経済部知的財産局が検討中の「インターネットサービス提供者(ISP)の責任制限」に関連する法規の修正草案を発表した。「有効な通知/撤去」機制によって、ネット上の権利侵害を防止し、ネット上に流れる非法な情報を阻止する。知的財産局王美花局長は、「ネットサービス提供者(ISP)が、権利侵害者でなくとも、有効な通知を受けてから、権利侵害の恐れがある著作物を取り下げなかった場合、「民事幇助犯」の責任を課すが、刑事罪には問わない。一旦、立法が成立したら、Yahoo!、ebay、hinet、seednet等のISP業者全てに適用する。」と述べた。
ネットサービス提供者の責任を制限する立法の作成については、知的財産局が、用意周到に、既に六回の意見交流会議を開いた。そこで、ネットサービス提供者は、第三者がその設備、サービスを利用し、権利侵害の行為を起こした場合、現行の民法に、共同で権利侵害行為の責任を負う規定の適用がある事を明白に確定した。また、草案で設けたい「ネットサービス提供者の責任回避所」のは、「ネットサービス提供業者は、ネット使用者の著作権権利侵害行為に対し、法律により責任を負い得る。」との条件の上に、成立させるべきである。この部分は、現行の民法および著作権法にかかる規定(民法第28条、第185条、188条、著作権法第88条の規定)により、既に規範化および適用されている。よって草案は、ネットサービス提供者が提供するサービスに、責任回避できる条件を制定し、「notice and take down」(通知と撤去)の過程を規定に加えるだけである。
即ち、ISP業者自身が権利侵害行為をしなくとも、通知のプロセス上にのみ責任を負う必要があるため、これにより、知的財産局は、ISP責任制限草案中の規定で、「有効な通知/撤去」機制によって、ネットの権利侵害行為を抑制することを決定した。
いわゆる「有効な通知/撤去」とは、ネット上で権利侵害行為が見つかると、著作権者がISP業者に通知後、ISP業者が、できるだけ早急に、かかる権利侵害の内容を撤去する必要があることで、通知の過程について時間的な制限はないが、10日以内に権利侵害者を起訴する。ISP業者は権利侵害者ではないが、ISP業者が、もし権利侵害の情報を撤去しなければ、やはり、「民事幇助犯」の責任があると、草案に明白に記述している。
次に、CD権利人が既に盗作、コピー防止の機制を有することを鑑み、草案もまた、ネット著作権の「内容判読技術」および「フィルター技術」の関連規定を増設し、もし著作権利人が既にフィルター機制、もしくは内容判読技術を提供しているならば、ISP業者に不合理な負担を課す場合を除いて、ISP業者もまた、協力してそれを執行する必要がある。すなわち、権利人およびISP業者の協力を促進する事によって、権利侵害情報の流通や散布を防ぐ。
又次に、ネット交換ソフトウエアを利用する権利侵害を有効的に防止するために、例えば、P2Pソフトウエアによる権利侵害を有するファイルのダウンロードもしくは共有するケースでは、ISP責務立法草案において「転送」機能を特別強化する。即ち、ISP業者は、著作権者からP2Pソフトを使用して権利侵害行為があるという通知を受けた後、この通知を電子メールで該IPアドレス使用者にも転送し、警告することを奨励している。
「ネットサービス提供者の責任制限」の草案を立法する目的は、ネットサービス提供者に「避難所」を提供することであり、これらの業者が関連規定さえ遵守していれば、免責の主張ができるとし、ネットサービス提供者が、著作権者と協力し合って、盗作や模倣を追放するよう促進し、ネット上の秩序を維持、保護することである。教育部が設立した「台湾学術インターネット(Tnet)」に至っては、教育部もまた、本草案の免責の適用を、支持し認めている。知的財産局は、現段階で既に、最後の文章調整に入っており、2008年8月に草案を完成し、行政院の審査を申請できるよう望んでいる。