人材、訓練、品質、時効等の要因を平衡することについて、意見交換した。また、双方が専利代理人の制度方面でも大きな変革があり、双方もまた、互いに人材訓練、公会組織、および国家試験の実務経験を交換している。

台湾の知的財産局専利審査員は僅か324人であるのに対し、中国の国家知識産権局専利審査員は8千人余りであり、人材数の差が顕著であることは、局長を十分羨望させた。李玉光氏は、中国は専利関係の人材不足の心配はないのだが、そのクオリティが、該局が直面する大きな問題であると述べていった。
我々、連邦事務所所長蔡坤財、李世章弁護士、及び吳啟超マネージャーも招待を受け、今回の論壇に参加した。また、台湾を去る際には、連邦事務所は、中国の参加団を友好の為の食事に招いたが、和気あいあいと始終友好的な雰囲気であった。

 

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